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1321. 消毒 [思い出話]

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                           赤痢菌を発見した志賀潔博士

 1950年代、仙台市内では梅雨明けの頃に「消毒」が回っていました。二・三人の大人が引っ張るリヤカー(荷車)にエンジンを乗せ、その吹き出す空気に薬剤を混ぜて煙突のような筒先から「ゴーッ」と家の中に噴霧するのです。強烈な音でした。事前に回覧板でおよその時間を知らされているので、私達は寝具や食器類、金魚、食材などを庭に出し、窓に鍵をかけ、玄関を細めに開けて待ちました。噴霧1~2時間後、自宅に入ると畳や床がツルツルしていたものです。

 私が小学生の時、明らかに「赤痢」とわかる症状になりました。それでも、近所の医師は、「毎日手と食器を念入りに洗って、家から出ないように。」と厳しく言い渡し、薬を処方してくれただけでした。当時は、一軒が赤痢を出すとその家とその周囲、ドブの中まで念入りに保健所が消毒していました。当然ご近所からは嫌がられます。先生はそんな我が家を不憫に思って、あのような温情診断をしてくれたのだと思います。私の症状がどの程度だったのかは分かりませんが、公衆衛生の立場からすれば由々しき事です。きっと先生は腹をくくって決断されたのだと思います。ご意見は色々あろうかと思いますが、私はあの決断に感謝しています。

 今、新型コロナで自宅隔離というニュースを聞くと、当時の事を思い出してしまいます。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 新聞読みながら食べる父、メール読みながら食べる娘。 (鹿)

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1316. 人は見かけで… [思い出話]

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                          夜に行う大規模なガス管工事

 学生時代、警備会社にアルバイトの面接に行きました。仕事は夜間の工事現場の交通整理です。

 会社に入ると、「やっちゃらんねぇ!」と中年男性が上気した顔で服を着替えていました。辞表を提出したと言います。私は面接で即合格となり、その夜から交通量の多い道路のガス管工事の現場勤務となりました。現場監督は、驚いた事に昼間辞めると怒っていたあの男性でした。会社側の懇願に応えて渋々残ったらしいのですが、荒れていました。

 仕事は私ともう一人の相方と彼の三人だけ。私と相方は、夜7時から真夜中の1時まで立ちっ放しで足がジンジン痛みました。30分程度の休憩の後も朝6時まで再び立ち通しです。そんな勤務が四五日続き、私達は彼が大嫌いになりました。

 そんなある朝、仕事を終えた私は公衆電話を利用してから帰宅しました。自宅に着くなり、財布を電話ボックスに置き忘れた事に気づいたのです。大急ぎでボックスに戻りましたが、ありません。学生証と全財産が入っていたので呆然となりました。

 するとそこに彼がやって来て、「見つけたから、取っといたぞ。」と私の財布を渡してくれたのです。彼は私が来るのを2時間近く帰らずに待っていてくれたのです。その瞬間、彼への恨みは霧消し、ただただ感謝するばかりでした。人は「見かけで」どころか、「そう簡単には」判断できないと反省しました。

** 高校生のコトバ **************************

名言: 「テスト何点だった?」と聞く人ほど、実は自分が聞かれたい。 (Peach☆)

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1288. 共生 [思い出話]

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                  自然に声がけや手を差し伸べられたらいいですね。

 先日のラジオ番組で、車いすの生活に入って2年目の女性の話を聴きました。その女性は幼い頃、母親から、「障がい者の人と目を合わせてはいけない。指をさしてはいけない。」と言われ、障がい者は自分と全く別の存在と思っていたそうです。ところが、自分がいざ障がい者になってみると、同じような車いすの人と普通に話はできるし、一緒にゲラゲラ笑えるし、何ら以前の生活と変わらない事に気づきました。彼女は言います。「皆さんが障害者に何か手を差し伸べようとすると、どうしても構えてしまいます。それよりは、友達になって下さい。」

 私が小学校5年生の時、担任の先生が小児マヒで両足が動かない少年をクラスに転入させました。どんな経緯があったのか分かりませんが、支援学校から来た彼は、話もしないし勉強道具も机上に出さない偏屈者でした。プールの授業が始まると、教室の窓から私達を羨ましそうに眺めていました。ところがやがておチャラけた連中が、着替えの最中、彼の前で「アラッ」などと言って、腰に巻いたバスタオルをはらりと落とすと彼もクスッと笑い出し、やがて性格も明るく変わっていきました。いつの間にか私達の間の垣根は消えていました。先生の計らいは、彼と私達の両方を変えたのです。

 私も、障がい者の方や外国人には友達として話しかける事が、共生社会を築く一番自然な第一歩だと感じます。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : テスト前、勉強に焦ってくると、国語の勉強をしなくなる。(T)

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1282.夢 [思い出話]

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                当時の子供達が読んでした週刊誌 (1959年の創刊号)

 1956年は、経済白書が「もはや戦後ではない」と謳った神武景気の年でした。しかし、私の記憶では、人々の生活はまだまだ不便でした。広瀬川や沼の岸辺には、防空壕を利用した人々が住んでいて、汚い水で炊事をしていました。廃品回収業の老人と5歳位の女の子の二人家族は、私が中学生になる頃までそんな生活をしていました。

 一般家庭でも、白黒テレビはもちろん洗濯機や炊飯器、冷蔵庫もありません。お母さん方は大家族の洗濯、炊事、買い物で一日が終わっていました。買いだめができないのです。夕方になると、各戸の七輪で焼くサンマの煙が道路に霧のように漂っていました。

 しかし1960年の池田首相の「国民所得倍増計画」に煽られた国民は、60年代前半の「三種の神器(白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫 )」と後半の「新三種の神器(カラーテレビ、クーラー、車)」を何とか手に入れようとがむしゃらに働き、ついに日本は1968年にGNP世界第二位の経済大国にのし上がりました。

 私達の頃には、モノがない分夢がありました。その意味では、モノにあふれている今の皆さんはお気の毒です。でも、得ようとすればモノ以外にも対象はたくさんあると思いませんか?例えば、学力、技能、海外体験、資格、恋人、宗教体験、等々です。是非人生は楽しい夢を描いて生きていって下さい。そうすれば、夢以上の現実が待ってますから。

**高校生のコトバ **************************

名言 : 少しくらいの金の貸し借りは、友人としての礼儀である。 (A.T.)

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1275. 主体性 [思い出話]

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                    ペープサート

 大学時代「児童文化研究会」というサークルに入っていました。小学校の学童保育を定期的に回り、タヌキやクマなどのぺープサートの人形劇を演じる会です。材料を購入して舞台をこしらえ、脚本作りから音楽選定、配役などを部員達で決めました。歌やギターも奏でるので結構忙しく、夏休みには合宿も組みました。今の職場でも役立っている充実したサークル活動でした。

 ところが、このサークルの4年生に一人、当時の全共闘過激派の活動家が入っていて、時々覗きに来ては「お前らは主体性に欠ける」と説教しました。主体性を強要しながら後輩の主体性を認めない姿勢に疑問は感じましたが、当時の大学の部内ヒエラルキーは強固で、誰も反論できません。

 それどころか、時々近くの教会で「学習会」があり、対立セクトの欺瞞性といった「講義」も受けました。動員をかけられて入った他大学の校舎では周りを対立セクトの学生集団に囲まれたり、日比谷公園ではなだれ込んで来た機動隊員に背中を蹴飛ばされたりと、ノンポリの割には結構危ない目に遭いました。運が良かったから今があります。

 考えてみると、やはりあの先輩の語った「主体性」が当時の私には足りませんでした。大学では色々な勧誘が待ってます。皆さんは多くの情報を集めて、たとえ良いサークルであっても、強制される活動には是々非々の姿勢を貫いていって下さい。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : よっこいせ 言う度周りに 笑われる (m.p.)

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1211. サラ金 [思い出話]

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                        貸金業法の概要  (金融庁のホームページより)

 昔の恥をさらします。他山の石として下さい。大学生の時、1回だけサラ金から借金しました。「学生さん大歓迎」の広告につられたのです。

 電話をかけて、こわごわ指示された場所に行くと、そこは普通のマンションの一室でした。通された部屋には大きな金庫がデンとあり、太った店長と一人の男性社員がいました。ジロリとこちらを睨んで店長が言いました。
「いくら借りたいの?」「5万円を5回払いで。」「じゃあ、これ書いて。」
と、申込書を書かされました。その後しばし面談があり、再び
「これにも書いて」
と白紙の同じ用紙を渡されました。

 書き終えると、
「じゃあ、お袋さんに電話して」
突然の命令でしたが、仕方なく電話をかけました。受話器の向こうでは母が何事があったかとビックリしていましたが、何とかごまかしました。このやりとりをもう一台の受話器で聞いていた社員が、社長にOKサインを出し合格となりました。

「うちは月3%だから、5万円の5ヶ月払いだと利子は7500円。利子先払いだからね。」と利子分を引いた42500円を渡されました。「ずるいなあ」とは思いましたが、穏便に、穏便にと我慢して受け取りました。苦々しい思い出です。

 皆さんはサラ金などには絶対行かないようにして下さい。そもそも今は貸金業法で、どんなローンでも利息は年20%以上取れない事になっています。

** 高校生のコトバ ************************

名言 : 耳かきをすると、必ず口が半分開いている。  (モーニング娘)

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1204. 写真 [思い出話]

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            野草園から見た60年代の仙台市。左の細長い建物が愛宕中学校。

 仙台市立野草園に行ってきました。萩のトンネルなどをくぐっていると、昔の同園の写真が数枚貼られている掲示板がありました。見ると、私の通っていた仙台市立愛宕中学校の当時の校舎が写っているものがありました。30年以上前に解体された私達の教室も見て取れます。懐かしさで、脳内モルヒネが出たかのようでした。それをカメラで撮ったのが上の写真です。

 当時の私達は、学校帰りにここからこの風景を見たものでした。「♪霧晴れわたる広瀬川…」50年以上前に歌っていた校歌が口から出てきました。同時に、中体連などで歌った応援歌まで頭に浮かんできました。何という事のない古ぼけた一枚の写真ですが、これは私に血液を2~3度上げたかのような衝撃を与えてくれるものでした。

 昨今、「断捨離(だんしゃり)」がブームです。断捨離とはヨガの心得で、
「不要な物を断ち、捨てることで、物への執着から離れ、自身で作り出している重荷からの解放を図り、身軽で快適な生活と人生を手に入れること」(ウィキペディアより)
だそうです。しかし、たとえ断捨離を迫られても、凡人の私は写真だけはどうしても捨てらません。写真は人生を何度も楽しませてくれるからです。スマホで手軽に写真を撮れる今、私はむしろ人生の要所、要所はしっかり写真に収める事をお薦めします。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 一人の時に転んだら、自分の事よりとりあえず周りを見る。  (トーマス)

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1179. 映画上映会 [思い出話]

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                                 トムとジェリー

 二人の孫が「トムとジェリー」のDVDを見ています。この漫画はほとんど意味のないドタバタの追っかけっこなのですが、私も60年前には楽しんでいました。内容はともかく、三世代の子供達を楽しませ続けるというのは、たいしたものだと感じます。

 当時は娯楽が少なかったため、年に二・三回開かれる小学校の映画上映会は、子供達の大きな楽しみで、後方には保護者席も設けられました。私の小学校は児童数が1500人以上いたので、上映会は午前と午後の2回に分けて開かれました。ゴザを敷き暗幕を張った講堂は、人いきれとムレた足の臭いで息苦しく、毎回必ず何人かは保健室に運ばれていました。

 映画は、「ニュース」、「トムとジェリー」のような漫画、そして「にあんちゃん」のような文部省推薦作品と続き、それらの間に交通安全教室のような短編がいくつか入っていました。滑稽な場面では全員で大笑いし、悲しい場面ではすすり泣く声が聞こえたものです。恥ずかしいので、男子は涙を必死にこらえていました。

 当時、何より嫌だったのは、教室に戻りまだ余韻に浸っている時、担任の先生から「感想文を原稿用紙一枚に書きなさい」と言われる事でした。たぶん皆さんも、同様の場面では同じ気持ちなんだろうと察しています。

** 高校生のコトバ **************************

どどいつ : 作り笑顔に つい慣れてくる そんな自分が 少し怖い  (Angel of Death)

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1159. 努力 [思い出話]

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                            当時は、こんなラジカセを持ち歩いていました。

努力して結果が出ると、自信になる。
努力せず結果が出ると、傲(おご)りになる。
努力せず結果も出ないと、後悔が残る。
努力して結果が出ないとしても、経験が残る。

 学校の廊下に張られていた言葉です。作者不詳とありましたが、実に言い得て妙という感じがします。「言われた」からする努力は苦痛ですが、しっかりした夢に向かう努力は充実した一種楽しいものでもあります。

 私が教員採用試験に最後に取り組んだ29歳の春、通勤途上の都立高校の生き生きとした教員の姿が励みとなって、私はまさに寸暇を惜しんで勉強する事ができました。自宅アパートから学習塾までの往復3時間は、学習の時間と決めました。バイクや自転車に乗っている間はカセットに吹き込んだ教科書をイヤホンで聴き、電車の中とホームでは問題集に取り組みました。ポットに入れたアイスコーヒーを飲み飲みする勉強は、確かに苦しいのですが密度の濃い充実した時間でもありました。

 幸い合格できましたが、あの時は、「これ程やってもダメなら悔いはない」という気持ちを、私も妻も感じていました。この標語の四行目を見て、その気持ちが鮮やかに甦ってきました。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : にぶい奴 けれども君は いい奴だ  (S.T.K.)

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1149. 「昔はひどかった」 [思い出話]

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                          柱の下のカップは何でしょう?

 「昔は良かった」は老人の繰り言の代表格ですが、実は「昔はひどかった」ものも山ほどありました。

 ①タン壺:所かまわずタンを吐く人が多かったので、デパートの階段や駅構内、客車の床などには、金属製のボウルのような「タン壺」が設置されていました。それを掃除する人もいたのですから、今考えるとゾッとします。いたずらで、中に牡蠣(カキ)を入れた奴がいましたっけ。当時「タン壺」は、社会風紀向上のシンボルでした。

 ②汽車の旅:昔は蒸気機関車の旅が普通でした。クーラーがないので、夏は窓を開放します。ところがトンネルに入ると煙が車内に勢いよく入って来るので、あわてて窓を閉めました。トンネルを抜けると再び窓を開け、心地良い風に打たれながら駅弁やお茶を食べたものです。たまに雨でもないのにうっすらと水しぶきを感じる事がありました。垂れ流しのトイレの水でした。人々はあまり気にしていませんでしたが、不衛生極まりない話です。

 煙草や酒席、体罰など書きたい事は山ほどありますが、又の機会に譲ります。原発問題など「昔はひどかった」と将来世代に笑われるような事、今でも沢山あります。出来る所から一つずつ改善していきましょう。

** 高校生のコトバ **************************

狂歌:もう嫌い 好きじゃないのに 思い出す 昔の自分 昔の相手  (ROSE)

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1143. 専門家 [思い出話]

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          「おっとっと。」 いずれその内、皆さんも通る道ですね。

 今、自動車運転免許証を取ろうとすると、宮城県では平均31万1040円かかるそうです。20年ほど前は、自分の年齢ぐらいと言われていたのですから、ずいぶん高くなったものです。

 50年前、私の友人のF君は自動車教習所の学費を節約しようと、先輩の軽四輪を借りて彼の指導で運転技能の習得を試みました。ところが、運転免許試験場に行ってみると、検定用の車は大型のトヨペットクラウンでした。緊張しながら運転席に座り、いざ走り出そうとすると、隣席の検定官から「まずは、座席の位置を自分に合わせなさい。」と注意されました。座席の脇のレバーを引き上げると、背もたれが勢いよく倒れ仰向けにひっくり返りました。「こっち、こっち。」と指示されて体勢を立て直し、さあ出発とサイドブレーキを緩めたら、前のボンネットがボコンと上がりました。当時のサイドブレーキはハンドルの左側にあり、確かに形も右側のボンネット解錠レバーと似てました。その場で検定打ち切りとなり、無謀な挑戦はあえなく挫折しました。やはり急がば回れ、私達は専門家のアドバイスに従うのがいいですね。

 センター試験まであと248日、三年生の皆さんはこの貴重な時間を、しっかり進路の先生と相談しながら、効率的に使っていって下さい。祈る読者の全員合格!

** 高校生のコトバ **************************

狂歌 : やれやれと 言わせてやらない うちだけど 言われなくなり ありがたみ知る (石川)

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1139. 不思議な技 [思い出話]

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                        アレーッ、手が上がっていく!

 私は「不思議」な事や話が大好きです。(No.848 No.823) 今回は、生徒から教わった不思議な技の話をご紹介します。

 今から20年以上前、クラス遠足で秋保温泉に行きました。あいにくの雨で、生徒達は旅館でお風呂に入ったり昼食をとったりして時間をつぶしていました。その時、A子さんが不思議な技を披露してくれたのです。

 A子さんは被験者と向き合って立ち、相手に目をつぶらせて次の①~⑥の動作(ここをクリック)を行いました。
①相手の顔の前で、手の平で正三角形を10回描く。
②次に、両手で相手の両手をとり、相手の右手首と左手首をトントントンと三回、上下入れ替えてトントントンと三回、計六回軽く合わせ、元に戻す。
③再び①と②を繰り返す。
④もう一度①と②を繰り返す。
⑤元の位置に戻り、あたかも大空に浮かぶ凧の糸を巻き取るように、拳を握った両手をグルグルとお腹の前で回す。(今回の写真)

すると!!被験者の両手がキョンシーのように前方に上がって行くではありませんか。その後、そこに居たそれぞれがやってみましたが、全員上がるわけではありません。私は上がりませんでした。帰宅して子供達にかけてみたら、長女と次女は上がりましたが長男と妻は上がりませんでした。外国からの留学生やALTの先生は上がりました。本当に不思議です。よかったら、皆さんもこの不思議な技、試してみませんか。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 ; おこられる するとなぜだか 眠くなる    (まきこ)

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1137. スタンダード (標準) [思い出話]

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                        世界に誇れる日本の「おもてなし」

 海外旅行出かけると、日本との大きな違いに驚く事が数多くあります。

 15年前に米国に行った時の事。米国のN航空を利用したのですが、出発時刻になっても搭乗ゲートが開きません。航空券の二重販売をしたらしく、日本語、英語、中国語、韓国語で「一流ホテルでの一泊と翌日のビジネスクラス搭乗券をお渡しするので、キャンセルを希望する方はいませんか?」とのアナウンスが30分程繰り返されました。やがて搭乗が始まりましたが、日本の航空会社のような丁寧なお詫びはありませんでした。離陸した機内では、二本の通路中央に二人の大柄な老女性客室乗務員が一対の仁王像のように客席と対峙して立っています。乗客が質問すると、まずは「What?」が返ってきます。トイレに行きたくてもワゴンサービス中だと「Wait for a moment!」と、待避場所まで下がるサービスはしません。驚きました。

 先日、ネット上に「日本から一歩外へ出たらサービスは悪いと考えよ」という下記の記事を見つけました。日本のきめ細やかな応対に慣れてる私達はこれが普通と思っていますが、世界ではこれが例外的に親切な慣習なんですね。「最初から悪い方がスタンダードと割り切れば、不愉快にならずに済む」というこの心構え、私達の日常生活の様々な場面でも応用できそうです。

○日本人が驚くドイツ人の「空気を読まない」気質
https://toyokeizai.net/articles/-/273429

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 人間は、自分の生きる価値を見つけるために生きている。 (Y.S.)

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1123. 修学旅行 [思い出話]

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            仕切壁を挟んで壮絶な戦いが…。(この写真は本文中の温泉ではありません。)

 修学旅行の引率は楽しい仕事です。珍しい風物を見聞きするのもさる事ながら、生徒との距離がグッと縮まるからです。旅行中は、日頃突っ張ってる連中にも同朋意識が生まれるようで、他愛もない理由で教員に話しかけてきます。しかしそんな彼らでも、「サッ、みんな一緒に風呂に入ろう」などと声がけしようものなら、ヒーヒー逃げ回ります。おかしいですね。

 昔、修学旅行先のホテルの風呂場で、一騒動ありました。「仕切壁越しに男女が水をかけ合ってる」と一般客からクレームがあり、駆けつけると騒ぎは収まっていましたが、「女子に大量の水をかけられた」と、何人かの男子が憮然と立っています。女性教員が女子生徒に話を聞くと、「男子に覗かれた」と怒ってます。

 どうやら、仕切壁の端の扉が少し開いていたようなのです。そこから数人の男子が女子風呂を覗いたところ、怒った一人の女子が勢いよく扉を閉めました。すると男子側からホースによる放水が始まり、女子達が一斉に洗面器で水をかけ返しました。これは明らかに男子が悪い。女子は、「絶対停学に」の一点張りです。学校に戻った後、関係男子達は全員坊主頭になりました。

 この事件、女子生徒だけでなく、男子生徒もある意味で被害者のように思えてなりませんでした。生徒達には言えませんが、一番悪いのは扉を開けっ放しにしていたホテルですから。

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どどいつ : 名前呼ばれて 反応できず あだ名で呼ばれ 返事する (いも)

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1121. 引っ越しのコツ [思い出話]

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                  一日2万5千円のレンタカーのアルミバントラック(2t)。

 「平成」も残す所一か月。明日発表される新元号は、何になるのでしょうか。さてこの年度末も「引越し難民」が多数出ているようですが、もし将来皆さんがそうなったら、自分で引っ越し屋をやってみてはどうでしょう。

 引っ越し屋のバイトをした経験(No.109)から言えば、グランドピアノや重い耐火金庫さえなければ、引っ越しは男二人で大丈夫です。もちろん二人が四人になれば、時間は四分の一位に短くなります。いくつかコツを伝授します。

 アップライトビアノ(200~250kg)を運ぶ時は、丈夫な布で3mぐらいのたすきを2本作ります。それを一人一本ずつ肩からピアノの脚に引っ掛け、背筋を伸ばして持ち上げると10cm位上がります。移動だけならこれで十分です。移動距離が長い場合は、台車を下に入れて運びます。

 トラックは、荷物の収まりが良いのでパワーゲート(リフト)付きアルミバンがお勧めです。うまく収納し切れなかった「割れ物」は、本棚や食器棚のすき間に布にくるんで詰めます。金庫やピアノなど重いものは、荷台の一番後ろに置きます。トラックは、後輪より後ろが重いと、ハンドル操作がしやすくなるからです。

 これらをレンタカー12時間借りてやれば、段ボールや荷造紐など必要経費全てひっくるめても5万円以内でできます。免許が取れて良い相棒が見つかれば、是非お試しあれ。

〇ピアノを二人で運ぶ動画。
https://www.youtube.com/watch?v=4f-0bJAa86g

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : やったけど 忘れてきたは やってない  (きのこの子)

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1112. 適度な「間」 [思い出話]

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                                 いろはカルタ

 高校時代、英語のS先生は、自分がミスをするとよく「弘法も木から落ちる。」と叫んで、私達を笑わせていました。もちろんこれは、「弘法も筆の誤り」と「猿も木から落ちる」をつないだ先生の造語です。

 それが面白かったので、塾で教えていた頃、小学生に「つなぎことわざ」を作らせてみました。「立つ鳥、尻かくさず。」「ちりも、口に苦し。」など、面白いものが沢山出てきました。今は披露する機会も無いので、それらはノートに記録されたままになっています。

 ① 親しき仲にも、せいくらべ。
 ② 頭隠して 歩けば棒に当たる。
 ③ 鬼に 礼儀あり。
 ④ ものも言いようで 赤くなる。
 ⑤ 短気は たんこぶ。
 ⑥ 一寸の虫にも、七くせ。

 これらがなぜ滑稽なのかを、考えてみました。どれも、元のことわざが分かっているから楽しめるパロディですが、さらに①には人の本音(「あるある」)が見えています。②は想像の世界での映像が、③は逆転の発想が、そして④は考えオチのおかしさが、⑤は押韻(たんきと、たんこぶ)のリズムの妙が、最後の⑥は誇張と擬人化のおかしさが加わってます。

 どれも簡潔で、説明っぽく無い所がいいですね。言葉で笑いを誘うには、聞き手が想像力を働かす事の出来る適度な「間」が大事だと感じました。

** 高校生のコトバ **************************

名言 :  生きているだけで褒められる私になりたい。 (あずき)

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1103. ヒント [思い出話]

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                             仙台空港から離陸する旅客機

 昔、仙台空港近くにあった高校の入学試験では、英語の時間にとても気を使いました。リスニングと飛行機の離陸の時間が重なると、教室によって音声テープの聴き取りに大きな差が出るからです。空港と確認を取りながら進めたものでした。

 試験監督をしていると、見回りで教室にやって来る教員に二種類ある事に気づきます。一つは、ヒントになるような事は一切言わないタイプ。もう一つは、忘れかかっている生徒のためにヒントを出してくれるタイプ。皆さんは、どちらのタイプの先生がお好みですか?後のヒント型ですか。でもこれを苦々しく感じている生徒もきっといるはずです。

 ここが教育と評価の違う所です。評価は、私情抜きでどの生徒にも同じ条件を与えなくてはなりません。考査で測るものは生徒の学力だけでなく、教員の指導力でもあるのですから。昔、巡回先の教室で、まるで授業の補講のようなヒントを出していた教員がいました。誰もそれを咎めなかったため、彼の授業は改善されず、やがて次の学校へ転勤していきました。私達誰でも、自分への評価が一番難しいですね。

 ちなみにセンター試験では、機器の不調等少しでもライバルより不利益を被っていると感じたら、きちんと挙手して担当官に申し出て確認して下さい。

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川柳 : 三兄弟 一人は必ず 似ていない  (ジャスミン茶)

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1101. ドキドキ感 [思い出話]

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                       当時の紙芝居はまさにこんな感じでした。(yahooブログより)

 昔小学校の校門の所に、時々糸電話や手品などの小物を売る行商人がいました。「欲しい人は、家に帰ってお金を持っといで。」などと言われると、大急ぎで帰宅し母親にねだるのですが、全く取り合ってもらえませんでした。先生方も見つけると追っ払っていました。確かに子供だましの安物ばかりでしたが、私達は一時ワクワクさせられたものでした。

 紙芝居もいました。太鼓をたたきながら町内を一周し、子供達を集めます。見物料5円を出すと梅干しジャムを塗った薄いせんべいが、10円を出すとさらに「抜き絵」というお菓子(?)が渡されました。「抜き絵」は表面に簡単な線画が描かれてあり、それを壊さずに抜き取れたらもう一個もらえます。でも全員失敗してました。その後それを食べながら十分位の紙芝居を見ます。私も仲間に入りたかったのですが、親が不衛生を理由に許してくれず、遠くからうらやましく眺めたものでした。でもお陰で、大腸炎にもならずに無事成長できました。

 うるさかった大人の目に今は感謝です。果たして今の子供達には、ちょっと危ういあのドキドキ感を味わう場面があるのでしょうか。もしネットゲームの世界がそれだとしたら、こちらは本人以外の目が届かない世界だけに怖い話ですね。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 決めないわ 広い世界が 待ってるわ (鹿笑あずさ)

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1080. ノーマライゼーション [思い出話]

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                       仙台市の「心のバリアフリー啓発ポスター」

 昔ある高校で、ノーマライゼーション (障碍者が健常者と同じように生活する事) の理解を深めようと、著名な筋ジストロフィーのA氏を講師にお招きして全校集会を開いた事があります。

 専用車を体育館脇に着けたA氏は、教員に介助を要請しました。数人が手伝って車イスで演壇中央までお連れしましたが、彼は黙ったままでした。ご講演が始まってしばらくすると、生徒達の何人かが私語を始めました。すると突然A氏は、「不愉快なので帰ります。」と怒り出し、車イスを動かしました。A氏の決意が大変固そうなので、教員達は再び彼を専用車にお戻ししたのですが、その間A氏はずっと不愉快そうでした。

 日頃の生徒指導の甘さが露呈されてしまった訳ですが、放課後の職員室内ではA氏への批判が渦巻きました。長年の病院暮らしと手助けされる事に慣れてしまったA氏に対して、健常者側は彼の「社会性の無さ」や「無礼」を糾弾します。結局、教職員が目的のノーマライゼーションとは正反対の結末になってしまい、私達の「心のバリアフリー」の難しさを痛感しました。

 私は、円満な社会とは必ずしも正論が勝つ社会ではなく、余裕のある人が先に折れる社会だと思っています。これって健常者・障碍者の間ぱかりでなく、学級、会社、夫婦などあらゆる集団に言えるとは思いませんか。

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名言 : 親から受け継がれる遺伝は、だいたい親の欠点である。  (スティーヴィー)

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1075. 芸能界 [思い出話]

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            大人気だったマンガ「まぼろし探偵」

 恥ずかしながら昔、スポットライトを浴びて大勢の観客の前で歌った事があります。仙台児童劇団(No.222)に所属していた小学4年生の時、担任の先生が同級生のA子さんと私を、仙台市民会館で歌えるよう手配してくれたのです。しかしそれは怖い体験となりました。

 放課後、二人は行き先も告げられず、校門前のタクシーに乗せられました。着いた所は古いビルで、二人は別々の部屋でそれぞれ待たされました。私はただただ一人で置かれた事が心細く、今だにテーブル上の斑点の多いバナナしか思い出せません。やがて中年の女性が本番当日の説明をしに入って来ました。

 「まぼろし探偵」の衣装を着た私は、舞台中央までオートバイに乗せられて登場し、降りたら二丁拳銃をパン、パンと二発鳴らして「まぼろし探偵」の歌を歌うという話でした。

 当日は無事終わりましたが、結局そのイベントの詳細は何も伝えられませんでした。ちなみにA子さんは、「名犬ラッシー」を歌いました。幸いこれ一回きりで済んだのは、私の歌唱力が「推して知るべし」だったからだと思います。

 子供はどうしてもナメられます。歳若い芸能人の中には当時の私のような怖い思いをしてる人もきっといると思います。子供の活動の場には、大人の保護と監督の視線が絶対に必要だと感じました。



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どどいつ : 休み時間に みんなで騒ぎ 授業始まり 眠り出す  (m)

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1061. 失意 [思い出話]

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                          失意 (日本サッカーの「ドーハの悲劇」)

 一人の生徒が「先生は、どうして先生になったんですか?」と聞いてきました。私の場合は、「なった」というより「していただいた」という方がピッタリなのです。

 建築士を希望していた私は、高校時代の一酸化炭素中毒(No.130)で数年間脳の記憶障害に陥り、一浪して不本意な文学部に入りました。間もなく新聞輸送のバイトを始めましたが、初詣のおみくじで「大凶」を引き(No.105)、再び落ち込みました。でもそれを信じて安全運転に徹したら、結局何も起こりませんでした。以来私はそこを私の守り神と信じています。

 教員免許は無試験で取れる国家資格なので、気軽に取りました。しかし県の教員採用試験は大変難しく、しかも受験年齢が26歳までだったので、合格できませんでした。失意の内に入った私塾で小中学生の五教科を教えていたら、3年後に宮城県が受験可能になり、受けたら合格できました。その時の一般教養の問題には、塾で教えていた天気図や四字熟語などが沢山入っていました。

 人生前半は失意の連続でしたが、そのお陰で今があります。だから私は、不遇な状況には意味があると信じられるようになりました。この感覚は体験した人でないと伝わらないとは思いますが、皆さん、いつも皆さんを見守っている大きな存在がある事を信じて損はないですよ。

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川柳 : 髪切った? きづいてくれたの 一人だけ  (ゆでた孫)

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1038. 正義感 [思い出話]

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             バブル絶頂の頃、仙台・東京間を3時間58分で結んだ「特急ひばり」

 1972年、友人の一人がA総合商社に入社しました。時は高度経済成長の最盛期、誰もがギラギラ血走った目をしていた頃です。おっとり型の彼は、入社早々その最前線を行くような荒っぽい職場の雰囲気に呑まれ、後悔し始めていました。

 4月の歓迎会は箱根温泉で行われました。ホテルの送迎バスの中ではクイズ大会が開かれ、一万円札が花吹雪のように舞ったそうです。さらにホテルの夕食会では「なぞかけ福引き」が行われ、タンス三点セットや純金の大黒天像などの超豪華な品から日用雑貨まで様々な品が配られました。友人が引いたくじには「エレファント・ゴールド」と書かれてあり、「宝石かも!」などと言われ期待して受け取った景品は、「ゾウキン三枚」でした。

 始めは違和感を覚えていた彼も、帰りのバスの中ではすっかり会社に溶け込んでいたそうです。一泊二日の「洗脳」で、彼の正常な感覚はすっかり麻痺させられてしまいました。

 この商社、常識的に見れば大分ずれてます。案の定、2006年に破産しました。彼がどうなったかが心配です。皆さん、社会に出ても自分の培った「正義感」は大事にしていって下さい。今の会社は、コンプライアンス(法令順守)だけでなく、モラル遵守も求められていますから。

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名言 : たしかに上には上がいるが、下を見ると下には下がいる。   (SION)

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1036. 叱られる [思い出話]

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                         人気番組「チコちゃんに叱られる」

 教員になる前、私は東京の塾で講師をしていました。仲間は12人いて互いに助け合い、結構居心地の良い職場でした。自転車で30分程の範囲内に4つの教室があり、二人一組で移動して開錠・施錠を行います。ところが、仲間の一人が、何が気に障ったのか、急に私達と口をきかなくなりました。それどころか、自転車で移動する際も一人で勝手に行く始末です。彼に恨まれる心当たりのない私達は、誰もが首をひねるばかりでした。

 彼は大きな誤解をしていたのかもしれません。あるいは「うつ」に陥っていたのかもしれません。しかし、小さな職場で事を荒立てたくない私達は、「さわらぬ神に祟りなし」と、誰も彼に理由を聞いたり注意をしたりしませんでした。互いに無視し合う中、結局彼は辞めていきました。今さらですが、本気で彼や職場の未来を考えれば、不愉快を覚悟で彼に言葉をかけるべきでした。

 不快を避ける傾向の多い現代、自分を叱ってくれる人がいるというのはありがたい事なんですよね。叱る事は決して愉快な事じゃありませんから。もしも皆さんが厳しく叱られたら、発想を変えて「叱ってもらえる事」に感謝してみてはどうでしょう。NHKの「チコちゃんに叱られる」が今、大人気です。

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名言 : 全ての生物が、先輩。 (ねぎ)

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1017. 人体の不思議展 [思い出話]

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                       「人体の不思議展」入り口の立て看板

 2005年、私は郡山市で「人体の不思議展」という福島県教委後援の展示会を見ました。会場に入ると、大小様々な血管が組み合わされた実物大の人体模型のような立像がありました。説明書きには、「本物の人体に特殊な溶液を入れ、血管だけを残したものです。」と書かれてあり、ぞっとしました。脳の毛細血管に到るまで全身くまなく溶液が回る間、心臓は動いていたはずです。

 さらに進むと2か月、4か月、6か月、8か月と並んだ胎児の標本がありました。全て本物とあります。「材料」は中国の方々の遺体らしいのですが、こうなると遺体か生体かも怪しくなってきます。見ている内に気分が悪くなり、「こんな死者を冒涜する興行は許せない」という気持ちになりました。

 主催はエム・ディー・ソフトハウス社。このイベントは全国30か所を超える会場で、延べ600万人の入場者を記録したそうです。しかし、遺体を標本化する事について、日本医師会など国内外から批判の声が高まり、同社は2012年に興業の規模を縮小し、とうとう今年7月25日に破産しました。

 私は今後この企画の責任者は、死体損壊罪か死者への名誉棄損罪で訴追されるべきと感じます。さらにこれらを後援した各県の教育委員会の責任も重大です。

○エム・ディー・ソフトハウス社破産の記事
http://news.livedoor.com/article/detail/15097351/

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川柳 : 褒められたい 素直な願い 人変える  (ねむむ)

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959. 油断大敵 [思い出話]

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               アメリカの銀色の黒人と、イタリアの笑顔の美女達

 以前、米国のサンタモニカに観光旅行に行った時、港の桟橋に全身を銀色に塗った黒人が坐っていました。「うわー、アメリカ的!」と気楽にデジカメで写真を撮ったら、「ヘイ、ワン・ダラー!」と上の写真のようなすごい剣幕で金を要求されました。私は「どこにそんな事書いてあるんだ!?」と言い返したくなりましたが、そこはアウェイの弱さ、不本意ながら1ドルコインを渡しました。すると「サンキュー」と、チュッパチャップスの飴を一本よこしました。「そんなに悪い奴でもないか」とちょっと見直しました。

 イタリアのベネチアの港では、超ロングスカートの二人の娘さんが観光客相手に可愛い笑顔を振りまいていました。ところがガイドさんが、「あの人達の写真を撮ったら、彼女の仲間からお金をせびられるので気をつけて下さい。」と警告してくれました。米国での苦い経験があったので、私は何枚かの風景写真の一枚にそっと彼女たちの後姿を入れました。

 海外で、日本人は金持ちと見られているらしく、油断をするとすぐに目をつけられます。大学の卒業旅行で海外に出るなど時は、くれぐれも注意して下さい。

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名言 : 落ち込んで失敗するが、いい気になっても失敗する。  (N.T.)

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951. 分かち合い [思い出話]

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                      こんな感じのゆべしでした。

 「なぜ人はペットを飼うのか?」NHKのある番組の中で出された質問です。答えは、「人は与える事に喜びを感じるから」でした。証拠として、9か月の赤ちゃんが自分の玩具を母親に渡した直後、腕をパタパタさせながら満面の笑みで喜んでいる映像が流されました。一見自分に不利益に見えるこの「分かち合い(Share)」の心こそ、確かに人間を他の動物から区別する指標と言えそうです。同様の事を京大の松沢教授も述べていました。(No.923)

 私の恥をさらします。小4の時、友人宅から頂いた大きな「ゆべし」を、私は帰る途中に隠れて一人で食べてしまいました。その後、自分への嫌悪感と両方の母親への罪悪感が長い間ずっと尾を引き、ようやく50年後に母にその事を話し謝りました。母はすぐ赦してくれましたが、半分だけしか謝罪していない罪悪感は今も疼いています。やはり、食事も映画も一人で味わうよりは誰かと一緒の方がはるかに楽しいですよね。

 今、軽い認知症になった母は、飲みかけのヤクルトでも何でも「ほら、持ってって」と嬉しそうに渡そうとします。最近は受け取る事にしました。

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名言 : 悪いことでも地元がTVに映ると嬉しくなる。 (MILK BOY)

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948. 感動 [思い出話]

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                私達の学校ではありませんが、まさにこんな感じでした。(ネットより)

 「夕焼け小焼けの 赤とんぼ~♪」  大変活動的な合唱部顧問の先生がいました。

 ある時、彼は市内の大きな病院と交渉し、ホールでミニコンサートを開きました。開演直前になると、ストレッチャーに乗せられた寝たきり老人の患者さんや車いすのお婆さん、点滴スタンドを引っ張りながらの患者さんなど、入院、通院の患者さん達が続々とやって来て、ホールは大変な混みようになりました。

 合唱曲の中で、今でも耳に残っているのは、越路吹雪の「ラストダンスは私に」です。聴衆全員涙がこぼれていて、私は合唱が与える衝撃の強さを感ぜずにはいられませんでした。最後に全員で、「赤とんぼ」を四番まで歌いました。後日、合唱部あてにリポビタンDが数箱届き、添えられた手紙を校長先生が全校集会で読み上げました。

 「長い事入院生活の続いていた母は、貴校の合唱部の『赤とんぼ』を本当に嬉しそうに歌い、翌朝亡くなりました。母の最期に素晴らしい思い出を作って下さった合唱部の皆様には、感謝の言葉もありません。…」 多くの感動を生み出した、素晴らしい先生と生徒達でした。

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名言 : 口げんか、絶対に自分が最後にしゃべらないと気が済まない。(さくまくん)

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946. 人づき合い [思い出話]

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                      1971年、銀座に開店したマクドナルド1号店。

 私が小学生の頃、多くの家は醤油や砂糖が切れると隣家に借りに行ったものです。容器を返す時は、卵やお煮つけ等をお礼に入れました。またご近所同士料理もおすそ分けし合っていました。「もったいない」の感覚の中で、人々は互いに温かさを感じ合っていたのです。

 ところが1960年代の高度経済成長期に入ると「大量生産・大量消費」の時代となり、米国流の使い捨て文化が主流となりました。当時私は、マクドナルドのごみ箱の張り紙「使用済みのカップとスプーン類はここに捨てて下さい」に、大きな違和感を覚えたものです。しかし「衛生的」とか「産業に貢献」といった宣伝文句に惑わされ、「もったいない」の感覚はどんどん退化していきました。

 コンビニやスマホの普及と豊富な物資のおかげで、現代は「お一人様」でも何不自由なく生活できるように見えます。しかし皆さん、現実は厳しいですよ。手術で入院ともなれば保証人や身元引受人など、必ず誰かの手助けが必要になります。一見煩わしく感じる人づき合いですが、いつどこで誰にお世話になるか分かりません。周りの人には、明るく誠意ある対応を心がけていきましょう。

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狂歌 : 安いから 買ってしまうの つい多く 要らないものまで 100円ショップ (ポチ)

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936. 狂気 [思い出話]

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                              アウシュビッツ収容所の入り口

 1990年5月、県民会館で「心に刻むアウシュビッツ展」が開かれ、私達夫婦は実物教育こそ大事と、嫌がる小1の息子を連れて見に行きました。

 入り口すぐ脇に、陸上競技のハードルのような高さ120cmの赤い鉄棒が置いてありました。説明書きには「貨車から降ろされたユダヤ人達の子供はこの鉄棒の下に立たされ、頭が鉄棒につかない子供は右のガス室行きの列に振り分けられた。」とあります。子供達は精一杯背伸びをしたそうです。何万人の子供達が泣き叫びながら親と引き離されたのかと思うと、胸が苦しくなってきました。

 息子も顔面蒼白になり、「お父さん、オレ外で待ってたい。」と震えています。「いいよ。外のソファで待ってなさい。」と指示し、奥に進むと、人の髪の毛を編んで作られた毛布や、人の脂肪で作られた石鹸、バラの入れ墨を入れられた人の皮で作られたランプシェード等、正視に耐えない品々が所せましと並んでいました。

 あのバッハやカントを輩出した優秀なドイツ人が狂ったのです。同時に日本人もアメリカ人も狂いました。(No.825) 戦争が始まると、正義という名の狂気が世の中を席巻します。人間、本来は我が息子も持っていた「真っすぐな心」で満たされていたはずなんですけどね。


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川柳 : 他人事 かまっていては 身が持たず   (夏休み)

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929. 東日本大震災 [思い出話]

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                           復興に力を尽くしてくれた自衛隊の方々

 東日本大震災から7年が経ちました。高校生の皆さんは、当時の事をどの位覚えていますか?

 当日、車載テレビの津波の映像は長い夢を見ているようで、実感が湧きませんでした。雪が降り出し、信号が全て消え、道路の亀裂などで交通が大混乱となりました。ラジオからは、「閖上に200人以上の遺体」「宮農高の屋上で生徒達が水を求めて手を振っている」「気仙沼市で大火災」「東京電力福島第一原子力発電所で爆発。直ちに健康に害を及ぼすものではありません。」といった放送が流れていました。テレビは停電のためしばらく見られませんでしたが、回復後は「ポポポポーン♪」や「仁科明子母娘のガン検診」の公共広告機構の宣伝がしょっ中流されていました。

 しかし人々は、雪の中の暗いコンビニの前でも列を作って並び、店員も電卓を使いながら販売していました。おにぎりの炊き出しも始まり、街で人々はガソリンを売ってるスタンドや水の出る市民センターを教え合っていました。この時、私達の誰もが日本人は立派だと見直したものでした。

〇「ポポポポーン」の広告
https://www.youtube.com/watch?v=dIf_Jh5Q6pI


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名言 : 蓄えた実力は、気づかない時に発揮されている。  (H.N.)

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