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1121. 引っ越しのコツ [思い出話]

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                  一日2万5千円のレンタカーのアルミバントラック(2t)。

 「平成」も残す所一か月。明日発表される新元号は、何になるのでしょうか。さてこの年度末も「引越し難民」が多数出ているようですが、もし将来皆さんがそうなったら、自分で引っ越し屋をやってみてはどうでしょう。

 引っ越し屋のバイトをした経験(No.109)から言えば、グランドピアノや重い耐火金庫さえなければ、引っ越しは男二人で大丈夫です。もちろん二人が四人になれば、時間は四分の一位に短くなります。いくつかコツを伝授します。

 アップライトビアノ(200~250kg)を運ぶ時は、丈夫な布で3mぐらいのたすきを2本作ります。それを一人一本ずつ肩からピアノの脚に引っ掛け、背筋を伸ばして持ち上げると10cm位上がります。移動だけならこれで十分です。移動距離が長い場合は、台車を下に入れて運びます。

 トラックは、荷物の収まりが良いのでパワーゲート(リフト)付きアルミバンがお勧めです。うまく収納し切れなかった「割れ物」は、本棚や食器棚のすき間に布にくるんで詰めます。金庫やピアノなど重いものは、荷台の一番後ろに置きます。トラックは、後輪より後ろが重いと、ハンドル操作がしやすくなるからです。

 これらをレンタカー12時間借りてやれば、段ボールや荷造紐など必要経費全てひっくるめても5万円以内でできます。免許が取れて良い相棒が見つかれば、是非お試しあれ。

〇ピアノを二人で運ぶ動画。
https://www.youtube.com/watch?v=4f-0bJAa86g

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川柳 : やったけど 忘れてきたは やってない  (きのこの子)

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1120. AIと人間 [ニュースより]

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                            渋谷ハロウィンのトラック横転事件

 昨日の池上彰氏の番組の中で、現在全国には1000万台を超える防犯カメラがあるという事と、警察はそれを利用してハロウィン事件の犯人を渋谷から100㎞離れた富士吉田市で逮捕したという事が伝えられました。

 それを支援したのが捜査支援分析センター(SSBC)のAI技術です。渋谷の複数の防犯カメラと近くにいた人のスマホ映像が利用されました。このAIは顔認証だけでなく、一定地域の「~を置く」とか「走る」といった動作をした人だけを一瞬で何百人も選び出せるそうです。

 今や、街路、店舗、駅構内、車の中、人々の持つスマホ等々、至る所にカメラがある時代となりました。悪事はしにくくなり警察の検挙率も上昇しましたが、自分を悪質運転から守るドライブレコーダーが、自分の悪質運転も証明しています。見方を変えれば、もはや私達は車すら自由自在に運転できません。

 警察だけでなく、マイクロソフトやグーグルの保管する映像やSNS等のビッグデータには、私達の過去の膨大な行動記録や会話記録が残っています。はたして、これが就職試験や結婚の判断に使われないと言い切れるでしょうか。AIは確実に人間の行動を委縮させていきそうです。AIの怖さはAI殺人兵器だけではないんですね。(No.874) このままでは、何とも暗い未来になりそうです。

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名言 : 失って気づく友の大切さ。 (whiteface)

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1119. プレッシャー [教育の話題]

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                           ペナルティ=キック戦 (PK戦)

 江戸川大学の鳥越規央教授が、統計学から見たスポーツの面白さを語っていました。

 サッカーのPK(ペナルティ=キック)戦は、1982年のワールドカップで初めて導入され、以来26回行われてきました。PK戦でのキックの成功率は平均70.8%。キッカーが有利です。そして、1本目先攻のキッカーの成功率は77%。プレッシャーが無いので平均より高くなってます。しかし2本目、3本目と進むに連れてプレッシャーが高まり、4本目の後攻は58.5%とかなり低くなります。

 また、「このPKを決めたら勝ち」という場面でのPKの成功率は93.75%、ほとんど成功しています。これははずしても負けないPKなので、キッカーにプレッシャーがかからないと同時に、相手のキーパーには「ここで失敗したら負け」という大きなプレッシャーがかかるからです。逆に、「これをはずしたら負け」というプレッシャーのかかるPKの成功率は42.11%で、半分も決まっていません。

 この話から、スポーツ選手の「実力」には、筋力や技術力もさることながら、プレッシャーをコントロールできる強い精神力が大きな比重を占めている事を知りました。最後は練習し切った自分を信じられるか、にかかっているのでしょう。これは私達の様々な試験や検定でも同じだと感じます。

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名言 :  起こる物事 全てに意味がある。  (私)

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1118. ピアノ発表会 [教育の話題]

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                              緊張しながら歌う子供達
 
 孫のピアノ教室の発表会がありました。と言っても、5歳の孫の所属しているクラスはまだピアノをうまく弾けないので、全員並んで合唱です。ガチガチに緊張して歌う姿は、何とも愛おしく感じました。

 私も60年前、今のグレードテストのようなピアノコンクールに出場させられ、嫌々弾いた記憶があります。何回か落ちて手にした級位は一番下の「初級」。見られてると思っただけで、弾き間違いをしてました。

 今回、16組の団体の全てが集団演奏でした。これなら多少間違えても大丈夫。弾く子も、保護者も先生も、みんな安心です。これを授業に応用できないかと考えました。例えばグループ学習で競わせる貿易ゲームやディベートのようなものです。

 でもすぐに思い直しました。恥をかきたくないと思ってもかいてしまうのが人生ですが、そうして豊かな人格は形成されていきます。学習活動も、真剣さが消えて楽しい事ばかりになったら効果激減です。恥をかきたくない気持ちを利用するのも教育だと感じました。

 私の過去を振り返っても、あちこちで恥をかいてきました。きっとこの文章も、将来絶対に恥ずかしくなるんだろうなぁと覚悟しています。

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名言 :  頑張った分が結果になる。 (D)

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1117. ジレンマ克服法 [宗教的感覚]

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                                 山川宗玄老師

 岐阜県正眼寺の山川宗玄老師(69歳)のお話です。

 「入門して三か月目、修行が辛くて逃げ出そうとした事がある。腰痛がひどく、座禅ばかりか作務も辛くてしょうがない。このままではひどくなる一方だが、かと言って修行から脱落したとおめおめ帰りたくもない。

 すると一つの考えが浮かんだ。修行中にバタッと倒れれば、いくら鬼のような先輩達でも病院に担ぎ込む事だろう。そうすれば医者の診断でこれ以上の修行は無理となり、名誉の負傷で故郷に戻れる。早速その日から、一刻も早く体を壊そうと、以前にも増して無茶な修行と作務に徹した。

 一日のお勤めを終えると夜中の二時。そんな自分でも時計の二時の音を聞くと、「あと一時間半しか眠れない」と健康を案じる。ところが三週間程経った頃、突然「あと一時間半も眠れる」と思えた。言葉では説明できないが、意識の全てがガラリと変わり、以後辛さも吹っ切れて今に続いている。」

 いいお話でした。怒鳴ろうかあやそうかと迷うような難しい生徒指導の場面でも、何もしなければ何も変わりませんが、生徒の事を思って発する言葉であればどちらでも大丈夫です。皆さん、人生でにっちもさっちもいかない場面に出くわしたら、山川老師のようにマイナスにでもとにかく動いてみて下さい。神様は、動き始めた人を必ず応援して下さいますから。

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狂歌 :  夏休み 課題終わらず 最終日 やけになって 現実逃避   (珠華)

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1116. ヨガ [雑感・気づき]

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                            木のポーズ。簡単そうに見えるけど…

 昨日、妻と初めてヨガに挑戦しました。先生は39歳の岩淵章仁氏。心身共に澄んだ方という印象で、どんな道でも修行中の方は清々しいなあと感じました。

 あぐらを組んで両手を開き、目をつぶって呼吸に意識を集中させる事から始まりました。この呼吸を意識した動作は、坐禅、気功、阿字観の全てに共通です。しかし5分経っても眠くなりません。「今回は違うぞ!」と、期待に胸が膨らみました。

 次が上の写真の「木のポーズ」。「右足の裏を左足首に付け、次に左ふくろはぎに、次に左太もも内側に付けて、そのままー」と指示されるのですが、足首の段階で体がふらつき5秒と持ちません。簡単そうですが難しく、結局私は諦めました。

 次が「太陽のポーズ」。両手を合わせて上に伸ばし、その両親指をしっかり見ます。「見るという事は、そこ以外に意識が行かない事なのです。」良い言葉でした。これは授業でも色々応用できそうです。次に上体を腰から下にピッタリと折りたたむのですが、こちらは90度が精一杯。40分ほどのレッスンが終わる頃には額に汗が出ていました。

 今回、自分の体が予想以上に衰えていた事を知らされましたが、同時にゆっくり、そしてしっかり体を動かす動作がインナーマッスルの強化に効果があるという事も実感しました。実はこれ、ラジオ体操でも十分効果が出るそうです。

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川柳 : とりあえず コンビニ行くけど 買うものない  (ねこ)

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1115. アポ電強盗 [ニュースより]

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                               アポ電の具体例。

 朝のテレビで、最近の振り込め詐欺は、「アポ電強盗」に凶悪化したと言っていました。対策は、
 ①電話機をナンバーディスプレイにする。
 ②非通知の電話には出ない。
 ③留守電にして、一回目は出ない。
 ④音声を録音する、
などが考えられます。

 もし運悪く受け取ってしまったら、「お父さんに替わるね」と受け手を変えたり、「息子」の状況を納得いくまで聞く事が大事です。話を聞いてすぐに叱る人はカモだそうです。それは犯人の言葉を信じた証拠だからです。

 役場や町内会も警戒情報を出していますが、最近警察官を名乗る電話で高齢者から現金の有無等を聞き出す新たな手口が出てきました。「何を信じたらいいのか…」と出演者達は唖然としていました。

 そんな中、一人の女性法律家が、「どうして息子ばかりで、娘は無いの?」と発言しました。我が家を考えると、娘達と妻は結構頻繁に連絡を取り合っていますが、息子は必要な時しか連絡してきません。そこを犯人は突いてます。だから今度息子に、防犯用の「合言葉」を考えさせたいと思ってます。「もしもし、『亀よ~♪』、俺だけど…」のような。

 ところで先の女性コメンテーター、思わぬ所で薄めの母娘関係を全国に見せちゃいましたね。危ない、危ない。言動には私も気をつけねば。

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川柳 : 夏休み いつの間にか 終わってた   (I.J.)

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1114. あこがれの職業 [ニュースより]

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         昔はやった「車掌カバン」の一つ。

 テレビで一人の若手漫才師が、「僕が昔あこがれた職業は、女子高の先生でした。」と言っていしまた。是非勤務校の女子生徒達に聞かせたいなあと感じました。日本FP協会が昨年調べた最近の小学生のなりたい職業は、以下の通りです。

(男子)                      (女子)
1位:サッカー選手          1位:看護師         
2位:野球選手                2位:パティシエール 
3位:医師                      3位:医師           
4位:ゲーム制作者           4位:保育士         
5位:建築士                    5位:ファッション関連
6位:ユーチューバー        6位:獣医           
7位:バスケットボール選手 7位:薬剤師         
8位:大工                       8位:美容師         
9位:警察官                    9位:教師           
10位:科学者                  10位:漫画家        

 女子の職業は、「がんばれば実現可能」という点で現実的ですが、男子の方はなかなか厳しそうです。

 私の小さい頃は男子も現実的でした。機関士や運転手、車掌、改札といった手の届くものが主流で、1970年代まで映画館では「トラック野郎」が上映され、玩具屋では「車掌かばん」が売られていました。

 しかし今は、無人列車や自動券売機が鉄道会社から従業員を締め出し、合理化という名の首切りが全国に広まっています。今後自動運転自動車が実用化したら、大量のドライバーの方々はどうなるのでしょうか。「一握りの資本家と大多数の無産階級」という19世紀の悪夢が思い返されます。誰もが仕事に就けるワークシェアリングのしくみを、国民全員で考える時期に来ています。 

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名言 : 静かな所で必ずのどがなる。  (こんにちは) 

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1113. 胎内記憶 [ニュースより]

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                           池川クリニックの池川明先生

 妻が長女を妊娠した時、時々妻のお腹の内側から小さな足がお腹を蹴っていました。そのキックは明らかに外側からも見え、それに応えて妻が合図をするとまた蹴ってきます。一方妻が何かに驚くと、お腹の娘も上の方に上がってきてじっとしていたそうです。

 アンケートに回答した子供の3割が、お腹の中にいた時の記憶を持っているという研究結果を発表した医師がいます。横浜の産婦人科医の池川明先生です。詳細は先生の出演した番組(YouTube ここをクリック)を見て頂きたいのですが、胎児と言っても、それはすでに認知や判断のできる「人間」なんですね。私自身は全く思い出せませんが、十分あり得る話だと思います。

 だから軽々しく人工流産(堕胎)すべきではないし、過度のアルコール摂取や喫煙なども慎むべきなのでしょう。むしろ良い音楽を聴いたり、栄養豊かでおいしいものを沢山食べる事が胎児にもプラスに働く事と思います。きっと優しい話しかけも嬉しいに違いありません。こう考えると、出生前遺伝子診断の結果を前に、両親が人工流産すべきかどうか悩んでる時間などは、赤ちゃんにとってはどれ程恐怖の時間となっている事でしょうか。他人の人生に関わる判断は神様にお任せし、不完全な人間はすべきではないと私は思います。

 ふと今、私のいるこの世界も実は一つの胎内で、間もなく来る誕生の後には忘れてしまうのかなあ、と感じてしまいました。

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狂歌 : お帰りと 言ってくれる人 いるだけで 心がhotに 気持ちもhotに (ももちゃんギョーザ)

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1112. 適度な「間」 [思い出話]

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                                 いろはカルタ

 高校時代、英語のS先生は、自分がミスをするとよく「弘法も木から落ちる。」と叫んで、私達を笑わせていました。もちろんこれは、「弘法も筆の誤り」と「猿も木から落ちる」をつないだ先生の造語です。

 それが面白かったので、塾で教えていた頃、小学生に「つなぎことわざ」を作らせてみました。「立つ鳥、尻かくさず。」「ちりも、口に苦し。」など、面白いものが沢山出てきました。今は披露する機会も無いので、それらはノートに記録されたままになっています。

 ① 親しき仲にも、せいくらべ。
 ② 頭隠して 歩けば棒に当たる。
 ③ 鬼に 礼儀あり。
 ④ ものも言いようで 赤くなる。
 ⑤ 短気は たんこぶ。
 ⑥ 一寸の虫にも、七くせ。

 これらがなぜ滑稽なのかを、考えてみました。どれも、元のことわざが分かっているから楽しめるパロディですが、さらに①には人の本音(「あるある」)が見えています。②は想像の世界での映像が、③は逆転の発想が、そして④は考えオチのおかしさが、⑤は押韻(たんきと、たんこぶ)のリズムの妙が、最後の⑥は誇張と擬人化のおかしさが加わってます。

 どれも簡潔で、説明っぽく無い所がいいですね。言葉で笑いを誘うには、聞き手が想像力を働かす事の出来る適度な「間」が大事だと感じました。

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名言 :  生きているだけで褒められる私になりたい。 (あずき)

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1111. 人生観 [地歴公民科]

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                            岩村昇先生

 神戸大学の岩村教授は、若い頃ネパールの病院で結核の治療をしていました。多くの手遅れ患者が運ばれて来るので、先生は歩いて山奥の人々の検診に出かけました。

 ある貧しい村長宅に泊まった時、ご飯を食べる先生を二人の子供達が見ていました。姉はやせ細っています。白米は普段は食べられない高級食材でした。同行の栄養士が、「お姉ちゃんこれ食べて。私達は日本で食べられるから」と茶碗を差し出したところ、彼女は「これ弟にやってもいいですか」と聞きました。「いいけど、なぜ?」「私は12歳で我慢が出来るけど、弟はまだ5歳で我慢ができないんです。」この時先生は、弟思いのお姉ちゃんだなとだけ感じました。

 さらに奥に進むと、緊急手術を要するお婆さんが見つかりました。病院までの運搬方法を悩んでいると、一人の裸足の大工が「俺がおぶっていく」と申し出てくれました。夜通し歩き、手術は成功しました。先生は、廊下で寝ていた彼に謝辞を述べ、靴代程度のお金を渡そうとしました。すると彼は、「ここでは余っている人が足りない人に分けて、共に生き延びる事が当たり前なんだ。俺は力が余ってるが婆さんにはない。だから婆さんに分けて婆さんが生き延びた。金のためにやったんじゃない。」と怒って、帰ってしまいました。

 その時、村長の娘のあの言葉もここから来ていたと、ハッと気づいたそうです。こんな感覚、日本人にも取り戻したいものですね。

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川柳 : 引退の 嬉しさつかの間 受験生  (いちご)

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1110 試練 [宗教的感覚]

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               イスラム教のモスク   

 今年も勤務校では、「卒業生に贈る聖書のことば」という小冊子が配られました。これは教職員が聖書の言葉をヒントにそれぞれの考えを書いたものです。

 今年は、「神は真実な方です。あなた方を耐えられないような試練に遭わせる事はなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていて下さいます。」(コリントの信徒への第一の手紙 10-13 )という一節を引用したものが多くありました。これは、「どんな苦難でも、道は必ず開ける」と、私達を勇気づけてくれます。

 ところでイスラム教では、家族の死や病気などの辛い状況の他、財産や美貌など私達が求めるものも試練とされています。例えば美貌。美貌ゆえに異性から多くの誘惑を受け、ついつい邪心が起きてしまうのも人間です。しかし、「悪行を犯すという意図を持ち、それを実行に移さなかったのであれば、神はそれを一つの善行として記録される」と、イスラム教の解説書「サヒーフ・ブハーリー」は励ましています。

 苦難の試練は、分かりやすいので生活改善に直結しそうですが、財産や美貌といった試練は見えにくいだけに、それに負けて身を持ち崩しそうです。私達、良い時も悪い時も、「奥に潜む神の真意」を問う姿勢が求められていると受け取りました。

○美貌と試練 (コーラン解説)
https://www.islamreligion.com/jp/articles/1825/

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川柳 : すぐ分かる 鋭い視線 女の勘  (湯)

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1109. 翻訳 [宗教的感覚]

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                             ルター(1483-1546)

 英語の「rice」を日本語に翻訳すると、「稲、米、ごはん」となります。稲とご飯では姿形が大分違いますが、「胚を持ったでんぷんの粒」という本質は共通です。

 聖書のマタイによる福音書に、「疲れたもの、重荷を負う者は、誰でも私のもとに来なさい。休ませてあげよう。」(11-28)という一節があります。勤務校のフランス語の先生によると、聖書を初めてドイツ語に翻訳したルターは、大胆にもここを「元気づけてあげよう。(独 erquicken )」と訳したそうです。この相反する二つの語句「休ませる」と「元気づける」に共通する本質は何かを考えてみました。

 私はそれが「信仰心」なんだろうと感じます。正しい事を黙々とし続ける人を世人誰もが尊敬するわけではありません。陰で悪口を言う人等、必ず行く手を阻む人が出てきます。そんな人々に囲まれ孤独感に苛まれた人が、祈りの中で神様から「それでいい。心配するな。」との声を聞いたら、それは大きな慰めであり、同時に勇気づけになる事でしょう。信心深い人にとって、この二つはは同じものと感じます。

 信仰心薄い我が家でも、我ら老夫婦、「近頃、耳が遠くなった」等と言っては「加齢、加齢。」と慰め合っていますが、これもまたある意味励まし合いになってます。

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名言 : 一緒にいて楽しい人より 離れていると寂しい人がいい。  (まちゃあき)

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1108. 先輩の援助 [学校生活から]

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                            漢字検定5級の問題集

 昔の話です。高2のAさんは、中学生の時に医師から「脳障害で、いくら勉強しても頭に残らない」と告げられました。確かに点数が取れません。事実を知っているのは両親と担任だけ。多くの教員は、「彼女はやる気がない」とあきらめていました。

 小テストが毎回悪い点なので、私は彼女を呼んで理由を聞きました。すると彼女は先の話をし、泣き出したのです。私は自分の経験談(No.893)を話し、「脳はきっと回復するから」と励まして、以後一緒に週一回、漢字検定5級の問題を解きました。

 翌年、日本語が不得手なフィリピン出身のBさんが入学してきました。3年生のAさんに1年生と一緒に学べるか尋ねたところ、二つ返事でOKでした。さらにBさんに自分の状況を隠さず話し、二人は仲良しになりました。Aさんにはこんな優しい面があったんだ、と私は驚きました。彼女は卒業直前まで勉強には苦しみましたが、卒業が決まった時、大喜びで私に報告に来てくれました。

 翌年は、Bさんと私で乙武氏の「五体不満足」を読みました。一年後、中国出身のCさんが入学してきました。3年生になったBさんも、Aさん同様にCさんに優しく接してくれました。Aさんの残した「先輩の援助」の姿勢は大きな伝統となって母校に残りました。Aさんは今東京で良いお母さんになっているそうです。

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名言 : スマホで調べ物をすると いつの間にか動画で笑っている。 (ネコ)

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1107. サンドウィッチマン [雑感・気づき]

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                       M1グランプリで優勝し喜ぶサンドウィッチマンの二人。

 金スマでサンドウィッチマンを取り上げていました。高校卒業後、富沢氏は芸人をめざしましたが、伊達氏は福祉系の会社に就職しました。どうしても伊達氏とコンビを組みたい富沢氏は三年間伊達氏を口説き続け、1998年に何とかコンビを組みました。しかし芽が出ず、コンビ名を「親不孝」「銭と拳」「サンドウィッチマン」と変えましたが、状況は好転しませんでした。三十歳前で漫才の年収は三万円でした。

 その頃、富沢氏はずっと自分が伊達氏を誘った事に罪悪感を覚え続け、初めて「やめようか」と弱音を吐きました。すると伊達氏は、「まだ、とことんやってねーじゃねえか」と叱咤し、以後赤字覚悟であちこちのライブに出まくり、初めて「エンタの神様」に出演しました。そして2007年にはMIグランプリで初の逆転優勝、以後は破竹の勢いでお笑いの道を突き進んでいます。

 私は彼らから二つの事を学びました。一つは、「どん底」の価値です。どん底まで落ちなければ見えない光 (彼らの場合は、笑いのツボや笑いの厳しさ) があるという事。どん底は実はチャンスだという事です。二つ目は、「罪人の自覚」の意味です。富沢氏が伊達氏に負い目を感じていたからこそ、逆境下でもコンビは解散しなかったような気がします。含蓄の深い番組でした。

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狂歌 : いつもより 早めに家出た そんな日に 限ってなぜか 忘れ物する (アメリカ)

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1106. 発達障害 [学校生活から]

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                              アスペルガー症候群の分類図

 生徒の小論文の中に、発達障害について調べた秀作がありました。昔知人が発達障害と診断されたら、やがて自分も学校生活で生き辛さを感じるようになり、発達障害を疑いました。病院で「発達障害の疑い」と診断され、薬も飲んだのですが効果がなく、結局自分は障害ではなく性格だと思うようにしたそうです。以下は彼女の文章の要約です。

「アスペルガー症候群に代表される軽度の情緒障害は、知的な遅れがないために他人から発見されにくい所が問題で、初期の診断の遅れが二次的な情緒や行動の問題を引き起こしている。教育と医療が協力して軽度の発達障害の子供達の支援態勢を確立する必要がある。

 これらの子供達は、音や光といった刺激に対する感覚過敏や、複数の情報が同時に入る事から来る疲れ、行動を止めるタイミングがうまく取れないストレス等を抱えている。したがってそんな子には、音ならばヘッドフォン、光ならばサングラスで感覚刺激を軽減し、周りが気になる時は周囲に何も置かない静かな場所で情報量を減らし、止めるタイミングが分からない時は事前に「何時(何個)までやったら終わり」と決めておく。こんな対策で、彼らはずっと生きやすくなる。」

 私にも十分あてはまる話だなあと感じました。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 :  おなら出た 気づかぬふりより 声かけて  (ハム太郎)

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