SSブログ

1745. 戦争 [地歴公民科]

publicdomainq-0012608xvw.jpg
       原爆によって破壊された長崎の寺院と仏像 (フリー画像より)

 8月は太平洋戦争に関する新聞記事の多い月でした。昨日、朝日新聞に83歳の男性の次のような投書が載っていました。

 「戦争をなぜするんだ。戦争はダメだ」昭和20年6月、国民学校4年の兄は全校集会で、教職員、児童を前にこう発言した。翌日自宅に見知らぬ大人が来て、父に「お前は非国民だ。子供を非国民に育てた罪は重い」。兄は登校を禁じられた。8月16日、敗戦。しばらくたってから学校に行くと、兄は英雄扱いだったという。…

 わずか10歳の子供が全校集会でこんな発言をした事に驚きますが、10歳だから言えた気もします。現代人から見ると、この少年が正しく当時の大人達が軽佻浮薄に見えますが、はたしてそうでしょうか。人殺しがダメな事は誰もが感じていますが、目の前で家族が殺されるのを黙って見ている父親はいません。戦わなければ国が滅びるという極限の状況下で、当時の大人達は国を守るために必死でした。

 誤った状況判断で日本を無謀な戦争に引き込んだ指導者の責任は問われるべきですが、飛来するB29を撃ち落としていた日本国民は、正当防衛権を認められるべきです。抗いがたい大きなうねりの中で、本気で国を憂いていた大人達を私は非難できません。

 戦争を避けるには賢い指導者が必要です。そのためにはメディアは正確な情報を伝え、私達はそれに基づいて正しく選挙権を行使し、国会をより健全な姿に近づけていくしかありません。頑張りましょう。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : ゲームの世界に浸るのは、この世に夢が少ないからだ。 (S.K.)

nice!(72)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

1744. 不思議 [雑感・気づき]

mushimegane_boy.png
             不思議 (フリー画像より)

 私は「不思議」が大好きです。2014年に放送されたNHKの「秘められた未知のパワー ~超能力~」は、大変興味深い番組でした。不思議な現象を、脳科学や統計科学を駆使して解明しようとしている人々が報じられたのですが、私が注目したのはテレパシーについての話でした。

 ノエティック科学研究所のディーン・レイディシ博士は、乱数発生器を使って人間の意識が具体的なモノに影響を与える実験を行いました。乱数発生器とは量子を用いて0と1の組み合わせの乱数を発生させる装置です。これを米国ネバダ州での7万人の火祭りで作動させました。12mの巨大な人形が燃やされるクライマックスで、装置は「確率230万分の1」という大きな片寄りを示しました。

 その後、プリンストン大学のロジャー・ネルソン博士は、この装置を世界50か国に設置し、実験を拡大しました。すると2001年の同時多発テロの発生から数日間、世界中の乱数発生器は正常値を大きく外れました。博士らは、この現象の解明には量子論が関わると言います。量子は一回ぶつかり合うと「量子もつれ」と言う互いに影響し合う関係になり、それはいくら距離が離れても変化しないのだそうです。意識がこの量子に何らかの影響を与えるとすれば、たとえ距離があっても意識同士がつながる可能性は高いと言います。

 徐々に解明されていく「不思議」な現象、この感覚もまた心地良いものですね。

** 高校生のコトバ **************************

狂歌 :ボランティア 計画多く 遊びたい やる前後悔 やって満足  (クリア系女子)

nice!(75)  コメント(2) 
共通テーマ:学校

1743. 「気がない」 [雑感・気づき]

eeeee.jpg

          Zoomの画面 (Zoom社のホームページより)

  今、三年生向けにZoomで政経と倫理の講座を開いてます。質問はチャットで送らせ、私がその場で回答します難しい所は説明後に画面下の「拍手」マークをクリックさせ、理解度を確認します。この方法は、生徒の理解度をその場で把握できるので、大変効率的です。

 昨日のテーマは『消費者教育』。説明をしていたら、一人の生徒が直に質問してきました。
「先生、家に晴れ着の購入を勧める電話が来たのですが、これって電話勧誘販売ですか。」
「どんな内容だったの?」
「私の晴れ着を買わせようとする内容なんですが、次々と言葉を発して電話を切らせません。母が出たのですが困ってしまい、私一人っ子なんですけど、『姉のお下がりを着せますから』と嘘を言って断りました。こんな時は、どう言えばいいですか?」

 実は私、大学生の時に英語の百科事典の電話勧誘販売のアルバイトをした事があるのです。一冊も売れない内に会社が倒産し、3千円の保証金を取られた苦い想い出です。(No.163 会社にはフローチャート図があって、ああ言えばこう言う式の様々な回答が用意されていました。しかし困ったのは「買う気が無い」と言われた時です。気持ちと言われると「内心の自由」の範疇なのでどうしようもありません。

 これを生徒に話すと、明るい声で「分かりました」と答えてくれました。皆さんも、電話勧誘にはこの「買う気が無い」を是非ご活用下さい。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : ビデオには 録っておくけど あと見ない  (エッジ) 

nice!(61)  コメント(2) 
共通テーマ:学校

1742. 若者と民主主義 [地歴公民科]

senkyo_keijiban_people.png
               選挙 (フリー画像より)

 イェール大学助教授の成田悠輔氏や2チャンネル創設者のひろゆき氏らが、「今の日本の民主主義は数の多い老人が絶対的に有利なため、若者はどうやっても自分達の声が政治に届かないと諦め、投票行動に出ない。」とAbemaTVなどで主張しています。確かに、その通りだと思います。

 どうすべきか?若い人に一人2票の投票権を与える、地域ごとに20代の地区、30代の地区と全国の選挙区を有権者の年代別に均等に割り振る、子供を有する人に子供の数だけ投票権を与える、国会議員に定年制を設ける等々、アイデアは色々出ていますが、決定打はありません。高校生の皆さんはどう考えますか?

 私は、有権者に定年制を設けてはどうかと考えます。今は多数派の老人に甘い公約を示せば当選しやすい構造です。そこで老人の数を減らす事で、候補者に若い世代に向けた公約を立てさせるのです。

 30年前、60代をヤングオールド、70代をミドルオールド、80歳以上をリアルオールドと呼んだ女性老健施設長がいました。彼女の理想社会は、若い世代がしっかり働き、ヤングオールドがリアルオールドの面倒を見、ミドルオールドが第二の人生を楽しむ社会です。面白いアイデアだなあと感じました。そこで私も彼女の考え方をお借りし、投票年齢を80歳までとしてみました。「社会的活動を退いた高齢老人には、政治的発言も若者にバトンタッチしてもらう。」この考え方、厳しいでしょうか。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 悲しくて 涙を流して 強さ持つ (N.M.)

nice!(78)  コメント(2) 
共通テーマ:学校

1741. カルト宗教 [地歴公民科]

無題.jpg
                 憲法第20条

 世界平和統一家庭連合と政治家の癒着が問題となっています。何が問題なのでしょうか。

 「憲法20条の政教分離に違反する」という意見がありますが、これについては違反しているとまでは言えません。同条には「誰でも自由に宗教を選べる。宗教団体は国から特権を受けたり政治権力をふるったりしてはならない。」とあるので、政治家もどんな宗教を信じてもいいのです。またこの団体が特権を受けたり政治権力をふるった証拠もないので、「疑わしきは罰せず」なのです。

 問題はこの団体が宗教の名を語る反社会的集団である事です。1987~2021年に3万4537件、総額1237億円の被害(NNN調べ)を生じさせています。暴力団ではないため暴対法でも取り締まれず、政治家は平気で接触して票田に利用しています。そもそもキリスト教を名乗りながら、霊感商法では「先祖が霊界で苦しんでいる」など仏教的な用語を使っています。人間に金をせびる神などいません。

 なぜカルト的な宗教が存在するのか考えてみました。一つは私がかつて危ない目に遭った時のように、多くの人々に周りを囲ませて洗脳するケースです。(No.572) もう一つは何らかの奇跡を味わわせてのめり込ませるケースです。「気功」(No.719)のように、人間がまだ分からない世界はたくさんあり、それを利用したのがオウム真理教だと思っています。イエスもブッダも神ではありません。真理を探求する求道者であり、人間でした。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 物事を楽しみにすればするほど、喜びは半減してしまう。  (Y.S.)

nice!(65)  コメント(2) 
共通テーマ:学校

1740. 運命 [雑感・気づき]

kodomo_syourai_yume2.png
              将来の夢 (フリー画像より)

 私の人生の中で私が自分の意志で選び取ったものは…、と考えてみたら「妻」だけでした。両親や祖父母はもちろん子供達にしても、どんな「人物」と巡り合えるかは、文字通り出たとこ勝負。そして私達の親戚や子供達の伴侶、その姻戚等、みんな私の力ではいかんともし難い人々でしたが、幸いな事にその全てが私にとってはかけがえのない良い存在となっています。

 考えてみれば、私自身にしても知力や体力、能力、体質等、体の全てが頂きものです。それらは100点満点とはいきませんが、私は80点以上なら「御の字」と感じています。私の71年の人生でも、今考えればよく生き延びられたとヒヤリとした場面や、もしお医者さんの見立てが違っていたら命を落としていた場面がいくつも思い浮かびます。自分の力ではどうしようもない運命の中を生きねばならないのが人生なんですね。

 しかしそれでも無難に生きています。学校や職場で出会った「そりの合わない人」すら、今の私の物言いにプラスに働いているのを感じます。窓の外に目をやると、長雨で見通しの立たない日々でも、スズメのつがいは楽しそうに芝生の虫をついばんでいます。人生もこんな感じでいいんだと気づきました。高校生の皆さんにはまだまだ理解しにくい感覚かとは思いますが、「人生は将来を心配せずにやりたい事に邁進しなさい」と受け取って下さい。そして将来、唯一自分の意志で選べる伴侶とは是非とも一緒に幸せになって下さい。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : ダブルデートをすると、たいがい相手の彼の方がカッコイイ。  (M.I.)

nice!(80)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

1739. 卍(まんじ)

hirosaki.jpg
              弘前市のシンボルマーク「卍」

 6月にドイツで行われたコミックマーケットで、『東京リベンジャーズ』のコスプレの卍マークが物議を醸した、というニュースが流れています。卍マークは弘前市のシンボルやお寺の地図マークなど日本では広く使われていますが、国際的にはまだ許容されてはいないようです。

 10年前、私の授業資料が職員室で一大騒動を引き起こしました。それはハーケンクロイツ(逆卍)が写っていたアウシュビッツの写真集です。私の不在中、英国人の先生がそれを見て騒ぎ出し、英語科の先生がなだめてその場は収まったというのです。卍マークは、ナチス政権への反省からドイツで使用禁止になっている事は知っていたのですが、英国の先生までもが激高するとは思ってもいませんでした。私はすぐM先生にご迷惑を謝罪し、事情を説明しました。

 ドイツは「卍禁止」をEU全体に拡大しようとしましたが、ヒンドゥー教徒が「卍は伝統的な平和の象徴」と反対し、頓挫しました。ここが複雑な所です。確かにヒットラーは極悪人です。しかし、2千年以上ヒンドゥー教徒が吉兆のシンボルとして使っていた「卍」を、彼が12年間使用したから「使うな」と強制する事には無理があります。

 人の嫌がる事はすべきではありませんが、主張すべき点はきちんと主張すべきです。歴史認識の溝は、事実を丁寧に検証しながら、互いに思いやりの気持ちを持って、時間をかけて埋めていくしかないと感じました。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 誰も聞いてないのに「点数超悪かった」と言う人に限って、超よい。 (I.S.)

nice!(66)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

1738. 幹部 [地歴公民科]

Japanese_destroyer_Kazagumo_on_28_March_1942.jpg
         1942年3月、竣工時の『風雲』(ウィキペディアより)

 昨日は終戦記念日でした。私の父はミッドウェー海戦に参戦した駆逐艦『風雲』に乗っていました。ミッドウェー海戦では日本軍は、航空母艦4隻と艦載機248機の全てを失う大敗を喫しましたが、大本営はこれを日本海軍の勝利と報じ、その後の日本を大混乱に陥れました。

 『風雲』は、航空母艦『飛竜』が爆撃を受けた時横付けして救出に当たったのですが、高温の艦内の兵士達は船窓が小さいため脱出できず、焼け死んでいきました。父達のできた事は小窓めがけて放水する程度で、やがて飛竜は日本軍の魚雷で沈められました。司令官と艦長は船と運命を共にしました。父はこの話をする時、いつも心を痛めていました。

 父の船も魚雷で沈没したのですが、父は爆破の衝撃で海に投げ出されたそうです。沈没の渦に巻き込まれないよう船から離れる方向に泳いだのが幸いし、多くの仲間が海面上の重油の炎て焼け死ぬ中命拾いしました。

 今朝の河北新報に、航空母艦『赤城』の生存者(101)の体験談が載っていました。しかし、そこには負傷者を尻目に我先に救命艇に乗り込む幹部達の醜い姿が書かれてあり、飛龍の最期の話とのギャップを感ぜずにはいられませんでした。幹部と言っても所詮人間、ピンからキリまで色々いた事と思います。

 平和な今、異常事態下で必死だった人々を軽々しく批判はできませんが、私達のすべき事はあの過ちを再度繰り返す事の無いよう今の日本の幹部達をしっかり監視し続ける事だと感じます。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 「同情するな」という人は、自分が同情されるべき人間だと思っているからそう言う。 (A.N.)

nice!(68)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

1737. カルトと選挙 [地歴公民科]

1931063.jpg
       7人の閣僚と2人の官房副長官が関係者だった岸田新内閣

 岸田首相が内閣改造をしたら、世界平和統一家庭連合と関係のある閣僚等が7人から9人に増えました。首相は「閣僚に対して、それぞれ当該団体との関係を点検し見直すことを厳命し、それを了解した者のみを任命した」と言っていますが、これは「自己申告で『関係ない』と言った人を任命した」と言っているに過ぎません。なぜ第三者委員会を設置して調査しないのでしょうか。おそらく関係者が多すぎるためだと思います。

 私は、この問題は選挙制度の持つ弱点から来ていると感じています。立候補者は少しでも多くの票が欲しいのです。
「先生を応援します」
と来た人に、
「『身体検査』しない内は、応援されては困る」
と言えますか?明らかな反社会的勢力なら別ですが、そうでなければ
「よろしくお願いします」
となってしまいます。しかも今回の団体については警察も捜査を止められていたといいますし、ましてや時の首相のお墨付きとなれば大喜びです。

 選挙は民主主義の根幹をなす制度ですが、問題はカルト集団に簡単に染まる有権者の存在です。イエスは、ユダヤ教の律法に盲目的に従う人々に、
「律法に込められた神の真意を読み解け」
と戒めています。同様に、本物の宗教はどれも人々に
「理性でしっかり考えよ」
と説いています。天罰だ、祝福だと人格神を作り上げ、人々から金銭を吸い上げる宗教は詐欺集団です。この教育をしっかり学校で行う事が、健全な民主主義のためには絶対に必要と感じます。

** 高校絵製のコトバ **************************

名言 : 雨の日の部活 ある程度ぬれると みんなヤケクソ。  (S.A.)

nice!(69)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

1736. 失敗と成功 [雑感・気づき]

https3A2F2Fimgix-proxy.n8s.jp2FDSXZZO0513185022072016000000-PB1-25.jpg
               佐治敬三サントリー社長

 NHKアーカイブスで1984年のサントリーの佐治敬三社長の話を聞き、成功する経営者の考え方を学びました。

 佐治氏は1945年、赤玉ポートワインで財を成した父親の鳥居信治郎氏の会社「壽屋」に入社しました。壽屋はウィスキーで成功していましたが、佐治氏はビールづくりに挑戦したくてなりません。60年に父親に相談すると「やってみなはれ」と言ってくれました。62年に父親が亡くなると、翌年社名を赤玉(サン)と父親の姓の鳥居を組み合わせた「サントリー」に変え、ビール業界に参入しました。何もかも初めてだったので赤字が続きましたが、父親から受け継いだ「やってみなはれ」の精神で研究を続けました。

 佐治氏は、身体も企業も一病息災がいいと言います。ウィスキーで成功したサントリーは需要も多く、社員も自信満々でした。しかし企業はどこかに危機感がないと「やってみなはれ」の精神は湧いてきません。ビールの赤字で企業内に緊張が走り、組織が生命力を得たと言います。佐治氏は99年に80歳で亡くなりましたが、赤字は2008年まで45年間続きました。

 佐治氏のビールへの挑戦は一見失敗したかのように見えますが、組織論的には大成功でした。彼と一緒に『洋酒天国』の本を出した開高健氏も言っています。
「ウィスキーの壽屋の社員は頭(ず)が高かったが、ビールで赤字が続いたら低姿勢になった。太閤秀吉が木下藤吉郎に戻った。」と。


** 高校生のコトバ **************************

名言 : たとえそれが正しいとしても、貫き通して損することがある。 (N.H.)

nice!(67)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

1235. 奇跡 [雑感・気づき]

20220810_140649_0000.jpg
     2019年に震災の夜と同じ星空を撮影できたという中浜小学校の夜空

 東日本大震災の津波の中、校長先生の好判断が子供達全員の命を救ったという気持ちの良い話を聞きました。宮城県の山元町立中浜小学校は津波で大部分が破損し、今は震災遺構として公開されています。今日そこに行ってきました。
 
 3月11日の地震直後、校長先生は児童59人を含む町民総勢90人全員を2階建て校舎の屋上に誘導しました。前々日の9日の地震がかなり強かったため、翌10日の会議で津波到来時の避難先は「歩いて20分の坂元中学校。間に合いそうにない時は屋上。」と確認していました。当日の地震直後、テレビが10分以内の津波到来を告げたので教職員は迷わず全員を屋上に誘導出来たのですが、すぐ停電となったのでそこは危機一髪でした。
 
 子供達には、津波を見せないよう屋上倉庫に避難させ、奇跡的に残っていた毛布を与えました。大人には、毛布が収納されていたアルミ箔を体に巻き付けてもらいました。校舎建設時に敷地を2mかさ上げしたのが幸いし、2階の教室の天窓まで上がってきた津波は、かろうじて屋上には来ませんでした。寒い夜空には星が見事に輝いていたそうです。
 
 それにしても、実に多くの奇跡が重なりました。石巻市の大川小学校では多くの児童と教職員が亡くなりお気の毒でしたが、中浜小学校のケースでは「備えあれば憂いなし」どころか「備えあれば奇跡あり」とさえ感じてしまいました。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 本気になると、考えれば考えるほど分からなくなる。  (S)


nice!(69)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

1734. 最期 [雑感・気づき]

julianna-toenails-painted-cnn.jpg
              ポランティアが塗ってくれたジュリアナさんのペディキュア

 2歳の時に難病と診断されたジュリアナ・スノーさんは、4歳になると体が動かなくなり入退院を繰り返しました。医師から「今度呼吸困難が起きた時どうするか、考えておいて下さい」と告げられた両親は、彼女に尋ねました。

母:病気が今度悪化したら病院へ行きたい?それとも家にいたい?
J:病院はいや。
母:家にいたら天国に行く事になるとしても?
J:はい。
母:一人で先に行くのよ。
J:心配しないで。私の事は神様が引き受けて下さるから。
母:もし病院へ行けば、また家に帰って私達と過ごせるかもしれない。あなたがそれを理解しているかを確認したいの。
J:理解しているわ。
母:ママはあなたと会えなくなるのはとても寂しくて。
J:大丈夫。神様が引き受けて下さるから。神様は私の心の中にいる。

 一年半後、自宅で死を看取った母親は語っています。
「悲しいけれど私は世界一幸運な母親だと感じています。こんな素晴らしい子供と6年近く一緒に過ごせたのだから。彼女は誰よりも立派に戦い、最後に医療の介入なしに死を迎えるという願いを叶えました。私達のかわいいジュリアナはついに自由になったのです。」

 姉に「今度生まれ変わるとしたら、やっぱりこの家族の下に生まれてきたい。」と語った脳腫瘍の生徒を思い出します。(No.387) 彼女達は、自分が何もできない状況の中でどう生きるべきかを示してくれました。「人生の教師」は年齢や立場の上下とは無関係に確かに存在しています。

〇ジュリアナさんについてのCNNの記事
https://www.cnn.co.jp/usa/35084364.html

** 高校生のコトバ **************************

名言 : テストのヤマが当たった時は、当たった事に驚いて暗記した所が思い出せない事もよくある。 (K.S.)

nice!(69)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

1733. 日本語 [雑感・気づき]

kokkai_touben_shingi.png
           しっかり聞こう国会答弁 (フリー画像より)

 「食わず嫌い」と「負けず嫌い」、この二つを並べると不思議な感覚を覚えます。「食わず・嫌い」が「食べないのに嫌い」であるなら、「負けず・嫌い」の方は「負けない(=勝つ)のに嫌い」となり、「負けたくない」という意味とは逆の意味になるからです。調べてみたら、「負けず嫌い」は「負け嫌い」と「負けず魂」が混同された表現だそうです。

 昔はトイレの事を「はばかり」と言いました。これは、世間に気兼ねして遠慮するという意味の「はばかる」から来ています。ところが「憎まれっ子世にはばかる」という格言ではその意味が見当たりません。こちらも調べてみました。すると「はばかる」は、「はびこる」の転用で「いっぱいに広がる」という意味もあるとありました。これなら納得です。日本語は難しいですね。

 この難しい日本語を一層ややこしくしているのが、政治家やインテリまがいの評論家達です。発言の中に、「エビデンス、ポテンシャル、ダイバーシティ、エポック」等々カタカナを多用し、あたかも自分が一段上といった錯覚に浸っています。「証拠、潜在能力、多様性、新時代」といった漢字の方が、一目で中身が分かって良いではありませんか。日本語の表意文字の良さは、字面を見ただけで中身が分かる所です。英語やカタカナの表音文字は全てを一回学ばないと理解できません。この優秀な日本語を、日本人同士の会話の中ではできるだけ使っていきませんか。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 勉強よりも、悪知恵ばかりが働く。  (Y.K)

nice!(69)  コメント(2) 
共通テーマ:学校

1732. 60年ぶりの散歩 [雑感・気づき]

dfgad(1).jpg
               大きく建て直していたお寺

 60年ぶりに、仙台市土樋から石名坂・弓ノ町・石垣町と一周4km程の一角を散歩してきました。見覚えのある古い家を見つけては小学生時代に戻ったような感傷に浸ったり、超モダンな建物に出会っては面喰らったりと、結構刺激的な1時間半でした。昔広い墓地を抱えていた古いお寺が、墓地をちんまりとまとめて広く駐車場をとった豪勢なお寺に変わっていたのには驚きましたが、掃除の行き届いた庭の心地良さは当時のままでした。

 ふと気づいたのが、新旧の家並みの不均衡でした。通りに面した家には新築の建物が多いのに、細い路地の奥には古い家がたくさん残っているのです。この辺りの土地割りは江戸時代のままなので奥まった所にも宅地があるのですが、そこの住民は戦後に制定された建築基準法によって家を新築できません。基準法には、「幅4m以上の道路に最低2m以上接していなければ家は建てられない」とあるからです。新築したい人は、通路の中央から2m以上下げた所に新たな境界線を設定し、下げた分の土地は放棄しなければなりません。そんな道路を「みなし道路」と言います。

 昔の権利が新しい法律によって制限されるのは不合理のようですが、憲法29条に「財産権の内容は、公共の福祉に適合するように法律でこれを定める」とあるので、やむを得ないのです。皆さんが将来宅地を購入する時には、しっかりとこの「4mと2m」を確認して下さい。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 高校生らしいというのは、どこからどこまでなのか。 (M.N.)

nice!(62)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

1731. 食べ歩き [雑感・気づき]

22745371_s.jpg
                          屋台のご飯を食べるカップル (フリー画像より)

 「なるほど!」と感じた留学生の意見が、今朝の河北新報に載っていました。フング・カジェハさんという26歳のパナマの留学生です。概要は次のとおりです。

 なぜ日本人は歩きながら食べる事を失礼と思うのか、私は分からなかった。パナマでは「食べ歩き」は一般的で、学校でも食べ歩きの方が多いぐらいだ。ある日、日本の道路に公共のゴミ箱がない事に気づいた。食べ歩きしても、食べ終わったラップやボトルを捨てる場所が無いので、街をきれいに保つために食べ歩きは勧められないという事なのだろう。インターネットで調べると日本で食べ歩きが許される唯一の例外がお祭りだと分かった。普段、食べ歩きを禁止するのは清潔さを保つ上でいいと思う。しかし、寒い時には歩きながら温かいものを飲んだり食べたりできればもっといいと思う。そんな日を願っている。

 日本でマナー違反と言われる「食べ歩き」も、多くのアジア諸国では普通だと聞きます。「郷に入れば郷に従え」と言えばそれまでですが、この最後の提案にはうなずける点があると思いませんか?こんな風穴から吹き込む涼風のような発想が、国際交流の醍醐味と感じます。

 同紙の第一面には、「6~8日の仙台七夕祭りでは、主催者は店舗外の飲食の自粛を求めてプラカードを掲げる予定」と載っていました。今日の仙台の新規感染者は3276人。フングさんの提案の実現には、まだまだ時間がかかりそうです。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 落ちている商品を気をきかせて棚に戻してやると、その商品の陳列が総崩れになる。 (M.I.)

nice!(61)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。