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1547. オリンピック [雑感・気づき]

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                      バドミントンの福島由紀・広田彩花ペア (毎日新聞より)

 オリンピックが始まって、新型コロナ新規感染者が増え続けています。果たして閉会式の10日には何人になっているのか大変心配です。

 まあそれはそれとして、選手達は私達に様々な感動と気づきを与えてくれています。29日のバドミントン女子ダブルスの準々決勝。6月に右ひざ前十字じん帯断裂の大けがをした廣田彩花選手は、固定具を装着して先輩の福島由紀選手と出場しました。相手の中国の陳清晨、賈一凡ペアは、執拗に廣田選手を狙ってミスを誘います。結局セット数1:2で敗れましたが、試合終了直後中国ペアの二人は日本側コートに入って来て、廣田選手の膝を気遣いました。そこには試合の真剣さと敬愛とがしっかり併存していました。オリンピックならではの光景ですね。

 福島・廣田ペアはインタビューに、「多くの方々の支えがあったので…」と感謝の言葉を述べていましたが、この言葉は他の多くの選手からも聞かれました。人は、支えてくれる人の存在をしっかりイメージできれば、実力もフルに発揮できると気づきました。「感謝の気持ち」は人間同士を結びつけると同時に、本人の力を出し切る事にもつながるんですね。

 3000m障害で日本新記録を出した三浦龍司選手は、終了後に「相手選手の力を借りながらうまく走れました」と語りました。ライバルを「敵」ではなく自分の能力を引き出してくれる「味方」と捉えています。スポーツの持つ人間形成の力を感じます。

〇廣田選手と彼女の膝を気遣う中国選手の記事

〇福島・廣田ペアの試合の動画

** 高校生のコトバ **************************

名言: テスト中お腹が鳴った瞬間、隣を見ることで他人のせいにしようとしている人、確かにいる。
(M.G.)


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1546. 『あ』じゃなく『お』 [雑感・気づき]

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                                   昔の胃カメラ

 夏休みを利用して教材用の古い新聞を整理していたら、面白い記事に出逢いました。それは2016年に実施された三井住友信託銀行主催の「わたし遺産」というエッセイコンテストの大賞受賞作品です。タイトルは「『あ』じゃなく『お』」、簡単にまとめると次のようなものです。

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 私(58)の息子が幼稚園の時、突然「ママ、『あ』って言わないで、『お』って言って」と言ってきました。当時仕事をしていて、気持ちも時間も余裕のなかった私は、マイペースな息子に、「あっ、また!」「あっ、もう。」という言葉ばかり口にしていたのです。「あ」の後には否定的な言葉が続きます。しかし「お」の後には「おー、すばらしい」「おー、頑張ったね」など相手を認める言葉が続きます。息子の指摘で反省させられ、以後「あ」じゃなく「お」が私のおまじないの言葉になりました。
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 言われてみると、確かにこの坊やの言う通り、「あっ」の後ろには注意の言葉、「いーっ」の後ろには驚きの言葉、「うっ」の後ろには恐怖の言葉、「えーっ」の後には軽蔑の言葉がよく来ます。やはり安心できるのは「おっ」や「おーっ」ですね。

 ところで私が一番恐怖を覚えたのは、胃カメラを覗いていた医師の目が大きく開き、無言でインターンの学生達を手招きした時でした。結局「異常なし」だったのですが、しばらくは悪い冗談としか思えませんでした。

〇『あ』じゃなく『お』

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どどいつ : ついに出てきた ピンチヒッター 素振りを見せて 放送終了
  (ボブ)

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1545. 記憶力 [学校生活から]

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                                茂木健一郎氏

 廊下で、突然横の生徒から
「先生、あたし次のテスト赤点だからヨロシク。」
と声をかけられました。見ると見覚えのない顔です。
 今年初めて受け持ったクラスがあり、記憶力も薄れてきている昨今なので、私は「あなた誰だっけ?」と聞こうかと思いましたが、「名前も覚えてもらえない」とのショックを与えるのも忍びないと思い、返答に窮しました。すると彼女の隣にいた友達が、
「この先生、S先生じゃないよ。」
とささやきました。一瞬目を大きく見開いた彼女は、
「すみませ~ん!」
と飛びのきました。S先生とは、私と同い年70歳の理科の先生です。生徒と私、どっちもどっちでした。昨年からの授業では、生徒も教員も顔の半分がマスクで隠れているので、共に互いの真の顔を知りません。こんな事も起こりうるんですよね。

 記憶力と言えば、脳科学者の茂木健一郎氏がNHKの文化講演会で脳の働きについて話していました。
「私は小学校の頃落ち着きがなかったが、自分では気づいていなかった。学校の先生や友達から言われてそうなんだと知った。人は自分の事を他人を通して初めて知る。人は他人と交わる事で学ぶが、それは自分を知る事に繋がる。『学び』とは他人の脳との情報交換だ。科学的には脳は心臓のように存在する限り考え続けるものなのだ。だから脳はいくつになっても学ぶ事ができる。」
 弱気になり始めた最近の私への心強いエールに聞こえました。

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狂歌 : 母親が いびきをかいて 寝ていると 私はいつも センチメンタル
  (剛毛娘)

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1544 香月泰男展 [雑感・気づき]

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        香月泰男氏の作品「北へ西へ」 (宮城県美術館の案内パンフレットより)

 旧ソ連に抑留された
画家香月泰男氏の絵画展を見ました。香月氏は、復員後しばらくは家族にもシベリアでの辛い抑留生活を語りませんでした。しかし1950年代後半から堰を切ったように描き始め、シベリア・シリーズと呼ばれる57点の作品となりました。予備知識無しに行った私は、はじめは「ゴッホの描き方に似てるかな」程度の見方でしたが、やがて黄土色と黒で描かれた今まで見た事もない『変な』暗い絵に惹きつけられていきました。横に小さく掲示された香月氏のメモが衝撃的だったからです。

メモ
 ・マイナス35度になると作業は免除。
 ・氷の凍土は固く、1m四方の穴を掘るのに丸二日かかる。
 ・60kgの豆袋を背負って200m先の船着き場へ。
 ・紐で縛られ皮を剥がされた日本兵の赤い遺体。
 ・死んだ仲間を見るとうらやましいと感じる。
 ・ソ連兵もソ連の軍隊に捕われの身。
 ・太陽を見ると、これを家族も見ていると思って湧く勇気。
 ・行き先を告げられずに貨車に寿司詰めにされる不安。…

 「悲しい」「苦しい」等、言葉にしたとたんに薄まってしまう生の感覚を、絵画という具体的な形で確認する作業が芸術ですが、メモは私の想像力をより強化してくれました。シベリアに抑留された方々の辛さの一端を追体験できた気がします。はじめは『変な』描画法と感じましたが、彼の感じた特別な感情世界はこれ以外の方法では表現できない事もよく伝わってきました。

〇香月泰男展について

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狂歌 : うちの父 昔はモテたと 言うけれど 写真を見れば ウソだと気づく
(Y.S.)

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1543. 賭け [ニュースより]

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                         レイチェル=カーソン (ウィキペディアより)

 私が子供の頃、父は時々薄い丸い缶をパコパコと押して白い粉末を布団の上に撒いていました。それはノミやシラミなどの害虫の発生を抑えるDDTという殺虫剤でした。ニュース映像を見ると、東京で保護された浮浪児たちは頭のてっぺんからDDTを噴霧されていました。2011年発行の『仙台市史』によれば、仙台市では米軍機が上空からDDTを散布していたそうです。

 それほど日常生活になじんでいたDDTでしたが、1962年にアメリカのレイチェル=カーソンが著書『沈黙の春』の中で、DDTなどの化学物質は環境と生態系を破壊し、生体濃縮された有害物質が人間にも健康被害をもたらすと警告しました。以後我が家では使用しなくなり、1981年には法律で製造と輸入が禁止されました。今元気に生活できている私は幸運を感謝するばかりです。

 その時は最善と信じられた策でも、その後の検証で誤りとなる例は少なくありません。今のコロナワクチンにしても、様々な情報が交錯しています。「5年しか寿命がもたない」という情報も流れています。しかし病気が分かってまだ2年半、この先の事は誰にも分からないはずです。打つ・打たないは個人の判断ですが、打った高齢者の死亡率や重篤化率は明らかに下がっています。私は「打つ」に賭けてみました。万一これで命を落としても、私はそれを運命と甘受します。

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名言:  メールより電話の方が早いのに、メールで伝える現代人。
(R.H.)

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1542. 飲酒運転 [ニュースより]

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                                  車に取り付けるアルコール検知器

 千葉県八街市の飲酒運転による児童5人の死傷事故は、同い年の孫を持つ私にとって本当に胸の痛むニュースでした。ランドセルの黄色いカバーが外れ、これからが楽しい学校生活という矢先の事故。ご両親もさぞかし苦しまれている事と思います。60歳の加害者は最高刑20年の危険運転致死傷罪で送検されましたが、しっかり罰を受けてもらいたいと思います。警察官のアルコール検知器の精度は上がりましたが、まだまだ不心得者が後を絶ちません。

 私が22~23歳頃の話です。大みそかの夕食にビールを飲み一眠りした私は、真夜中に自動車で元朝参りに行きたくなりました。不安なので近所の交番に行き相談してみました。すると「これ膨らませてごらん」と風船を渡されたのです。膨らんだ風船の口に、警察官は小さなストローを差し込みその試薬の色を見て言いました。「大丈夫。気をつけて行って下さい。」『飲んだら乗るな』の今とは比べ物にならない程ユルい対応でした。

 「飲酒運転を根絶する妙案」を授業で話し合っていたら、一人の生徒が言いました。「全部の車にアルコール検知器を付け、検知したら発車できなくする。」名案だと思い早速ネットで調べたところ、装置はすでに売られていました。しかし、はたしてこれを全車に取り付けなければならない程人間は信用できない存在でしょうか。それともまだ運転マナー向上を啓蒙する事で防げるでしょうか。これまた難問です。

〇酒気帯び運転防止装置

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名言 : 説明がめんどくさいと、何でも「ヒミツ」でごまかす。
  (スマイル)

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1541. スキャンダル [ニュースより]

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                             国立競技場の内部の様子

 オリンピックを目前に控えた今、開会式の音楽担当の小山田圭吾氏の過去の陰惨ないじめが発覚し、丸川五輪担当大臣が慌てています。奇しくも麻生財務大臣が「呪われたオリンピック」と語ったように、この大会は異例な事が多過ぎます。

 2013年、安倍総理は「福島の原発処理水は完全にアンダーコントロール」とウソをついて東京招致に成功しました。私はこれが全ての端緒と思っています。同行した竹田JOC会長、猪瀬東京都知事、森大会組織委員会会長らも大喜びしましたが、4人とも虚偽答弁や金銭問題、女性蔑視発言で辞任しました。それ以外でも、エンブレムの盗作問題、新国立競技場案の白紙撤回、マラソンの札幌開催への変更、渡辺直美さんへの侮辱による責任者の辞任、小山田氏のいじめ問題とスキャンダルが続出です。

 成長とは試行錯誤の繰り返しの先にあるので、どんな人でも一つや二つ過ちはあります。しかしお釈迦様は、「同じ罪を犯しても極楽に行ける人と行けない人がいるのは、その後にどれだけ善行を積んだかによる」(No.691)と言っています。小山田氏について、カズレーザー氏も言っていました。「自分の過去について、そのマイナスを埋め合わせていないので自業自得。辞任やむなし。」と。どんな人でも、常に善行を積み続ける必要があると感じました。せっかくのオリ・パラ大会、これ以上悪い事が起こらない事を祈るばかりです。

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川柳 : 正直は 時に他人を 苦しめる
   (ムラムラあんどノブノブ)

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1540. 不起訴 [ニュースより]

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                         裁判所の法廷 (フリー画像より)

 6月18日、東京地裁は買収罪で起訴された元法相河合克之被告に「懲役3年、追徴金130万円」の判決を下しました。被告は、地元政治家ら100人に2870万円を配って妻の参院選当選を図ったとされています。被告は控訴中です。

 ところで、買収罪は、金を配った者も受け取った者も等しく「3年以下の懲役もしくは禁錮、又は50万円以下の罰金」(公職選挙法221条4項)と定めています。しかし7月6日、東京地検特捜部は、受領した100人を「一律不起訴」としました。怒った市民達は、東京の検察審査会にこの不起訴処分の審査を申し立て、14日受理されました。

 2007年の岐阜県の町長選挙では5000円を受け取った運動員が罰金刑を受けています。今回最高300万円受け取っても無罪という検察の判断は、どう考えても変です。なぜこんな判断になったかを、私なりに推理してみました。

 検察は、何としても河合夫妻を有罪にする決意でした。そのためには被買収側100人の証言が不可欠です。そこで100人に「真実を話せば罪を問わない」との取引を持ちかけたのです。その一言で100人は白状し、証拠採用されて夫妻は有罪となりました。約束通り100人は不起訴となりました。しかし市民が検察審査会に異議申し立てする事を検察は折り込み済みでした。「審査会で起訴が確定し、罰が下されるはず」との計算の下、今回は泥をかぶったのです。 どうでしょう、検察を持ち上げすぎですか?

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川柳 : 夏祭り ポット色づく 下心
   (ダイアナ命)

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1539. 排除.  [雑感・気づき]

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                       ヨーロッパのペストの広がり (Wikipediaより)

 ラジオで、「新型コロナ禍の今をどう生きるか」というテーマで、仏教学者の釈徹宗教授とキリスト教の小原克博教授が対談をしていました。一部をご紹介します。

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 「ウィルスを根絶せよ」とよく聞く。疫病の時人は不安になる。不安になると偏見や排除が始まる。14世紀のヨーロッパのペスト禍の下で、人々は今まで隣人として付き合っていた人まで偏見で見てしまった。ユダヤ人が毒をまいたというデマが流れ、多くのユダヤ人の命が奪われた。したがって、犯人をやっつけろという感情をどうコントロールするかを教訓として教えるのがキリスト教、と小原教授。

 日本では平安末期から鎌倉にかけて天然痘がはやり、死を意識した鎌倉新仏教が出てきた。蓮如は「平生業所」と言い、普段の暮らしがピンチの時に影響すると説いた。ピンチの時に列を作っても、ちゃんと自分の所に回ってくるという安心感が無いと、人は出口に殺到して結局共倒れになる。社会が公正だという安心感が無いと、災厄の際犯人探しと排除の動きが出てくる。「Fair and share(公正と分配)」を大事にせよというのが仏教、と釈教授。
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 合唱サークルに入っている友人が話していました。ワクチン接種は本人の判断でなされるべきものですが、みんなが打っている中で一人だけ「打たない」と公言する人がいたそうです。以後、それまで培ってきたコーラスの和が微妙になってしまいました
。この話とどこか共通すると感じました。難しい問題ですね。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 少女は秘密を、女は謎を持っている。
   (T)


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1538. 粘り [ニュースより]

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                         星稜高校と大谷高校の試合のスコアボード
 

 2014年の高校野球で驚くべき記録が2つ出ました。

 一つは夏の甲子園石川大会の決勝戦、星稜高校と大谷高校の試合。8回まで無得点の星稜は8点差を追う9回の裏の攻撃です。監督はチームの合言葉「必笑」を思い出し、「打者一巡の攻撃をするぞ」と言いました。試合は四球、三塁打、適時打、振り逃げ、二点適時打、本塁打と続き、1アウトも取られない内に6点を奪取、その後1アウト後に1点取り、2アウト後に2点を入れて見事逆転勝利を勝ち取りました。この点差の逆転は新記録です。

 今年の一人の三年生は、全国模試が最後までE判定で、両親も教員も「無理だろう」と思っていました。ところが超人的な頑張りで、見事に志望大学に入学できました。星稜ナイン同様、最後まで諦めない気持ちが功を奏する事を見事に証明してくれました。

 二つ目は、軟式野球全国大会準決勝での中京高校と崇徳高校の試合です。延長15回で0対0、翌日再開となりました。翌日も0対0、翌々日も0対0、4日目は延長46回から始まり50回の表で中京が3点取って勝利しました。松井投手は一人で投げ切りましたが、2時間後三浦学苑との決勝戦が待っていました。その応援席には敗れた崇徳の部員達がいました。それも見事に投げ切り、中京は0対2で優勝しました。総投球数は786球になっていました。

 どちらの試合も、最後まで諦めない選手達の姿勢が大きな感動を引き起こしました。

〇星稜対大谷 逆転の動画 (YouTubeより 7分55秒から9回裏)
 
〇中京対崇徳 延長50回の記事

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狂歌 : 大失敗 後悔しても 大丈夫 成長している 自分がいるよ
  (ANIの彼女)

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1537. 変化 [雑感・気づき]

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                         霧雨 (フリー画像より)

 午前中、霧雨が降っていました。木々の葉を湿らせ草花を生き生きとさせる雨は、私の気持ちもしっとり落ち着かせてくれます。大雨被害に遭われた方々には申し訳ないのですが、雨を見ながらこんな事を考えました。

 なぜ雨は降るのでしょうか。もちろん雨雲が西からやって来るからですが、なぜ雲は西から来るのでしょう。これも地球の自転の影響で、「コリオリの力」という物理法則が働き、日本上空では空気が西から東に移動するからです。ではなぜ地球は自転するのか、と原因を突きとめようとしたら謎は広がる一方でした。

 そこで原因究明は諦め、現状を観察してみました。雨は私に安らぎをもたらします。もちろん晴天も大好きですが、雨や雪といった変化は別の趣を運んで来ます。四季の変化や、出会いと別れ等の人生の変化など、「変化」があるから人間を含む万物は生き生きと生存できる気がします。変化こそが「命」の本質なのではないでしょうか。一つ一つの生命や知識をバトンのように渡し合っているのが私達生命体ですが、これらが循環する全体もまた大きな生命体のようです。

 変化の中には植物の生長のような決まった変化もありますが、新型コロナのような想定外の変化もあります。人生の大半は後者です。変化の大きなうねりの中で、それを波乗りのように楽しんでいけたらいいなあと思います。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : プリクラで 必ずいる子 半目な子
  (うなぎいぬ)

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1536. 祈り [宗教的感覚]

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                            マザー=テレサ

 放送朝礼でシスターが、「貧しく生きる事は、神の働きをよりよく知る事につながる」と話されました。それはとても新鮮に響きました。私達は、自分の生活に満足している時、なかなか人の意見に耳を傾けられません。まして居るかどうか分からない神の声ともなればなおさらです。しかし貧しさや病気、不便、不幸など、苦しい状況に陥ると思わず祈りたくなります。自分の思い通りにならない時こそが、神の働きを感じるチャンスです。私も検診再検など何度かの辛い時期を通して、今は神(大いなる力)の存在を信じられるようになりました。

 昔、こんな話を聞いた事があります。ある時、マザー=テレサは一人の金持ちから別荘の寄付を受けました。彼女は早速修道院にするための改修作業に入りました。シャンデリア類や絵画ははずし、きれいな壁紙やじゅうたんも全てはがしてむくのコンクリートにしました。各部屋には簡素なベッドだけを入れたのです。神に祈る場にふさわしい形にするためでした。祈りとは神との対話であり、そこに必要なものは静謐だけだからです。

 最後の職場がミッションスクールという「導き」に、私は感謝しています。色々勉強させてもらっています。大変満足しているのですが、今朝の話から「満足してるだけならもはや後退している」事も学びました。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 :  レッテルは あらゆるものに 貼られてる  (花丸公路)

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1535. WIN-WIN [学校生活から]

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                          自動販売機 (フリー画像より)

 30数年前、農業高校で私は生徒会担当になりました。6月の生徒会総会で、「自販機に牛乳だけでなく、ジュースも入れて欲しい」という要望が出ました。当時は畜産科で搾乳した牛乳を食品加工科で瓶詰めし、自販機で売っていたのです。

 早速それを職員会議に提案したところ、「設置費用や電気代はどうなるか?パン袋だけでも大変なゴミなのに、空缶が加わったらお手上げになる」と反対意見が出て不許可となりました。牛乳の売上げ減も不安だったのだと思います。

 会長に「先生方を説き伏せる妙案はあるか?」と考えさせたところ、数日後執行部の話し合いの結果を持って来ました。
「①設置費用と電気代は飲料会社が支払う。
 ②空缶用のゴミ箱は飲料会社が設置し、回収も行う。
 ③売上げ金の一部を事務室に納入する。」
との驚く程緻密な計画書でした。

 「これなら通る!」と再度職員会議に提案すると、「ゴミ箱に入れる保証がない」とゴネる声が出ました。審議未了を生徒会長に伝えると、「生徒会執行部で1か月間立ち番で呼びかけます。試行という形ででもやらせて下さい」と食い下がります。この姿勢を再び職員会議で伝えると、「やらせてみよう」という声が出ました。

 自販機導入一か月後、校内はパン袋も消え、生徒達はきれいな環境の中でジュースを飲んでいました。信じ合う事がWIN-WINの関係を創るという事を学ばせてもらった、忘れられない一コマです。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 授業中、何をやっているか分からないので、分からないかどうかも分からない。 (西の人)

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1134. 生命 [地歴公民科]

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                     シュヴァイツァー博士 (ウィキペディアより)

 シュヴァイツァー博士は、娘さんの話によると、「刺されなければマラリアにはかからない」と近づく蚊は手で払うだけ、部屋の中に入ってきた蚊はコップで取り押さえ、そのままドアの外に放してやっていたそうです。彼は、アフリカのガボン国ランパレネ村に自力で病院を建て、風土病にかかって苦しむ人々の治療を続け、1952年ノーベル平和賞を授与されました。

 若い頃シュヴァイツァーは、「30歳までは学問と音楽に励み、それ以降は世の為に尽くす」と決め、ストラスブール大学に進みました。彼は神学と哲学で博士号を取り、オルガン奏者として活躍しつつ27歳で同大講師となりました。そして30歳で医学部に再入学し、38歳で医師としてアフリカに渡ったのです。

 ある夜、小舟から川を渡るカバの群れを見た彼は、「私は、生きようとする生命に囲まれた、生きようとする生命である」という自覚に至りました。彼は、「生きようとする意志は、自己を完全に実現しようとする意志である。それゆえ、人は全ての生命を尊重しなければならない。自分にとってどんな価値があるかが問題なのではない。」と言います。以後この「生命への畏敬」という倫理的原理は、90歳で亡くなるまで彼の反戦・反核運動の支柱となりました。素晴らしい人生ですね。

 先週、二回目のワクチンを打ってきました。混み合う病院の待合室で、この「生きようとする生命」という言葉を思い出しました。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 己に目標がないのなら、誰かのために身を張って何かをして上げよう。
(雀聖)

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1533. ツバメ [宗教的感覚]

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                                玄関の上のツバメの巣

 今朝、母をショートステイ=センターに連れて行った時、玄関の軒下にツバメの巣を見つけました。巣の中には白いくちばしのヒナが5~6羽入っていました。どのヒナも「おりこうさん」で、黙って親ツバメの帰りを待っています。

 突然ヒナ達がピーピーと大声で鳴き出したその時、親鳥が戻って来て巣の上方でホバーリングし、口移しで一匹のヒナに餌を与え、あっという間に飛び去っていきました。その静と動の転換があまりにもダイナミックだったので、私は次の回を写真に収めようと車からスマホを持って来て巣の下で待ちました。しかし数分待っても戻る気配が無く、施設の出入りの邪魔になっては申し訳ないので、巣だけ撮って帰りました。久しぶりにツバメ親子の温かい交流を目の当たりにし、しばし感動に浸ってました。

 その時ふと、キリスト教の「10人の乙女たちのたとえ」にこれが似てると感じました。
 「私はツバメのヒナ、そして親鳥は神様。きちんと待っていれば、突然神様は恵みを持ってやって来る。それがいつかは分からない。恵みはきちんと待ってる人には公平に与えられる。」

 どのヒナも同じ大きさに成長していました。休みなく飛び続けるツバメの両親がどうやってヒナ達に公平に餌を分配するのかなど、ヒナの私には分からない事ばかりです。しかし私の安らぐ寝床は、私が生まれる前にすでに親ツバメによって作られていました。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 名案は 事が終わって 思いつく
  (T.K.)

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