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801. 幸福 [地歴公民科]

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             実習中の自動車整備学校の学生 (ネットより)

 英国の哲学者J.S.ミルは、「幸福になる唯一の道は、幸福以外のものを目的に選ぶ事である。人類の向上、あるいは芸術でも研究でも、何か他のものを目標としている内に、副産物として幸福は得られるものだ。」と語っています。

 例えばモテたいと願う男が、高価な車や高級ブランド品でいくら身の回りを飾っても、賢い女性達からは下心を見抜かれ、満足な恋愛はできません。流行を追って次々に金と時間を使っていくばかりです。しかし、もしある日彼が 「このままでは自分には知識も技術も金も何も残らない」 という事に気づけば、しめたものです。

 モテたいという気持ちを振り捨て、将来のために自動車整備学校に入り、油まみれになりながら一級自動車整備士をめざして努力すれば、やがてはその真剣な姿に頼もしさを感じる素晴らしい異性が現れてくる事でしょう。

 「モテたいという気持ちを捨てた時に真の恋が生まれるように、幸福もそれを目的としない人生に後からオマケとしてついてくる」、私はミルの幸福論をこう理解しています。

 あまりモテなかった老人のつぶやきでした。

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川柳 : 思い出は 月日が経つほど 美化される   (のだん)

800. 仏性 [雑感・気づき]

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            フランスの劇作家 マルセル=パニョル

 最近の研究で、人が何かを意識した時、実はその直前わずか何分の一秒か前に脳はすでに動き出しているそうです。当たり前と言えば当たり前の事なのですが、これは別な見方をすると、「自分が何かを意識した」と思っても、実は意識以前の無意識によって「意識するようにし向けられた」という事です。こうなると「意識するよう私にし向けている人は誰?」となります。

 英語でも「驚く=be surprised 」「嬉しい=be pleased 」「わくわくする=be excited 」など、感情表現は基本的に受け身型です。私達は笑っているのではなく笑わされているのです。フランスの劇作家マルセル=パニョルは、「何を笑うかによって、その人柄がわかる。」と言っていますが、私が私以外の「存在」によって評価されるとしたら、何とも恐ろしい話です。

 しかし私は多くの人々と笑いを共有する事もできます。これは、私達の無意識の奥にいる「存在」が万人共通の一者という事の証拠とも言えるのではないでしょうか。もしかしたら、これが「人皆、仏性有り」と語った最澄の「仏性」なのかもしれません。

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名言 : バレンタイン もらうと嬉しいが 実は安物が多い。 (ピン)

799. やる気 [雑感・気づき]

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                             トルネード投法の野茂英雄投手 (ネットより)

 野茂投手が米大リーグで活躍し始めたら、イチローやダルビッシュなど多くの日本の選手達が大リーグ入りしました。日本人選手のレベルが急に上がった訳でもないのになぜか、と元陸上選手の為末大氏は問います。

 彼の答えは、人間は「人ができた事なら自分もできる」と考えるからだそうです。以前は遠い夢だった米大リーグに、「野茂が行けたのなら…」と他の選手達が発奮したのです。その意味で、先陣を切った野茂投手は立派でしたし、大変大きな仕事をしてくれました。

 私が教員への道をあきらめ塾で教えていた時、講師仲間にしょっ中子供達から漢字の間違いを指摘され、咳払い一つしながら訂正していた先生がいました。そんな彼が東京都の小学校教員に合格した時、職員室の雰囲気が微妙に活気づきました。あまり大声で語れる話じゃありませんが、その時発奮させてもらったお陰で、私も翌年宮城県に合格できました。彼には心から感謝しています。

 皆さん、進路のレーダーは研ぎ澄ましておきましょう。ある日思わぬ発奮のきっかけが飛び込んでくるかもしれません。

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名言 : スイカの種をほじくり出そうとすると、さらに奥へと入ってゆく。  (死語林)

798. 手当て [雑感・気づき]

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         バスケットボールを持つように… (ネットより)

 今日は私の好きな「ちょっと怪しい話」をします。

 皆さん、自分の「気」を感じてみませんか。夜、お風呂から出て布団に入る前、立ったまま両方の手の平を向かい合わせ、そこにバスケットボールがあるような形にしてみて下さい。そして目を閉じ、黙って60秒数えます。すると40秒あたりから、心臓の鼓動に合わせて両手の間にかすかに「気の球」を感じ始めます。さらに手の間隔を少しずつ縮めていくと、どちらの手にも「圧」を感じます。「手当て」とは、本来この「気」を利用した治療と言われています。

 昨日の朝ギックリ腰になりました。1時間目は試験監督。不安な思いで出勤したのですが、校舎に入って1時間半も経たない内に痛みが引き始めました。「手当て」の話の延長になりますが、その時「人は人の中で癒される」と感じたのです。集団を長らえるためにも、「人間はお互いに癒し合っている」と考えるのは合理的だと思いませんか。そのためにも集団から嫌われない存在にならなければ、と気を引き締めました。

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狂歌 : 嫌なこと 乗り越えてきた 今だから 何がこようと 乗り越えられる  (ケンプ)

797. 好感度 [教育の話題]

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             かわいい幼稚園児 (ネットより)

 マイクロバスから数珠つながりで、ヨチヨチと幼稚園児達が降りてきます。二人ずつ手をつないで点検を受ける事になっているようですが、手もつながず一人で警備員のおじいちゃんの股間を攻撃している男児がいます。遠目には可愛い園児達ですが、よーくと見ていると結構ヤンチャな子が多く、先生は大変そうです。人間同士、理解し合えば可愛いさが増すのは事実ですが、逆によく分からないから可愛いいというのもこれまた事実ですね。「好感度」の不思議さを感じます。

 教員と生徒との関係も同じで、心地良い授業空間を作ろうと思えば、互いに全てを知ろうとしない方がいいようです。言いたくなれば、どちらも自分から話し出しますから。どんな時でも的確な受け答えができるよう、私達教員は常日頃から知識や経験を積んでおかねばなりません。これは皆さんが親になった場合でも同様です。

 田舎の初任校で週に18時間英語を持たされ、授業がとても荒れた時、私の学生時代のグアム旅行の経験談が私と生徒をつなぎ止めてくれました。(No.148)

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川柳 : おかえりと 言う母の顔 疲れ飛ぶ   (うめぼし)

796. お釈迦様との会話 [宗教的感覚]

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            イラストレーターから尼僧になった勝本華蓮氏

 ラジオ番組の中で、尼僧の勝本華蓮氏にアナウンサーが尋ねました。

 「お釈迦様の所には多くの『悩める人』がやって来たようですが、どの人も即座に悟りを得るような回答を得たとあります。なぜそんな事ができたのでしょうか?」
 「お釈迦様は、人それぞれに合ったたとえ話で説かれたという事が一つ。さらに、話された内容がきっとそんなに難しくなかったんだと思いますよ。一言で言えば『執着を捨てよ』という事です。」

 ここまでなら、私も授業の中で何度も教えている所です。ところが突然アナウンサーがしゃべり出しました。

 「『執着を捨てよ』とは、執着している『何か』を捨てよという事ではなく、自分にとって都合の悪いものを他のものから『区別する心』を捨てよという事なんでしょうね。『悪い』と『良い』を分ける事も一つの執着なんですよね!」

 確かに今の自分にとって都合の悪いものであっても、仏様の大きな目で見れば全て必要なものに違いありません。このお二人のやり取りが、まさに先の『悩める人』とお釈迦様との会話のように思えました。


〇同じくNHK「こころの時代」の番組の文字起こし
http://h-kishi.sakura.ne.jp/kokoro-473.htm

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名言 : 恥ずかしい事情けない事、隠そうとすると見てる方はよけい情けなくなる。  (レモン)

795. 船村徹氏の生き方 [教育の話題]

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           2005年10月、コンサートで歌う船村徹氏。 

 いじめ問題もそうですが、クラス全体が変な雰囲気になりつつある時、「言えば嫌われるから言わない」という事って結構ありますよね。

 作曲家船村徹氏は、1932年に栃木県塩谷町に生まれました。青年時代は米軍キャンプでバンドリーダーを務めた事もありましたが、歌の世界がどんどんアメリカ化していく事を憂いた、尊敬する作詞家高野公男氏から「俺は茨城弁で作詞するから、お前は栃木弁で作曲しろ」と言われ、以後は日本人の心情を歌う曲を作り続けました。1955年に「別れの一本杉」で大ヒットを飛ばし、その後北島三郎や鳥羽一郎といった演歌歌手を数多く育てながら、5000曲以上を作曲しました。昨年文化勲章を受章しましたが、今年2月にお亡くなりになりました。弔問には2300人が訪れたそうです。愛する故郷にこだわり続け、欧米化していく日本の歌謡界を自力で変えた姿に大きな感動を覚えます。

 教室でも職場でも、何か変だと感じたら、自分が正しいやり方を積極的に示して多くの人を惹きつける事が効果的と感じました。

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名言 : 貧血検査をすると必ず貧血になる。   (Y)

794. 穴 [宗教的感覚]

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          修復中の、石膏で再現されたポンペイ市民の遺体 (ネットより)

 紀元79年のヴェスヴィオ火山の噴火は、時速100km以上の火砕流と高さ5mに及ぶ火山灰で、ポンペイ市を一日で消滅させました。埋もれた市民の遺体も腐食し消滅しましたが、それは固まった火山灰の中で人の形の空洞となって残り、後に考古学者がそこに石膏を流してその姿を再現しました。

 以前読んだ仏教の本の中に、「人は空中に空いた穴」という話がありました。

 私達の体は空中に空いた穴なのです。そこに豚肉のタンパク質や水、ほうれん草のビタミン、牛乳のカルシウムなどが一時ギュッと詰まっているのですが、やがては汗や垢、エネルギーとなってそこから出ていきます。この出入りは休む事なく続いています。これが仏教の「諸行無常 (あらゆるものは変化している)」「諸法無我 (変わらないものは何もない)」です。私達は元来何もない穴であり、そこに「ご縁」あって様々な構成要素が集まり、人々との出会いがあり、今があるのです。だから出会いに感謝し、今を堪能し、これからの変化を楽しみに生きていきましょう。

 良いお話でした。

○人間の細胞の更新速度 (作成者・出典不明です。参考程度にどうぞ。)
https://sites.google.com/site/jinntainosaiboukousinnsokudo/

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名言 : 一日でやめても、三日坊主。   (Y.S.)

793. 落差 [教育の話題]

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          米国の授業風景 (生徒の雰囲気は日本と全く同じでした。)

 6月3日の本ブログに載せた教育実習生は、インドネシアで日本語教師のボランティア活動をやっていました。あちらの国の学校では先生による生徒指導の差が大きいという話を聞いた時、私はかつて生徒と一緒に行った米国の高校を思い出しました。

 そこでも、始業時刻や事務的な諸届けに関する校則はありましたが、授業中の細かい約束事はそれぞれの先生に任されていました。先生は自分の教室の黒板の上に指導方針を示し、生徒達はそれを見て授業態度を決定します。校内を見回すと、生徒達が机に腰掛け帽子もとらずに楽しそうに授業を受けている教室もあれば、ポップコーンの袋を机の上に出したというだけで扉の外に二人の生徒を立たせていた教室もありました。

 こんなバラバラな感じの学校でしたが、二時間目の休み時間は全ての教室で先生と生徒が起立し、右手を胸に当てて星条旗に向かって「忠誠の誓い」を合唱していました。この「落差」の大きさに驚くと同時に、自由の国アメリカといえども国家に対する忠誠心は厳しく求められている事に驚かされました。

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どどいつ : 嫌い嫌いを 連発すると 最後に自分が 嫌われる    (T.N.)

792. 格付け [学校生活から]

 
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                                            よくある増毛の宣伝写真

 今、政治経済の授業で「消費者問題」を取り上げています。先日、生徒達に私が集めている怪しい広告(No.358)を見せ、「もし君達が悪徳業者になって一儲けたくらむとしたら、どんな広告を作るか。」と悪魔のササヤキをしてみました。

 すると予想以上に色々出てきました。「やせる美容広告には、双子の片方を太らせて両方の写真を並べBeforeとAfterにする。」オッ、すごい。「ペイントソフトで太らせたりシミやしわを書き加えたりしてBeforeの写真を作る。」うーん、あり得るね。

 私も考えました。自分の頭頂部の写真を二枚撮るだけで、ニセの毛生え薬のチラシが作れそうです。今と一年後に一枚ずつ撮って、時間の後先を逆に並べれば、まるで毛が増えたように見えるはずです。

 ニセモノと本物の情報を見分ける事が困難な時代になりました。誰もが気軽に情報発信できる分、全体として情報の信頼度は落ちています。信頼できる情報源を見極めねばなりません。「世の中が平等になれば、新たに格付けが必要になる」というのも皮肉ですね。

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名言 : 犬とは、飼い主よりも後ろにいる友達に必要以上しっぽを振る。  (ひまわり)

791. セグウェイ [ニュースより]

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          セグウェイで遊ぶ若者達 (フィレンツェにて)

 ホンダが倒れないバイクを開発しました。高速ではライディングの醍醐味を楽しむため普通のバイクに戻りますが、低速になるとバイク自体がバランスを取って倒れなくなります。自動車に続いてバイクも自動運転の時代になりそうです。そうなると、将来の自動車学校のカリキュラムも今とは全然違ったものになるでしょうね。

 3年前イタリアのフィレンツェに行った時、何人かの若者達が観光客の間を縫うようにセグウェイで遊んでいました。セグウェイとは、二個の車輪の真ん中に取っ手のついた乗り物です。電動で音がしないため、私達は後ろから走って来るそれらにヒヤリとさせられた怖い思いをしました。実は私も昔ディズニーランドでこれに乗った事があります。これはどんなに倒そうとしても倒れません。

 このセグウェイ、まだ日本では公道を走れませんが、たぶん将来は若者より老人用の「安全な乗り物」として広まりそうな気がします。

○倒れないバイクについて
http://www.nikkei.com/video/5318238757001/


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名言 : ドラマのラブシーン、家族で見るとムードぶち壊し。  (夏はスイカ)

790. 白手袋 [宗教的感覚]

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            白手袋(ネットより。本文中のものとは無関係です。)

 先日の聖堂朝礼でシスターが話されたお話です。

 あるお母さんの腕には大きなやけどの跡がありました。「あんたのママの手、汚いね」と友達から言われた娘は、それ以来一緒に手をつながず、授業参観に来る事も拒否しました。お母さんは、外出の時は白い手袋をはめるようになりました。時が経ち、母親が亡くなった時、棺の中の手は素手でした。彼女が父親に「お母さんの手に手袋をしてやって」と頼んだ時、父は初めて「そのやけどはお前が赤ちゃんの時、ストーブの火がカーテンに燃え移ったのを消し止めたためにできたものだ」と語りました。彼女は、母のやけど跡が彼女にとって「最高の宝物」だった事をその時知りました。外見の美しさを求める事は悪くありません。しかし結果が私達の望むものと違っても、それが神の計らいなのです。神を信じて祈り続けましょう。

 良いお話でした。「置かれた場所で咲きなさい。境遇を選ぶ事はできないが、生き方を選ぶ事はできる。」とおっしゃった渡辺和子先生の言葉を思い出します。でもご両親ももう少し早く彼女に知らせて上げていたら…、とも思います。

渡辺和子先生:ノートルダム清心学園理事長。(No.554)参照。

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川柳 : 知らぬ間に アラーム止めて 寝坊する  (人間万歳)

789. 大道芸 [雑感・気づき]

 
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                  この不気味な人物がどうなるか、映像をご覧ください。

 蔵王町で「とおがった大道芸21」を見ました。久しぶりに真剣勝負の迫力を感じました。

 その一つが、全身黒づくめの帽子、覆面、マント、ズボン、革靴姿で立っていた人物。ゆっくり歩き始めたら足が四本になりました。人なのかロボットなのか、一人なのか二人なのか、観客は混乱し子供達も引きつっていました。やがて衣装の中からチクリーノさんという男性が出てきました。その後、彼はレストランでの出来事を演じましたが、全てがパントマイムでした。「目」だけでも色々語れる事を見せてくれました。

 次に刺激的だったのが加納真実さんのパフォーマンス。五輪真弓の「恋人よ」を演じていましたが、狂気の一歩手前のような体を張った演技に観客はこれまた度肝を抜かれました。

 投げ銭だけが生活の糧の彼らの芸には、学ぶ点が多々ありました。単なる野次馬を熱心な聴衆に変える演技のコツは、「幾分上向き目線でとる間(ま)」と「ここぞの時に力強く見開く目」のような気がします。明日から教室でそっと実践してみます。

〇チクリーノさんの芸
https://www.youtube.com/watch?v=qH0PL8iM58A   (YOUTUBEより)

〇加納真実さんの芸
https://www.youtube.com/watch?v=RFwjtF88fVo    (YOUTUBEより)

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川柳 : 知らぬ間に アイツとあの子 できていた   (Big)

788. 教育 [学校生活から]

 
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          中にはこんなに多くの実習生を受け入れる高校も。(大坂信愛女学院高校のHPより)

 一人の教育実習生が勤務校で実習に取り組んでいます。木曜日の4時間目が、多くの教員に見てもらう研究授業でした。

 3時間目のクラスで「予行演習」をしたのですが、生徒達はよく分からないと不満顔です。そこは「実存主義」という教科書の中で最も難しい所。予定の半分しか進めませんでした。そしてすぐに本番。ところが、こちらでは彼女はよどみなく話し始め、何と予定の9割を終えたのです。予想外でした。

 そのクラスは、彼女が学級担任からホームルームを学んでいたクラスでした。朝夕会う分、他クラスより接触時間が長く、また生徒達も彼女が努力している姿を毎日目にしていました。だから、その授業が彼女にとって重大な意味を持つ事をすぐに理解し、笑顔や応答で彼女に応援をしていたのです。優しさの追い風を受けた彼女もそれに応えて百%の力を出し切りました。

 そんな彼女達の心の交流を見ていたら、「教師も教える事を通して生徒に育てられている」という事を改めて感じました。放課後、彼女の顔は達成感でキラキラ輝いていました。

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川柳 : おまじない 信じてみると 効果あり    (ひまわり)

787. 正直 [雑感・気づき]

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                ご講演中の佐竹正延先生

 「『生命』へのアプローチと『いのち』へのアプローチ」と題する、東北大学名誉教授佐藤正延氏の講演会に行ってきました。前半は科学研究者の心象風景、後半は認知症患者の実態についてのお話でした。未知の分野の講演会は収穫が多く、有意義な二時間でした。印象に残った部分です。

①認知症の有病率は、65-69歳1.5%、70-74歳3.6%、75-79歳7.1%、80-84歳14.6%、85歳以上27%。加齢につれて、患者は幾何級数的に増えていく。
②癌のように認知症で亡くなる事はないが、誤嚥性肺炎、食欲不振、転倒による骨折、点滴の自己抜去などが起こり、結果的に癌以上に「悪性」の疾患と言える。
③「何とか延命を」と頼む家族の中には、当該高齢者の年金を当てにしている人もいる。
④科学分野の研究者は楽観的合理主義者。「価値判断は人文系で」といった免責感覚がある。科学技術の開発競争はやがて「世界一じゃないとダメ。すごいと呼ばれたい。」となって研究者の「良心」を蝕んでいく。

 「良い事言うなあ」と聞き惚れていたら、「私もそうなのです。」と正直に告白されました。

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名言 : 言い出しっぺほど無責任が多い。   (Y.S.)

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