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1563. パラリンピック [ニュースより]

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              山田美幸選手とスメエ・ボヤジ選手

 延期して欲しかったパラリンピックでしたが、日程の半分が終わりました。選手達を見ていると色々考えさせられます。目が見えなくともトラックを全力で走る選手達、車椅子から通常と同じ高さのゴールにシュートするバスケットの選手達。今の私の感覚ではとらえきれない世界です。

 そんな中で目を引いたのが、100m背泳ぎで銀メダルを獲得した両腕のない中学生の山田美幸選手(14)でした。パラ日本勢で史上最年少のメダリストとなりました。脚力を強めるため水中で3kgの排水溝の蓋を足にくくり付けて練習してきたそうです。

 またトルコのスメエ・ボヤジ選手(18)も、生まれた時両腕がなく股関節脱臼でした。5歳の時、水族館の魚を見て「魚は腕がないのに泳げてすごい」と感激し、水泳に興味を持ちました。以後リハビリを兼ねて水泳を始め、19年9月のパラ水泳世界選手権の50m背泳ぎで2位になり、トルコの女性スイマーで初めての世界選手権銀メダリストとなりました。1日9kmを泳ぎ、今回は200m自由形で7位でした。

 彼女達には、愚痴や甘えが見られません。与えられた境遇の中で何ができるか、一生懸命考える姿が見えてきます。パラリンピックの醍醐味は、人が生きるための哲学を、書物ではなく人間の生き方そのもので示してくれる所にあると感じます。私も「歳」に甘えず、最後にもうひと踏ん張りする気になりました。

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狂歌 : 高校で 生まれ変わると 決めたのに またもや退部 なんなの自分  (自己嫌男)

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1562. 人生観  [雑感・気づき]

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                              鴨のヒナ (フリー画像より)

 食事中、口の中に魚の小骨を感じました。しかし私の舌はそれを選り分けながら徐々に前の方に移動させ、最後は両前歯の間にはさんで端っこを出してくれました。こんな動きは、誰に教わったわけでもありません。

 かつて庭に据え付けた巣箱で、一つがいの小鳥がヒナを育てた事がありました。しかしある日突然、一家そろっていなくなりました。あのヒナ達も訓練なしで羽ばたいていったとしか思えません。

 私の96歳の母をはかなり認知症が進んではいますが、舌も噛まずに食事をとり、トイレもまだ普通に使えています。しかし、今何を食べているのか、今朝お通じがあったかなどを尋ねられても、全然答えられません。

 これらを見ていると、遊んだり、考えたりといった高等な活動を支えている基本的な行動様式は、誕生前から私達のDNAに埋め込まれていて、私の体は私が意識しようがしまいが自律的かつ合理的に動いているように見えます。孔子70歳の境地「心の欲するところに従って矩を超えず」とはこんな事かな、とも感じました。

 自動運転の車のような体に全てを任せて私は文章を書いていますが、実は文章の結末も筆に任せています。まだまだ拙い文章が多く、しょっ中書き直すのですが、不思議と最後はまとまるのです。「人生、きっかけさえうまく掴めば、あとはお任せして大丈夫」、これが私の人生観となりました。

** 高校生のコトパ **************************

川柳 : 新学期 始まってみれば 友金髪  (O.K.)

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1561. 奇跡 [雑感・気づき]

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                        ジャン・ピエール氏設計の大学キャンパス

 奇跡的な出来事が起こりました!前回のブログに書いたレバノンの友人が、記事をアップした2時間後に見つかったのです。私がブログを書き終えたのが午後7時14分、連絡が取れたのが9時3分でした。

 そもそも私があの記事を書こうと思ったきっかけは、当日の朝の寝ぼけ頭に浮かんだ彼の名前でした。私は昔から彼を「ジャン・ピエール」と呼んでいたため、三番目の名前を失念してしまっていました。インターネットが普及してからその名前で検索したのですが、あまりにも多くの人々がいたため見つけられませんでした。しかし当日の朝、彼の三番目の名前「メガルバ〇」がふと頭に浮かんだのです。

 そこでその夜、彼の記事をブログにアップした後、今は使っていないfacebookで試しに検索してみました。すると同姓同名の男性が見つかったのです。その方のメッセージ欄に私の知っている彼かどうかを伺う文を書き込んでみました。すると「Yes its me.」という嬉しい返事が来たのです。

 この後は互いにメールや写真を交換し、44年間のブランクは一気に埋まりました。留学生として建築を勉強していた彼は、今や300を超える大学やホテルなどを設計する建築デザイン会社のトップとなり、フランスで生活していました。「願いは叶う。奇跡は起こる。」という事を実感した、久々の嬉しい出来事でした。

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川柳 : 父の顔 さわってみると 手に油  (K.M.いや)

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1560. 思い出 [思い出話]

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                          特急「ひばり」

 学生時代、私が帰省する時は上野から仙台まで特急「ひばり」を利用していました。当時としては3時間58分という「短い」乗車時間は大きな魅力でした。今は1時間半ですが。

 ある年の暮れ、列車は超満員となり、客室内に入れない私は出入り口近くの通路に立っていました。本も読めず、退屈極まりない時間でした。向かい側に立っていた外国人男性も、私同様に退屈そうに見えました。そこで私は英語版のキモ試しと覚悟を決め、ドキドキしながら話しかけてみました。
「May I talk to you?」
「Sure!」
 トラック英語学習(No.168) が通じて、私は天にも昇る気持ちになりました。彼は建築家志望のレバノン人で私と同い年、日本の建物を見ようと全国を回っているのだそうです。たどたどしい英語でやり取りしている内に仙台駅に着きました。泊る所は決めていないと言うので実家に電話を入れ、我が家に泊ってもらう事にしました。当時レバノンは国際的な紛争地域だったので、私の両親はかなり不安だったと後に語っていました。

 その後しばらく国内での親交は続き、彼は私の結婚式にも出席してくれました。しかし帰国後レバノン内戦が激しくなり、彼とは連絡が取れなくなってしまいました。彼の語った言葉だけが鮮明に残っています。
「お金は旅行に使います。思い出は盗まれる心配がありませんから。」

 以来私達夫婦も、許される範囲で彼の精神を受け継いでいます。

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川柳 : 友達と ちょっとさみしい 夏祭り (JAM)

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1559. 祈り [宗教的感覚]

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                                鈴木隆氏

 今日私は、「祈り」について新たな認識を得ました。郡山ザベリオ学園理事長の鈴木隆氏のカトリックについてのご講演を聴いていた時の事です。

 これまで私は、「祈り」は「願い」とは違うと思ってきました。むしろ、「祈り」とは「感謝」の気持ちを神に伝える事だと信じてきました。(No.1371) しかし今日、鈴木氏が語ってくれた「祈り」は、「神は私に何を望んでいるのかを受け取る事」というものでした。そうなんですよね、感謝にしても私のエゴの
範囲を出ていませんから。聴く姿勢が求められて当然です。

 そして、「祈りとは心と心を重ねてその思いを伝える事」ともおっしゃいました。この二つは、祈りという静かな対話の中では矛盾なく交わされるものと感じます。良いお話でした。

 その他、内容のいくつかをご紹介します。
〇「神」と「宗教」は別物。宗教が違うがために対立していた時代に、「へりくだる」事で神を知る営みを伝えたのがイエス。ユダヤ教徒のイエスは対立するサマリア人やローマ人とも交わったが、それゆえユダヤ教徒から嫌われ、十字架刑に処された。
〇私は聖書の全てが真実だとは思わないが、神がいる事は信じている。信じると「対立は和解へ」変わり、その後「うまくいく」からである。神の存在は証明できないので、この立場は一つの賭けである。
〇カトリックは無謬性を主張して人々と対立してきたが、1962~65年の第二バチカン公会議で、他の宗教も認める多様性尊重の姿勢を打ち出した。

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名言 : 先生に「宿題終わったか?」と聞かれると思い、あせっていたら、「宿題写したか?」と聞かれ図星で困った。
(ジャンボー)

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1558. パラグライダー [雑感・気づき]

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                          泉ヶ岳スキー場のパラグライダー


 昨日、泉ヶ岳スキー場にふらりと出かけたら、数機のパラグライダーがトンビのようにゆっくりと上空を舞っていました。おしゃれな若者が飛んでいるのかと思いきや、皆さん元気いっぱいのおじいさん達です。74歳の方にお話を伺いました。20年前にこれにハマり、パソコンのライブカメラで様子を見ては、しょっ中来ているそうです。「無駄な金も使わないし、大空を飛ぶ気分は格別だよ」と言います。

Q「パラシュートの値段はどの位ですか?」
A「国産品が無いので、外国産で50万円です。」
Q「何分位滑空できるんですか?」
A「初心者で5分位。ベテランは30分以上飛びます。」
Q「どうやって?」
A「あの標高750mの離陸地点から飛び出し、上昇気流をつかめば1175mの泉ヶ岳の頂上を超えて5km先のダム上空まで行けるんです。」
Q「危険はないですか?」
A「事故はあります。でも事故を起こす人は、人の話を聞かない独りよがりの人です。」

 私も飛んでみたくなりました。

Q「何歳ぐらいまで飛べますか?」
A「ここに来てる最高齢は84歳です。」
Q「どうすれば私も飛べますか?」
A「ライセンスを取得するのでなければ、ここのスクールに申し込むと7000円でインストラクターが同乗して飛べます。」

 話している彼は本当に楽しそうです。定年退職後の楽しみにも色々あるものだと感じました。今期は終わったそうですが、もし私も飛べたら皆さんにここでご報告しますね。

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名言 : 電車で寝ようと思う日はたいてい混んでいる。 (M.Y.)


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1557. 消費者主権 [地歴公民科]

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                             宮城県消費生活センター

 皆さんが免許証を手に入れ、中古車を買いに販売店に行ったとします。見た目が同じで30万円と80万円の車が並んでいたら、もちろん30万円の方に目が行きますよね。しかし、もしかしたらそれは大きな死亡事故を起こした車なのかもしれません。

 中古車市場では、買い手は売られている車の詳しい情報や知識を持たないため、どれが良い車か分かりません。このような売り手と買い手の間にある大きな情報量の差を「情報の非対称性」と呼びます。そうなると買い手は売り手に騙されないようなるべく安く買おうとし、安くて品質の悪い車だけが取引される事になります。値段は高くても品質の良い車は売れ残ります。このように、売り手や買い手の本来の意図が反映されない状態を「逆選択」と呼び、市場そのものが機能しなくなるおそれがあります。

 1962年、アメリカのケネディ大統領は、「消費者の四つの権利」を提唱しました。
「安全を求める権利」
「知らされる権利」
「選択できる権利」
「意見を聞いてもらう権利」
です。これに1975年、フォード大統領が
「消費者教育を受ける権利」
付け加えました。

 今や私達消費者は、一方的に不利益を受ける存在ではありません。不安な契約は、業者に録音しながらどんどん質問して下さい。もしウソ(不実告知)をつかれて結んだ契約であれば、消費者契約法で5年以内なら無条件で契約を取り消す事が出来ます。疑念を感じたら、すぐに地域の「消費生活センター」に相談しましょう。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 4時間目 じっとがまんの 腹時計  (ドラえもん2号)

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1556. サボテンとの交流 [学校生活から]

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            実験に使ったプラントーンとサボテン

 以前、この欄でご紹介した植物の電位を測る器機「プラントーン」ですが、最近は私から発する「気」が弱くなったせいか、あるいはサボテンが代替わりして性格が変わったせいか、なかなか思うような交流ができなくなってしまいました。延び延びになって焦っていたのですが、先日7年前の公開授業のデジカメ映像を発見したので、こちらをご紹介します。なお理論の部分と生徒による実験の部分、並びに生徒の氏名が出てきたシーンはカットしてあります。
 
 三年生対象のこの授業は、PowerPointで次の三つの理論を簡単に説明し、その後サボテンでそれを傍証する実験を行ったものです。
 
サボテンとの交流:クリーヴ=バクスターは、ドラセナ(サボテンの一種)と他の生物とが深いレベルでつながっている事を様々な実験を通して主張した。
群れの正体:ライアル=ワトソンは、個体が群れになると単なる個の総和を超えた大きな存在になる事をカツオノエボシ等を例に主張した。
ガイア理論:ジェームズ=ラヴロックはバクテリアから人間、大気、海まで含めた地球全体を『一個の生命体』と捉える理論を発表した。
 
 「全ての動植物はつながって、地球という大きな生命体を構成している」という感覚は、私の中で日に日に強くなってきています。
 
〇サボテンとの交流授業の映像
 
** 高校生のコトバ **************************
 
川柳 : 喜びは 寝ること食うこと 遊ぶこと (飯雨)

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1555 正解 [地歴公民科]

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                            戦場に出征する兵士

 昨日NHK特集「銃後の女性たち」を見て、考えさせられました。1932年、見送りもなく出征する兵士を気の毒に思った大阪の主婦達がお茶で見送ったのが国防婦人会の始まりでした。太平洋戦争が始まると、それは大日本国防婦人会と名を変え、徴兵や金属の供出、国債の購入などで積極的に戦争協力する全国組織になりました。家庭を回って徴兵に応じるよう説得するのも彼女達でした。しかし終戦後、彼女達は自分が戦争協力をした事に大変な罪悪感を覚える事になりました。

 番組では彼女達は陸軍に利用されたと論じていました。さらに私は、彼女達をそうさせたものは相互に監視し合う世間の目のような気がします。いつの時代でも戦争が起これば、戦争協力拒否は非難されます。それでも与謝野晶子や市川房江のように声を上げ続けた人々もおり、彼女達の評価は戦後逆転しました。

 兵士を送り出すのも、拒絶するのも苦渋の決断です。しかし歴史の大きなうねりの中では、どちらも正解という気がします。未来は「神のみぞ知る」世界だからです。自分の良心に忠実に「行動」した人間が、納得できる最期を迎えられるのではないでしょうか。婦人会の方々も胸を張るべきです。正しい決断をするためには、広く情報を集める事と歴史に学ぶ姿勢が不可欠と感じました。

〇動画 「銃後の女性たち」  (これは「NHK+」ですが、8月18日(土)23:35から再放送されます。)

〇ブレイディみかこ氏が読み解く「銃後の女性」~エンパシーの搾取

**無高校生のコトバ **************************

名言 : 宿題を明日、明日と延ばしていくと、短く感じる夏休み。
  (455)

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1554. 大震災直後 [雑感・気づき]

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                       東日本大震災時の大船渡市 (フリー画像より)

 河北新報に、東日本大震災当時小学5年生だった女性が語る記事がありました。まとめると次のようなものです。

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 当時は空き巣が横行し地域が荒れていたため、私達もずっとピリピリしていました。先生が「震災の話はしないで」と言ったクラスもありました。「緊急地震速報」「津波」など、それを聞いただけで子供達が収拾つかなくなる単語があったからです。同級生が津波で亡くなった学級でした。

 私の学級も、授業中に教室から消える子や勝手にしゃべり出す子など、震災前とは雰囲気が違っていました。先生がちゃんと怒ってくれたので、私は「見捨てられてない」という気になり、すごく助かりました。震災の話は私の学級でも話せませんでした。陽気な子でも父親が死んでるかもしれないし、「我が家は大丈夫」という言葉は自慢のように聞こえるし、被害の話は同情を乞うようで話せません。

 先生も傷ついていて、しゃべりながら泣いてる姿を思い出します。ところが新聞記事は、「子供達は荒れてましたが、それに大人は気づけていなかった」と書きます。先生だって目の前で傷つき荒れてる子供を見て、「どうしたらいいか」とずっと悩んでいました。それぞれみんな思う所があって、それでもどうする事も出来なかったんだと今思います。
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 震災直後といった特殊な状況を記事にまとめる事がいかに難しいか、この記事を読んで感じました。新聞記者の方も大変です。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 肉じゃがが何でお袋の味なんだ!
(かびるんそん)

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1554. 総理へのメール [ニュースより]

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                          首相官邸への投書欄

 本日、内閣総理大臣宛ての投書欄に、以下のメールを送付しました。

 菅義偉総理大臣殿、私は総理の誠実なお人柄を信じてこのメールを書かせて頂きます。新型コロナ禍の中での東京オリンピック、無事終了出来た事お喜び申し上げます。総理や橋本会長には想像を絶するご心労があった事と拝察致します。24日にはパラリンピックの開催が予定されていますが、総理はこちらについての明確な態度をまだ表明されておりません。一国民の感覚として、私の私見を述べさせて下さい。

 東京都の新型コロナ新規感染者は、7月28日のオリンピック開会式の3177人から8月8日の閉会式の4166人と増えています。この増加がオリンピックの開催と関係があるかどうかは不明です。もしかしたら、中止してもこの数字になっていたかもしれません。しかしその場合、国民の命を優先した総理のご決断は、「開催してたら、もっと大変な事になっていただろう」との評価の下、大いに支持された事と思います。経済界は、外国人観光客入国禁止を決めた時点で収益を諦めましたから。CNNによると、米国の新規感染者に占めるデルタ株の割合は、2ヶ月間で3%から93.4%に増えています。

 今後一週間日本の新規感染者が増え続けるようであれば、パラリンピックは是非延期して下さい。太平洋戦争末期、負け戦と分かっていても戦闘継続を命じた内閣の判断は、国民に多大な犠牲をもたらしました。大変失礼ながら、菅総理には同じ轍を踏まれぬよう、是非とも賢明なご判断をお願い申し上げます。

** 高校生のコトバ **************************

狂歌 : 名は体を 表すものと 言うけれど 体は性格 表している  (ねぎ)

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1552. 水 [地歴公民科]

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                              大寒の神職の禊(みそぎ)

 新型コロナが再び流行の兆しを見せています。成蹊大学名誉教授の浅見和彦氏によると、平安時代にも天然痘(もがさ)が何回も流行したそうです。『栄華物語』の中に974年のもがさの大流行が書かれてあり、『本朝世紀』には、通りに多数の死体があるため人々は鼻を抑えて歩き、鳥、犬は死体を食べ飽きていたと書かれてあります。

 一方、鎌倉初期の説話集『続古事談』には当時の治療法も書かれてあります。沃水(よくすい)といって、太い竹ずつを使って冷水を直接患者にかけていました。御朱雀天皇がもがさを病まれた時、主治医の指示で沃水をしたとあります。また三条天皇は目を患われていましたが、医師は「大寒と小寒の水を頭にかけよ」と言って、氷の浮いている水をかけさせました。熱病で亡くなった平清盛も、比叡山の井戸の冷水をかけていたそうです。どれも治療法としては辛そうですね。

 日本人は「水」に特別な意味を持たせてきました。古代の日本人は病気や自然災害を一まとめに「罪・けがれ」と呼び、それらは祓(はらえ:品物を献じる事)や、禊(みそぎ:清浄な水で洗い清める事)で身体から離れると考えていたのです。今でも、寒中水泳や滝行の中にそれを見る事ができます。とは言え、コロナの方は一刻も早く、水よりワクチンですね。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 甲子園 なぜか詳しい おばあちゃん
  (ユキダルマ)

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1551. オリンピック [ニュースより]

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                        オリンピック難民選手団の人達

 東京オリンピックに4競技16の新種目が加わり、若い人々が活躍しています。テレビの前に座ると、磨き抜かれた「心・技・体」の競演に時間を忘れて見入ってしまいます。開催時期の良し悪しは別として、多くの人々が自分の持てる力を存分に発揮できる場があるのは本当に良い事です。

 サーフィンを見ていて思いました。世界にはミャンマーのような明日の国民の命も保証できない国もあれば、命の心配がなく練習時間の沢山とれる平和な国もあります。サーフィンやゴルフ、馬術などの種目は、豊かな国の選手しか参加できません。今回ミャンマーからの選手は2人、難民選手団は29人ですが、参加種目は陸上や重量挙げなど地味な種目が大半です。この落差をどう考えるべきでしょうか。

 私はオリンピックをやめて、資金の2兆2千億円を世界平和のために使えと言うつもりはありません。むしろ大金を使って開くからには、1992年にIOCが提唱した「オリンピック休戦」を是非実効性あるものにして欲しいのです。古代ギリシア同様、この期間だけは世界中の戦争・紛争を停止させるのです。スポーツは人間の闘争本能を昇華し、人々に自信を与え、他者を尊重する機会を作ります。オリンピックは、是非「国」という概念を捨てて人々が感動で一つにまとまる良い機会にして欲しいと思います。

 話は変わりますが、コロナ下でのパラリンピックは来年に延期すべきと考えます。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 「いいかげんにしないと怒るよ」と言ってる人は、もうすでに怒っている。
(ドル)

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1550. 価値観 [ニュースより]

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                             ローレル=ハバード選手 


 時代と共に価値観は変わlります。私が教員に成りたての頃、新任教員が飲み会に出る事は当然の義務とされていました。そこで先輩から色々アドバイスをもらう事が貴重だとされたのです。ところが一人の新任教員が、「私は酒席が嫌いなので参加しません」と宴会への参加を断りました。当時の教頭が、「あれでは教員として伸びない」と愚痴っていました。しかしやがて彼のような教員が増えてきて、「アフター5は自由」が主流となりました。ここ二年間は宴会がないので、このままいけば教員の世界には忘年会も送別会も無くなる事と思われます。

 今回のオリンピックには、性的マイノリティ(LGBTQ)を名乗る選手が少なくとも160人出場しています。(ロイター) 女子重量挙げのニュージーランド代表ローレル=ハバード選手は、10代までは男子選手として実績を重ね、30代で性別適合手術を受けてトランスジェンダーの女子選手として出場しました。87kg超級に出場し記録なしに終わりましたが、こちらも「時代の流れ」を感じます。

 しかし私はこれには違和感を覚えます。オリンピックは力と技の世界です。したがって、たとえ心が女性でも体が男性であれば、男性の「土俵」で戦うべきではないでしょうか。努力してきた女性達が報われない競技会にはしたくありません。
今は過渡期なので色々なご意見もあろうかと思います。昭和生まれの率直な感想として聞いて下さい。

** 高校生の゜コトバ **************************

名言 : 子どもが多いと、親は名前を適当に呼ぶ。  (ピコ)

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1549. 寿司 [思い出話]

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                                 回転寿司


 今、回転寿司チェーンが大賑わいです。おそらく誰にとっても、寿司は手軽な食べ物となったのではないでしょうか。幸せな時代になりました。
 
 私が小学生の頃、寿司と言えば年に一・二回、大切な客人を迎えた時に出前を注文する程度の高級な食事でした。したがって店に入って注文して食べるなど、想像もできない贅沢でした。
 
 そんな「高嶺の花」も、1970年代に入ると、学生でも手が届く価格に降りてきました。大学生だった私の住んでいたアパートの近くに、5つのカウンター席を持つ小さな寿司屋がありました。アルバイトの金が入った日などは、友人を誘って夜中に食べに行ったものです。
 
 店に入って椅子に座ると、人のよさそうな親方は緩めに絞った台拭きでカウンターを一拭きし、ガリを一つかみずつ置きながら「何にしましょ?」と聞いてきます。熱いおしぼりとお茶が出る頃に「いつもの『並み』下さい。」と注文し、ささやかな会食が始まりました。この程度の贅沢でも、私達は大満足でした。
 
 数年程たったある日、突然そこが閉店しました。街の噂では、親方はB型肝炎で亡くなったそうです。我ら真っ青になりました。その後私は宮城県に戻りましたが、肝炎にもならず50年間無事に生きています。素手で握っていた時代の寿司は、案外リスキーな食べ物と知りました。
 
** 高校生のコトバ **************************
 
川柳 :  違います 高校英語と 英会話  (ロン)

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1548. 味わい [雑感・気づき]

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                      パリパリとおいしい仙台長茄子漬け

 突然ですが、皆さんはおいしかった料理の「味」を覚えていますか?おいしい料理をどこで誰と食べたかは覚えていても、そのおいしさまでは再現できないのではないでしょうか。私はできません。

 ただ、昔食べてい
た仙台長茄子の漬物がとてもおいしかった事は、鮮明に覚えています。御飯を何杯もお替わりしました。当時は母が作ってくれましたが、今は私でも作れます。味を忠実に再現するには、決まった量の同じ食材を一定の手続きで調理すればいいのですが、それが難しくなってきています。今、大人の中指位の太さの仙台長茄子が売られていないからです。また、お腹をペコペコにすかせて父の帰りを待つ夕食といったあの雰囲気もありません。食材や家庭環境、調理器具など日々変化していく中で、昔と全く同じおいしさを味わう事はもはや絶望的です。

 という事は、今食べている食事のおいしさは今ここでしか味わえないのですから、「しっかり味わわねば」と感じます。この「味わい尽くす感」を、最近は食事ばかりでなく孫との会話や授業での生徒達とのやりとり、車の運転等、日常生活の至る所で感じます。その全てが「おいしい」のです。「昔」の思い出より「今」の現実を味わう方がずっと新鮮です。そして妻の肉ジャガが年々おいしくなってきているように、「これから」の味わいも大きな楽しみです。高校生の皆さん、今しか味わえないものは食べ物以外にも沢山あります。是非色々味わっていって下さい。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : テレビ見て 会話合わない 世代の差
  (Y.S.)

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