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1111. 人生観 [地歴公民科]

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                            岩村昇先生

 神戸大学の岩村教授は、若い頃ネパールの病院で結核の治療をしていました。多くの手遅れ患者が運ばれて来るので、先生は歩いて山奥の人々の検診に出かけました。

 ある貧しい村長宅に泊まった時、ご飯を食べる先生を二人の子供達が見ていました。姉はやせ細っています。白米は普段は食べられない高級食材でした。同行の栄養士が、「お姉ちゃんこれ食べて。私達は日本で食べられるから」と茶碗を差し出したところ、彼女は「これ弟にやってもいいですか」と聞きました。「いいけど、なぜ?」「私は12歳で我慢が出来るけど、弟はまだ5歳で我慢ができないんです。」この時先生は、弟思いのお姉ちゃんだなとだけ感じました。

 さらに奥に進むと、緊急手術を要するお婆さんが見つかりました。病院までの運搬方法を悩んでいると、一人の裸足の大工が「俺がおぶっていく」と申し出てくれました。夜通し歩き、手術は成功しました。先生は、廊下で寝ていた彼に謝辞を述べ、靴代程度のお金を渡そうとしました。すると彼は、「ここでは余っている人が足りない人に分けて、共に生き延びる事が当たり前なんだ。俺は力が余ってるが婆さんにはない。だから婆さんに分けて婆さんが生き延びた。金のためにやったんじゃない。」と怒って、帰ってしまいました。

 その時、村長の娘のあの言葉もここから来ていたと、ハッと気づいたそうです。こんな感覚、日本人にも取り戻したいものですね。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 引退の 嬉しさつかの間 受験生  (いちご)

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