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1108. 先輩の援助 [学校生活から]

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                            漢字検定5級の問題集

 昔の話です。高2のAさんは、中学生の時に医師から「脳障害で、いくら勉強しても頭に残らない」と告げられました。確かに点数が取れません。事実を知っているのは両親と担任だけ。多くの教員は、「彼女はやる気がない」とあきらめていました。

 小テストが毎回悪い点なので、私は彼女を呼んで理由を聞きました。すると彼女は先の話をし、泣き出したのです。私は自分の経験談(No.893)を話し、「脳はきっと回復するから」と励まして、以後一緒に週一回、漢字検定5級の問題を解きました。

 翌年、日本語が不得手なフィリピン出身のBさんが入学してきました。3年生のAさんに1年生と一緒に学べるか尋ねたところ、二つ返事でOKでした。さらにBさんに自分の状況を隠さず話し、二人は仲良しになりました。Aさんにはこんな優しい面があったんだ、と私は驚きました。彼女は卒業直前まで勉強には苦しみましたが、卒業が決まった時、大喜びで私に報告に来てくれました。

 翌年は、Bさんと私で乙武氏の「五体不満足」を読みました。一年後、中国出身のCさんが入学してきました。3年生になったBさんも、Aさん同様にCさんに優しく接してくれました。Aさんの残した「先輩の援助」の姿勢は大きな伝統となって母校に残りました。Aさんは今東京で良いお母さんになっているそうです。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : スマホで調べ物をすると いつの間にか動画で笑っている。 (ネコ)

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