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1321. 消毒 [思い出話]

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                           赤痢菌を発見した志賀潔博士

 1950年代、仙台市内では梅雨明けの頃に「消毒」が回っていました。二・三人の大人が引っ張るリヤカー(荷車)にエンジンを乗せ、その吹き出す空気に薬剤を混ぜて煙突のような筒先から「ゴーッ」と家の中に噴霧するのです。強烈な音でした。事前に回覧板でおよその時間を知らされているので、私達は寝具や食器類、金魚、食材などを庭に出し、窓に鍵をかけ、玄関を細めに開けて待ちました。噴霧1~2時間後、自宅に入ると畳や床がツルツルしていたものです。

 私が小学生の時、明らかに「赤痢」とわかる症状になりました。それでも、近所の医師は、「毎日手と食器を念入りに洗って、家から出ないように。」と厳しく言い渡し、薬を処方してくれただけでした。当時は、一軒が赤痢を出すとその家とその周囲、ドブの中まで念入りに保健所が消毒していました。当然ご近所からは嫌がられます。先生はそんな我が家を不憫に思って、あのような温情診断をしてくれたのだと思います。私の症状がどの程度だったのかは分かりませんが、公衆衛生の立場からすれば由々しき事です。きっと先生は腹をくくって決断されたのだと思います。ご意見は色々あろうかと思いますが、私はあの決断に感謝しています。

 今、新型コロナで自宅隔離というニュースを聞くと、当時の事を思い出してしまいます。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 新聞読みながら食べる父、メール読みながら食べる娘。 (鹿)

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