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1384 千の風 [教育の話題]

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                  河合隼雄氏

 NHKの「100分de名著」で、ユング心理学者で臨床心理士の河合隼雄氏の特集を見ました。氏の著書「ユング心理学と仏教」の中にある次の話が印象に残りました。

 旅に出た二人の僧が幅の広い川に行き当たりました。橋も船もなく服を脱いで渡らなくては向こう岸につけません。美しい娘が一人向こう岸に渡れず困っていました。すぐに一人の僧が彼女を抱いて川を渡りました。向こう岸で彼らは分かれます。しばらく歩いていると一人の僧が口を開きました。
「俺は、お前が僧としてあの女を抱いて良かったのかと考え続けてきた。あの女が助けを必要としていたのは明らかだとしてもだ。」
 すると、もう一人の僧は答えました。
「確かに俺はあの女を抱いて川を渡った。そして渡り終わって女をそこに置いてきた。しかしお前はまだあの女を抱いているのか。」と。

 このエピソードは河合氏のクライアントに向かう姿勢を示していると言います。必要な時には全身全霊で向き合い、そのあとは一切執着しない。河合氏はこのような関係を理想とし、目指しました。そしてそれは「千の風」の詩に表わされていると言います。風は触るけど留まらない。私はこの番組を見て、生徒に対する教師の姿もかくあらねばと強く感じました。

** 向光性のコトバ **************************

川柳 :虫の声 父のいびきに かき消され  (やんよ)

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