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936. 狂気 [思い出話]

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                              アウシュビッツ収容所の入り口

 1990年5月、県民会館で「心に刻むアウシュビッツ展」が開かれ、私達夫婦は実物教育こそ大事と、嫌がる小1の息子を連れて見に行きました。

 入り口すぐ脇に、陸上競技のハードルのような高さ120cmの赤い鉄棒が置いてありました。説明書きには「貨車から降ろされたユダヤ人達の子供はこの鉄棒の下に立たされ、頭が鉄棒につかない子供は右のガス室行きの列に振り分けられた。」とあります。子供達は精一杯背伸びをしたそうです。何万人の子供達が泣き叫びながら親と引き離されたのかと思うと、胸が苦しくなってきました。

 息子も顔面蒼白になり、「お父さん、オレ外で待ってたい。」と震えています。「いいよ。外のソファで待ってなさい。」と指示し、奥に進むと、人の髪の毛を編んで作られた毛布や、人の脂肪で作られた石鹸、バラの入れ墨を入れられた人の皮で作られたランプシェード等、正視に耐えない品々が所せましと並んでいました。

 あのバッハやカントを輩出した優秀なドイツ人が狂ったのです。同時に日本人もアメリカ人も狂いました。(No.825) 戦争が始まると、正義という名の狂気が世の中を席巻します。人間、本来は我が息子も持っていた「真っすぐな心」で満たされていたはずなんですけどね。


** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 他人事 かまっていては 身が持たず   (夏休み)

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