SSブログ

784. 自由と平等② [地歴公民科]

Declaration_of_the_Rights_of_Man_and_of_the_Citizen_in_1789(1).jpg
           自由と平等を謳ったフランス人権宣言のとびら絵

 前回の答です。この母親や多くの人々は、「自由=欲望の充足」と思っています。しかしカントは、食べたい時に食べ、寝たい時に寝るといった動物のような生活を「本能の奴隷になっている不自由な状態」と呼びました。本当の自由とは、「欲望を理性が上手にコントロールしている状態」だと言います。他から縛られていませんから。

 今回の場合、以下のようにすれば自由と平等は両立します。まずは最年長の長男が次のように弟達に言うべきでした。「みんな俺の提案を聞いてくれ。俺の体重60㎏、末っ子は12㎏。この体重差を考え、饅頭を5人で11、9、7、5、3個と分けたいんだけどどうだろう?」これで全員納得すればよし、「差を1個にして9、8、7、6、5個に」という意見が多数を占めたらそうするもよし。誰からも強制されず(自由)、誰も不平を言わない(平等)状態になれば、これこそ自由と平等の両立した状態です。

 カントは、生徒に実感として理解させるのが難しい思想家なのですが、何と今年初めて3年生に「カントがすごくよくわかる」と声をあげた生徒が出ました。私の方がビックリしました。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 自分の好きなものは友達に教えたいが、大好きなものは教えたくない。  (ビーム通信)

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。