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1597. 7・5調 [雑感・気づき]

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                      俳句のリズム (手書きですみません。)


「当選し 仕事終えたと 国会へ」(池田守)
 今朝の新聞に載っていた川柳です。真実っぽくて、しかも滑稽で、何とも見事な一句です。

「退院の ために求めし ベッドなり 使うことなく 夫は逝きたり」(千葉芳子)
 こちらは短歌。治って帰宅するはずだった夫の病院での死去。その暗転が胸を打ちます。

 川柳や俳句、短歌などの定型詩が、どうして私達読者を引き付けるのか考えてみました。専門家ではないのでたいそうな事は言えませんが、7・5調という形式が作者と読者を「同じ土俵」に上げるからではないでしょうか。

 7・5調は、「四分の二拍子・四小節」が基本となって、四分音符が5回・7回・5回とそれぞれ最後に休符を入れながら現れます。この心地良い5連拍、7連拍の繰り返しが、作者の「思い」に通じる読み手の無意識下の感情を引き出す気がするのです。


 「5・7・5」のゆったり型ではまどろっこしい恋愛感情は、「7・7・7・5」という休符の少ない『どどいつ』がびったりです。
「恋に焦がれて 鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が 身を焦がす」(山家鳥虫歌)

 与謝野晶子の詩「君死にたまふことなかれ」も、7・5調で畳みかけるように反戦を訴えます。

 自由に書きたい気持ちを抑え、既定の形式に文字をはめ切った時、人に伝わるものが生まれるように思えます。この姿勢は、文芸だけでなく日常の様々な場面にも当てはまりそうです。


〇「君死にたまふことなかれ」の音読
https://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005310132_00000

** 高校生のコトバ **************************

名言 :  人一倍、決して倍にはなっちゃいない。  (T.S.)

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