1177. 「万引き家族」 [雑感・気づき]
それぞれが訳ありの過去を抱えている「家族」の所に、ある日虐待を受けた少女が加わります。社会的には問題な一家であっても、一人一人は細やかな愛情で結ばれていました。しかしある事件がきっかけで、それぞれは再びバラバラになって行きます。
シリアスな内容なのに暗くならず、笑いがなくても飽きさせない。この映画作りのテクニックに感心しました。そのテクニックの一つには、背景を昭和のような街並みと室内風景にした事があります。高齢者はノスタルジックな世界に浸れます。二つ目は、万引きを見つけた店主が、お兄ちゃんに棒ゼリーを二本渡して「もう妹には万引きさせるなよ」と諭す場面など、全編に優しさが満ちている事です。そして何よりもキャストの見事な演技力です。怒鳴ったり高笑いしたりするNHK大河ドラマと違い、まるでアドリブのように自然体で会話が進んでいました。
ハッピーエンドではないのですが、心地良い後味の残る秀作でした。この終わり方に、私は高校時代に見た「ルート66」という米国のテレビドラマを思い出しました。
** 高校生のコトバ **************************
川柳 : 夏休み 授業はないが 暇もない (ドナルド)