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1880. 言葉 [地歴公民科]

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                        ソシュール (Wikipediaより)

 私は「ホッケ」という魚の名前がなかなか覚えられません。食べるたびに、「ボラじゃなくて、オコゼでもなくて…」と、思い出すのに苦労しています。フロイト派からは、私の深層心理には法華経に対する嫌悪感があると言われそうですが、決してそんな事はありません。「全ての人間は平等に成仏できる」と説く法華経は、今年読みたい本の筆頭ですから。

 言葉が人間の認識を規定すると説いたのはスイスの言語学者ソシュールでした。日本人が「ごはん、米、稲」と区別している三つを、欧米人は「ライス」の一言で表現します。この三つは肉食中心の彼らには同じものと認識されているからです。一方私達が「牛肉」と言っているものを、彼らは「リブロース、サーロイン、ランブ」などと細かく区別しています。こちらも同じ理由からです。虹の色は、私達には7色ですがドイツ人には5色です。「人は、連続した現実を名前をつける事で切り分ける」と、ソシュールは言っています。

 こう考えると、「ホッケ」という言葉を思い出せない私は、ホッケ抜きの世の中を考えている事になります。もしも思い浮かばない言葉がホッケより重要なものであれば、私の考えも歪んでいるに違いありません。考えてみると怖い事です。残りの人生は、英会話を学んで仙台市の観光ガイドでもやれたらと思っていた私ですが、英単語も偏りなく覚えていかないと大変な事になりそうで、少し緊張しています。

** 高校生のコトバ **********************

狂歌 : 大掃除 昔の文集 見つけだし つい読みふけって 日が暮れてゆく (A)

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