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1583. 安楽死 [地歴公民科]

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                         手と手 (フリー画像より)

 2002年、オランダで安楽死が合法化されました。2016年、70歳の女性がアルツハイマー症と診断されました。彼女は、「自分が介護施設に入る前に安楽死を望む」と文書を書きました。ただし、「正気の状態で適切な時期だと思った時に、死ぬ時期を決められるようにしたい」とも付け加えました。

 4年後、二人の医師が、彼女の申し出に基づき自殺ほう助を行うべきと判断しました。その日、患者は激しく抵抗し、注射が終わるまで娘と夫は体を押さえつけなければなりませんでした。そして彼女は亡くなりました。

 その後、医師は「患者と十分話し合いをせずに自殺ほう助を行った」として起訴されました。
検察官は、「実刑は求めないが、認知症患者に安楽死法がどのように適用されるかを明らかにしたい」と述べました。一方患者の娘は医師に感謝をしていました。2020年4月、最高裁は医師に無罪の判決を下しました。

 職務で人一人の命を絶った事で裁判にまでかけられた医師の心労は大変なものだったろうと推測します。認知症患者の正常な判断ができていた時の意思は、その後どこまで尊重すべきでしょうか。

 認知症がだいぶ進んだ母は、正常な頃の言葉などすっかり忘れて生きています。だから、正常な判断ができてる内は、
「あなたの希望通りにしてあげるから心配しないで」
と安心させ、その後の生死は天に任せるのが一番いいと私は思うのですが…。


〇この内容を報じるBBCの記事
https://www.bbc.com/japanese/52378136

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 人は時間を気にするが、時間は人を気にしない。 (T.H.)

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