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1242. 視線の力 [教育の話題]



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                                            サルの「毛づくろい」


 NHKの「“目”、物も心も見抜くセンサー」を見ました。馬などの目は黒目が大きく白目はほとんど見えません。白目が多いとキョロキョロした黒目を天敵に見抜かれ、簡単に攻撃されるからだそうです。人間は白目が最も広い動物ですが、その理由を以下のように説明していました。


 サルは集団を維持する方法として「毛づくろい」をします。これは親和性の表現行為ですが、一度に一体しかできず時間がかかります。ところがヒトは「毛づくろい」に変わる親和性の表現行為として、目と目を見つめ合えるようになりました。そのため、相対的に黒目が小さくなったのです。これが集団内の無用な争いを抑えていると言います。


 この原理をうまく利用したのがオバマ大統領でした。22分間の就任演説中、彼は右を64回、左を62回見ました。しかも、視線を向けた方をしっかり見てからスピーチを始めます。聴衆は自分が話しかけられているような錯覚に陥ります。彼は、ヒトの持つ「親和欲求」を引き出しながら話していたのです。


 これは勉強になりました。授業中、私は話しながら黒板から生徒の方に視線を移動する事がよくあります。これをやめて、生徒に正対してから話し出せば、生徒の親和欲求の高まる良い授業になりそうなのです。確かに歌舞伎や落語など日本の伝統芸能も、見せ所聞かせ所はその「間」にあります。話を始めたくなる一瞬、あえて生徒の方を見る忍耐力をつけていこうと思いました。


** 高校生のコトバ **************************


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