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1059. 医学の「進歩」 [地歴公民科]

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                            日本人の死因の変遷

 今回は少々重い話です。日本人の三大死因は「ガン、心臓病、脳疾患」と言われてきました。私の年代(65~69歳)ではこの三つで7割を占めています。中でもガンの死亡率が年々高くなってきていますが、これは寿命が延びたためと他の病気で死ななくなったためです。

 ところが近年、「オプジーボ」(No.686)のようなガンの特効薬が開発されました。また脳疾患や心臓病もガンマナイフや再生医療といった新しい技術が発見され、死亡率が下がってきています。その内これら三つは怖い病気じゃなくなるかも知れません。もし日本人の多くが予防と治療の進歩で20歳代の健康な体を手に入れたら、死因のトップは何になると思いますか?下の表を見ると「自殺」です。

 先週、三年生の倫理で「人間には死を選ぶ権利があるか」という討論会を行ったところ、「ない」と考えた人は4人だけでした。安楽死も容認派が多数で、この表と通じるものを感じます。

 結局、医学が「進歩」したためにこんな難問が出てきました。私は、痛みのケアさえしてもらえれば、自然死(尊厳死)が一番です。指針もなく一人歩きしている医学の「進歩」をどうするか、これは大きな問題ですね。私は、人間の煩悩をいたずらに刺激する医療の開発はやめるべきだと感じます。皆さんはどう思いますか?

〇日本人の死因トップ5 (厚生省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth8.html

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 受験生 響きがなんか 良いかもね   (龍)

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