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911. 朝日訴訟 [地歴公民科]

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                ありし日の朝日茂氏

 1957年、結核だった朝日茂氏は生活保護費月額600円をもらって療養していました。治療費は国の負担です。ある日兄が毎月1500円を送ってくれる事になりました。すると国は600円の生活保護費を打ち切り、さらに医療費として900円をその1500円から徴収したのです。朝日氏の収入は月額600円に戻りました。彼はこの厚生大臣の措置を不服として裁判に訴え一審は勝訴しましたが、二審で敗訴、そして三審の最中に亡くなってしまったのです。結局敗訴でした。これが有名な朝日訴訟です。

 誰が考えても、月額600円 (肌着は2年で1着、パンツは1年で1着といった大変に厳しい基準) の朝日氏は本当にお気の毒です。それは女性の中山マサ厚生大臣も絶対に感じていたはずです。しかし当時は結核患者が400万人以上いた上に (今は14万人弱)、傷痍軍人も多数いたのです。一方国民総生産は戦前の水準を回復したばかり。一人一人に手厚く支給していたら国家財政は破綻してしまいます。おそらく厚生大臣は全てを知った上で、自分が「憎まれ役」となって600円を死守したのだと思います。本音を出せない政治家という職業は本当に大変ですね。このお二人の真剣な戦いのお陰で、その後の生活保護費は大きく増額されました。

** 高校生のコトバ **************************

狂歌 : 母病気 辛いのガマンし 母笑顔 だから私も 無理して笑顔  (ふんわりぽん)

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