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1164. 反ユダヤ感情 [宗教的感覚]

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                       ユダヤ教の教会(シナゴーグ)の内部

 カントを生み出した思慮深いドイツ人が、なぜ600万人ものユダヤ人を殺せたのか、その理由を見た気がしました。昨日の聖書講読会で隣人愛を説くパウロの「ガラテヤの信徒への手紙」を読んだ時のことです。

 1世紀前半、熱心なユダヤ教徒のパウロは、異端と見られていたキリスト教徒を厳しく迫害していました。しかしある日、「復活した」イエスの言葉を聞き、回心して熱心なキリスト教徒となりました。以後彼は、ローマ帝国内で精力的に布教を行い、皇帝ネロによって殺されました。

 その彼が、ガラテヤ地方(トルコ)の弟子達に書いた手紙が「ガラテヤの信徒への手紙」なのですが、その冒頭に「私達の話す内容に反する内容を信じる者は呪われるがよい」と二度にわたって書かれているのです。自身の前半生への自己批判や自己嫌悪の感情が色濃く出たものと思われます。以後、ヨーロッパのキリスト教徒にとって、ユダヤ教徒は神から「呪われるべき」存在となりました。

 これが二千年近く伝えられてきたのですから、その感情は一部の日本人に見られる嫌韓感情をはるかに超えるものと思います。そこをうまく突いたのがヒトラーで、人々は易々と彼の言葉に乗せられてしまいました。反ユダヤ感情の根は深いと感じます。

 今私は、敬虔なユダヤ教徒の考え方も、ぜひ聞かせてもらいたいと考えています。

** 高校生のコトバ **************************

狂歌 : 母を見て 買い物かごを 持ちたれば 肩にずしりと 苦労の重さ  (バルカン)

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