237. 快楽 [地歴公民科]
川柳 : 期待して 鞄持たない 彼側の手 (Key)
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快楽
「満足した豚より不満足な人間の方がよく、 満足した愚か者より不満足なソクラテスの方がよい。」
英国の功利主義の哲学者J.S.ミルの言葉です。 功利主義とは、 「人々の快楽を増大させる行為が善い行為」 という立場の哲学です。 彼は快楽に質的な差を認め、 人は質的に高い快楽を求めるべきと説きます。 飲む、 寝る、 喰うといった動物レベルの身体的快楽よりも、 芸術活動のような人間独自の精神的快楽の方が上だと言います。
ところで、 食べて寝るだけで十分満足している人に、 精神的快楽まで目を向けさせる事は可能でしょうか? 私はここに、 「もったいない」 の感覚が必要だと思っているのです。 身体的快楽は、 器としての身体作りには不可欠ですが、 「器だけ作って、 中に何も入れずに終わったらもったいなくない?」 と思ってしまうのです。 そこ入れるべき中身が精神的快楽であり、 そうやって私達は、 自分の人生を二倍にも三倍にも楽しむべきなのではないでしょうか。