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1882. 言葉探し [学校生活から]

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                          放射線治療の医療機器

 今日年度初めの職員会議がありました。着任した再就職の老先生が、私と15年前に同僚だった先生が、癌で声帯を摘出したと話してくれました。教員は足腰が立たなくなっても松葉づえや車イスで授業はできますが、声が出なくなったらお手上げです。彼は教職を去ったそうです。離任式でのお話は手術直前だったので絞り出すように話されていて、見送る生徒達はすすり泣いていたそうです。お見舞いに行かねばという気持ちにはなりましたが、実は回復の見込みがない患者さんへのお見舞いは、本当に大変です。言葉に詰まってしまうのです。

 かつて別な学校の先生が脳腫瘍にかかりました。手術のできない場所なので抗がん剤や放射線で治療を試みたのですが効果が現れず、退職するらしいという話が聞こえてきました。私はお見舞いに行ったのですが、その日はこれが最大で最後という放射線照射を行った直後でした。個室のベッドから静かに私を迎えた先生は、弱々しい声で、「私の机の中の物は全て処分して下さい。」とおっしゃいました。私は言葉が見つからず、困りました。「がんばって下さい」も白々しいし、「きっと天国に行けますよ」は失礼な気がするし…。病室を出る時、目と目を見合わせて「どうかお大事に」程度しか思いつきませんでした。

 相手の身になって発言せよとはよく言われますが、想像力が追いつかない位辛そうな相手にどんな言葉をかけるかは、本当に難しい問題です。

** 高校生のコトバ **************************

名言:  地方の方言しゃべってよと言われると、よけいしゃべれない。 (M.T.)


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