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1920. 性(さが) [宗教的感覚]

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                ミケランジェロの『楽園追放』(ウィキペディアより)

 キリスト教は、人は生まれながらに「原罪」という罪を持っていると教えますが、この原罪とは何なのでしょうか。旧約聖書の創世記に次のような話が載っています。

 神によって作られた最初の人間アダムは、神から
「エデンの園のどの木の実も食べてよいが、知識の木の実は食べてはならない」
と言われます。その後、女イブが作られ二人で暮らし始めました。ある時最も賢い動物の蛇がやって来て、
「知識の木の実を食べると神のように善悪を知る者となる」
と、二人にそれを食べるようそそのかしました。賢くなりたい二人はそれを食べてしまいました。そこにやって来た神は事情を察し、問いただします。アダムは、
「イブがよこしたので食べた」
と言い、イブは、
「蛇が騙したので食べた」
と答えました。神は怒って、蛇を地を這う姿に変えました。次に
「人は我々のように善悪を知る者となった」
と言って、二人をエデンの園から追放しました。

 ここで「原罪」として語られている人間の欠点は一体何でしょうか?
・神の言いつけに背いた事。
・二人とも自分の行動の責任を他人に転嫁した事。
・神のように賢くなろうとした事。

 私は神の言葉から、この三番目が相当すると考えます。創造主たる神と被造物の人間との間には絶対的な断絶があり、人間は神の意図を知る事は出来ません。しかし神になりたがる人間は、神の「善悪の基準」とは別の「善悪の基準」を日々作りつつあります。今後どう進むか分からないAI兵器、遺伝子操作、原子力発電、ChatGPT…。確かに「原罪」は人間の恐ろしい性(さが)と言えそうです。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 :  ネコはみな エサの時だけ 愛想よし  (さくまくん)

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tyuuri

 小説『氷点』を書かれた三浦綾子さんは、原罪のことを「的外れな生き方」と話しています。
 これではよく分からないので、森下辰衛さんの解説によると、
(プロフィール 1962年岡山県生。元福岡女学院大学助教授。)
「原罪とは神の方を向こうとしない人間の性質のことで、そこに根本的な ”的はずれ” があると三浦綾子は語る。愛の源である神に背を向けるとき、愛し愛されなければ生きていけない存在である人間は、壊れてしまう。」
 私は仏教の教えで生きてきたので、この解釈には理解できないところがありますが、キリスト教的には、この解釈も妥当なものなのでしょう。
by tyuuri (2023-08-27 18:47) 

サボテン

tyuuri様、
 三浦綾子さんも森下辰衛さんも、しっかり見抜いていらっしゃるなあと感じます。私達の人生は大小さまざまな奇蹟の上に成り立っていますが、それを神からの愛と素直に受け止められる人は幸せだと思います。その愛に応えるべく、人を愛する意欲が湧きますから。愛の連鎖の中に花開く人生こそ最高に幸せな生き方と感じます。
 一方そう捉えられない人は、日々不安なので証拠を求めて神を試したがります。祈る際には色々願ってその成否に一喜一憂します。このような人に、イエスは「主を試してはならない」(マタイ4-7)と戒めています。神を実感している人の祈りは「みこころのままに」です。早くこんな境地に至りたいと願っている私です。
 コメントありがとうございます。
by サボテン (2023-08-27 22:31) 

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