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1914. 勇気 [地歴公民科]

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                          知らぬが仏 (フリー画像より)

 1832年に亡くなったイギリスの哲学者ベンサムは、自分の遺体を学生たちの医学用教材に使用するよう遺言を残しました。死後三日目に彼の遺体は学生たちの研究のため解剖されました。自分の生身の体を、自分が教えていた学生達にさらす事自体、大変勇気ある決断だと思います。私は恥ずかしくてとてもできません。

 慶応大学の富田勝教授は、学生たちの教材にと自分の全遺伝子情報を公開しました。究極の極秘情報であるゲノムを公開するという事は、どんなリスクを背負う事になるのか考えてみました。私は怖くてとてもできません。

 その情報を元に各研究分野の科学者が研究を進めれば、遺伝病の種類や発症時期も読めてきます。生命保険会社から受付拒否を受けるかもしれません。子供達やお孫さんの結婚にも影響が出る可能性があります。何より、先生ご自身の死ぬ時期も正確に読み取られる可能性があります。そうなると、誕生日もかなり辛いものになりそうです。富田先生の勇気にはただただ脱帽です。

 「知らぬが仏、言わぬが花」
 私は何も知らないで死にたいと思っています。だからゲノム情報を教えると言われても、お断りします。

** 高校生のコトパ *************************

名言 : 歌いたがる人に限って音痴。 (S.S.)

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SGW

東野圭吾の「プラチナデータ」という小説は、全国民の遺伝子情報を政府が把握することで、犯罪現場の残された犯人の遺留品をDNA鑑定してすぐに犯人が逮捕されるという話でした。遺伝子情報は究極の個人情報ですが、現在のところ、他人の遺伝子情報を悪用することって難しいのではないかと思っています。
by SGW (2023-08-15 08:58) 

サボテン

SGW様、
 「プラチナデータ」の情報ありがとうございます。遺伝子情報を利用して犯人を特定していくという発想は面白いと感じました。その通りだろうと思います。ただそのデータが持ち主の知らない所で解析され、裏情報として取引きされたら大変だと思うのです。例えば、当人の遺伝性疾患の発生率が高い事を理由に生命保険会社が受け付けを拒否する場合などが考えられます。という事で、悪用と言えるかどうかは分かりませんが、本人の受ける不利益が極めて大きいと感じるのです。
 コメントありがとうございました。
by サボテン (2023-08-15 15:16) 

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