SSブログ

1899. コンプレックス [思い出話]

 
Hayao_Kawai.jpg
                    心理学者 河合隼雄氏 (ウィキペディアより)

 キャッチボールの下手な生徒が試合で球を受けそこね、「送球悪いぞー」などと怒鳴っているのを見ると、彼が捕球コンプレックスを必死に隠そうとしているのを感じてしまいます。むしろその事実を隠さず、「俺、ボール捕るのが下手なので今回は応援に回るから」と言った方が人間的に大きく見えます。身体的欠陥や技能の低さと当人の人格は全く別物なのですが、人はともするとそれを混同して友人との間に垣根を築いてしまいます。

 心理学者の河合隼雄氏は、コンプレックスについて次のように書いています。
 「劣等感は、何か劣っている事そのものに原因があるのではなく、その劣っている事が自己を傷つけるものと感じ、それを他人の目から隠そうとする逃避的な意識から生まれる。」
まさに見抜いていると感じます。

 30年ほど前、勤務校に髪の毛の全くない女子生徒が入学してきました。はじめ私達は放射線治療中かと気を遣いましたが、実は生まれつきの体質でした。ボランティア活動で校外に出る事もありましたが、彼女はかつらをかぶる事もせず三年間堂々とその姿で学校生活を送りました。確かに彼女は目立っていました。しかし本人は無毛という事実が自分自身を傷つけるとは全く思っていないようでした。ご両親の教育のすばらしさを感じたものです。あたりの視線を全く気にせずごくごく普通に生活する彼女は、他の生徒達や私達教員に立派な生き方の一つのモデルを示してくれました。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 二個欲しいものは、一個しか売ってない。   (名無し)

nice!(75)  コメント(0) 

nice! 75

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

1898. 難問1900. 分断 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。