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1801. 平等 [学校生活から]

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                              平等 (フリー画像より)

 日本国憲法を読むと、「国民は」で始まる条文と「何人も」で始まる条文に分かれている事に気づきます。

 平等権を示す14条は、
「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない。」
ですが、職業選択の自由を示す22条は
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」
となっています。

 一見、差別の禁止は日本国民の間だけのように見えます。しかし1978年の最高裁判決は、「憲法の基本的人権の保障は、我が国に在留する外国人にも及ぶ」としました。世界人権宣言の精神から言っても当然です。

 教室にも韓国籍や中国籍の生徒がいます。日本で生まれ、日本のマスコミや友人に囲まれ、幼小中と日本の学校で育ってきた彼女達には、自分と日本人の区別は全くありません。しかし将来の夢を語る時、彼女達の目は曇ります。日本の法律が壁を作っているからです。文科省は、在日外国人は「教諭」ではなく「常勤講師」として採用せよとの通達を出しています。優秀な成績で大学を出ても、小中高校の「教諭」にはなれないのです。差別の根絶をめざす学校で、教員の採用に差別がある事に大きな矛盾を感じます。

 本人の責任の無い所で悲しい思いをする人をなくすためにも、私は国内で生まれ育った永住在日外国人の権利はもっと拡大すべきと考えます。

** 高校生のコトバ ***************************

川柳 : 今の子は 本心隠すの うますぎる  (名無しの権兵衛)

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Enrique

経歴での給与の差別もあります。
かつて,10年の民間経験で公立高校の教諭にはなりましたが,10年分の民間経験は最高に評価されても8年にしか考慮されず(最低は5年),しかも新卒で10年勤めた人は10年目で2年間割り増し評価なので,都合4年分のハンディがつきました。2年で辞めましたが。
by Enrique (2022-12-24 07:10) 

tyuuri

 在日外国人が公立校の教諭になれないとは、始めて知りました。採用試験の要項を見てもそのような記載は見当たりません。
 調べると、「公立校の正規教員については1991年、当時の文部省が外国籍者に全国で採用の門戸を開くよう通知した。大きな前進のように見えたが、同時に差別的な待遇を固定化する内容も盛り込まれていた。通知では、外国籍教員の管理職への任用を認めず、「期限を付さない常勤講師」の地位にとどめて日本人の「教諭」と区別するよう求めたのだ。(毎日新聞、2022/8/22)
 例えば英語を母語とする在日外国人でも、日本語も話せるバイリンガルの方はたくさんいらっしゃいます。大学で勉強して教職課程をとり、教員免許状を持つ方が、どうして正規採用されないのか、理解に苦しみます。このような差別は直ちに止めるべきだと思います。
by tyuuri (2022-12-24 16:13) 

サボテン

Enrique様、
 文科省は来春から教員採用試験を4月に行い、良い人材を確保しようとしているという話ですが、順風満帆に大学や大学院を出た人が必ずしも教壇でうまく教えられるとは限りません。私の経験で言えば、一回他の職種を経験した人の方が生徒達への接し方は上手な気がします。適・不適、向き・不向き、人それぞれで一言では言えませんが、文科省は社会経験を積んだ人をもっと教壇に送り込めるような工夫を考えた方がいいと思います。
 コメントありがとうございます。
by サボテン (2022-12-26 00:25) 

サボテン

tyuuri様、
 本当にそう思います。一年契約のALTの先生を雇うより、バイリンガルの先生が教諭として責任もって長期で指導する方が効果は大きいはずです。よく毎日新聞の記事を見つけてくれました。今学んでいる外国籍の生徒達のためにも、声を上げていきたいと思っています。
 コメントありがとうございました。
by サボテン (2022-12-26 00:30) 

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