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1333. 真剣さ [ニュースより]

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                                       テラスハウスの一コマ

 「テラスハウス」に出演していた木村花さん(22)が亡くなりました。自死でした。彼女を死に追い詰めたのは大量の中傷の書き込みでした。私は、書き込み以上に問題なのが、それを断じているテレビ業界だと思っています。

 この番組は、6名の男女が共同生活の中で自分の気持ちを正直にぶつけ合うものです。この手の恋愛告白番組は「ねるとん紅鯨団」など昔からありました。売りは出演者の「真剣さ」です。「テラスハウス」も台本が無いそうです。編集者が大量の撮り貯めた映像から無駄なシーンをカットし、エンターテイメント性を高めていきます。出演者の個性が強く出た箇所だけをつなぎ合わせれば、実像の何倍ものヒールやロマンチストが出現します。大半の普通の会話が消えるのですから、視聴者がミスリードされるのも当然です。

 恋愛とは二人だけで真剣に、時間をかけて高めていくべきものです。第三者の目を意識しながらテレビカメラの前で成就できるものではありません。自分の中でギャラ、恋愛、出世等様々な思惑が交錯している内に、実像とかけ離れた自分が全国に拡散していく状況を、出演者の皆さんはどう感じていたでしょうか。

 「はじめてのお使い」や「どっきりカメラ」など、人間の「真剣さ」を娯楽の対象にしてしまうテレビ業界の姿勢こそ問題だと思っています。 花さんのご冥福をお祈り致します。

○木村花さんについてのWikipediaの記事
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E6%9D%91%E8%8A%B1

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 寝てるのに テレビを消すと おこられる  (A)

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いっぷく

「笑い」に限らず、小説、演劇、ジャーナリズム、そして科学などすべて、価値を創出することは決してきれいごとではなく、俗悪やインモラルと紙一重です。
モラルとの衝突をきれいに避ける「健全」なことばかり考えていたら、現在の価値の枠内での文化にとどまり、新しいものはうまれません。
当該番組がそもそも企画として笑えるかどうかはともかくとして、いかなる表現活動であれ、頭から否定することは憲法違反です。もちろん明確に刑事罰に触れるようなものは看過できませんが、それはあくまで表現の自由を前提とした上で、現民法や刑法に抵触する部分だけが問われるべきです。そしてモラルとの衝突はメディア自体に自助努力を問わせるものだと思います。
それに、ネットの叩きは当該番組に対してだけに限ったことではありませんから、やはり誹謗中傷それ自体から目をそらすべきではないと思います。
by いっぷく (2020-05-31 22:01) 

サボテン

いっぷく様、
 その通りだと思います。「健全な」常識に満足できない鋭い感覚の持ち主が時代の固い殻に風穴を開けるからこそ、一般の人々も新たな価値観に気づく事ができます。芸術に限らず科学技術も、与えられた感覚や能力に満足できない意欲的な人々の大変な努力によって進歩してきました。どちらもその試行錯誤の過程では、社会から様々な誹謗中傷を受けてきました。そのせめぎ合いの中で、いわば「三歩前進、二歩後退」の繰り返しで文明はここまで進んで来たと感じます。ただこの進歩が、人類の進化なのか退化なのかは不明です。私は、生きる事に「昔より不安が減った」と感じられる人は、進化したと自認していいと思っています。昔は盲腸でも亡くなっていたのですから。
 コメントありがとうございました。
by サボテン (2020-06-01 12:39) 

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