1262. ふるさと納税

        　　              川崎市の税収不足を訴える中づり広告

　昨年の暮れ、税務署で一恥かいてしまいました。つい「いくら取られるんですか？」と聞いてしまったのです。もちろん税務官は笑顔で説明してくれましたが、税金は「取られるもの」ではなく「出し合う」ものなんですよね。

　茨城県県筑西市はおせち料理をふるさと納税の返礼品にしていましたが、今年358件の納税者が元旦に料理を手にできませんでした。皆さんカンカンです。以前も論じましたが(No.728)、今やこの制度は「税収不足の地域振興」という目的とはかけ離れた「豪華な返礼品」を通した節税対策になっているようです。

　還元率を調べると、福岡県那珂川市の「めんたいこ」は98％、岡山県和気町の温泉ペア宿泊券は92％が戻ります。その分納税者の住む自治体には税金が入りません。このあおりで税収を56億円も減らしたのが神奈川県川崎市。実態を知らせようと、電車に中づり広告を出しました。さらに同市は、川崎フロンターレの選手サイン入りユニホームの返礼品で他自治体住民からのふるさと納税寄付金を狙い始めたとか。

　日本中こんな返礼品合戦が始まったら、結局トータルで税収不足になるのは明らかです。地方自治体の自助努力も善意の寄付も大事ですが、ここは国がきちんと基準を設けて、全ての国民が同じ住民サービスを受けられるような新しい地方交付税政策を講ずるべきではないでしょうか。

〇届かなかったおせち料理の記事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200102-00000019-asahi-soci

〇川崎市の56億円減収の記事
https://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201911/CK2019111402000144.html

**　高校生のコトバ　**************************

狂歌 : 耳にタコ　悪気なしの　友の声　「痩せたらかわいい」　はいはいはいはい (恋をしたい女子)