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365. お陰さま [宗教的感覚]

お陰さま
 先日、 愛知専門尼僧堂の堂長の青山俊薫氏の素晴らしいご講演を聞く機会がありました。

 「人生には予定外の出来事が入って来る。 同じ出来事でも、 考え方一つでその後の人生は正反対になる。 私が京都の妙心寺から講演を頼まれた時の事、 行きのタクシーの運転手さんが次のようなお話をしてくれた。

 『私は高三の三学期に両親をフグの毒で一度に亡くした。 残されたのは5歳の妹一人。 借金こそ無かったが蓄えは全く無かった。 葬式は親類の者が出してくれた。 私達二人は借家を追い出され、 最低限の荷物を持って6畳一間の安いアパートに引っ越した。 幸い職は決まっていた。 何としてでも妹を育てなければならない。 私は朝は新聞配達、 昼は仕事、 夜はアルバイトと無我夢中で働き、 22~3歳の頃には安いアパートを買う程の金はできた。 申し訳ないが妹には食卓と勉強机を兼ねてもらい、 食事や洗濯もしてもらった。 妹は整理整頓がよく出来、 今は立派なお宅にご縁を得て、 いつもきちんと整頓している。

 もし両親が金を残してくれたら今の私はなかったと思う。 幼い妹がいなければ寂しくてグレていたと思う。 私は本気にならざるを得なかった。 私を本気にさせて一人前の男にしてくれたのは、 両親が死んでくれたお陰、 金を残してくれなかったお陰、 幼い妹をつけてくれたお陰、 家主が追い出してくれたお陰。 毎日感謝のお線香を両親の位牌にあげている。ただ妹が花嫁衣装を着けた時だけは泣けた。この姿を両親に見せたかった。今私が一つだけ願う事は、私の子どもが一人前になるまでは、どうかこの命留めおいて下さい、と。』
 たった20分程の乗車だったが、今までのどんな方の話よりも良かった。」

 どんな出来事も、 「~のお陰で」とプラスに受け止められる人になりたいものですね。

 


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