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130. 一酸化炭素中毒 [思い出話]

川柳 : 追試験 筆記用具かくして 場所向かう  (KK.)

一酸化炭素中毒
 高校一年の冬、 私は火鉢の豆炭による一酸化炭素中毒で死にかけました。 今回は、 その時の体験をご紹介します。

 明け方、 私は全身がまるで敷布団に吸いつけられたように動けなくなりました。 指一本動かせないのです。 目も開かず、 大きく開いた口からはガーガーと大きな呼吸音が聞こえます。 やがて妹が鞄を取りに部屋に入ってきて私の様子に気づき、 両親を呼びました。 駆けつけた父が、 耳元で大声で 「お兄ちゃん、 聞こえるかー!」 と叫んでいます。 これらの全てを私は聞こえているのですが、 舌も唇もまぶたも全然動かせないので返事ができません。 父は、 「もう意識が無い。 窓開けろ。 医者を呼べ。」 と母や妹に指示しています。 やがてお医者さんがやって来て注射を打って下さり、 私は助かりました。しかしその後5~6年間、私は抽象的思考や記憶がしづらい辛い時期が続きました。 

 この時に再び命を頂けた事、今でも家族とお医者さんに心から感謝しています。 それにしても、 火事場でこんな状態になったら本当に怖い事でしょうね。 皆さん、 火の取り扱いには十分気をつけて下さい。


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tyuuri

 過去記事を追ってここに来ました。
 一酸化中毒ではありませんが、私も似たような経験があります。
 それは、5時間に及ぶ腹部大動脈瘤破裂の手術(人工血管置換手術)後、麻酔がなかなか覚めなくて、手足を動かすことも、まぶたを開けることすらも出来ないのです。しかし、耳だけは聞こえるんですね。看護師さんらが、「まだ麻酔覚めないのかな、でも耳は聞こえ始めるって」とか話をしているのは聞こえて理解しているのです。どう意思を伝えたら良いのか、本当に焦りました。幸い、時間が経てば麻酔は覚めましたが、人が死を迎えるときにも、同じように体のどこも動かすことが出来なくとも、最後まで耳だけは聞こえているのかもしれない、と思いました。
by tyuuri (2022-04-23 07:24) 

サボテン

tyuuri様、
 貴重な体験談ありがとうございました。体あっての意識交流ですよね。ものの本には、やがて脳波から脳波へ直接意識が飛ばせる時代が来るとありますが、そうなっても考える場としての脳はやはり体の一部として機能してもらわないと困るはずです。残り少ない人生、体だけは大切に扱っていこうと思います。
 コメントありがとうございました。

by サボテン (2022-04-23 14:49) 

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