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1127. 老い [雑感・気づき]

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                              良寛さんの言葉だそうです。

 93歳の母は、老いにも「希望」がある事を、私達に見せてくれています。

 十年程前から、母は今に近い方の記憶から消えるようになりました。例えば、彼女の父親からもらった洒落たハサミは覚えていますが、それをどこに置いたかの記憶が消えてしまうのです。思い出せないのではなく、すっかり消えるので、母の意識としては「ここに置いたあのハサミが消えた。」となり、誰かが盗ったと疑り深くなりました。当時、母は身の回りの文房具類にベタベタと名前を書いていました。

 しかしその時期を過ぎると、父親からハサミをもらった事も記憶から消え、多くの事が「初めての体験」に変化しました。いつもと同じ食事を出しても「これ初めて食べた!」と喜んでいます。毎日食べるご飯や見るテレビが、まるで旅行先の食事や景色のようなのです。

 「あれが欲しい、これが欲しい」の「あれ」や「これ」が無くなった人生は、何を与えられても嬉しいようで、まるで仏教の「無私無欲」の理想郷を生きているように見えます。さらに父や祖父母との再会を楽しみにお仏壇に手を合わせる姿を見ていると、成り行き任せに素直に老けていくのも悪くないなあと感じます。

 母にはそんな人生を大いに楽しんでもらいたいと同時に、亡くなる時はこのまま気持ち良く旅立ってもらいたいと願ってます。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : なぜか階段のとこだけ早足になる。 (S)

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