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661. 「ひたすら」の怖さ [地歴公民科]

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         とどめを刺すかどうかを皇帝に尋ねる剣闘奴隷


「ひたすら」の怖さ
 世の中は、「ひたすら頑張れば良くなる」というものではありません。国のためと頑張った結果が国を亡ぼした例を、私達は世界史に見る事ができます。

 古代ローマ帝国の中小農民は優秀な重装歩兵として活躍し、帝国の領土拡大に大きく貢献しました。ところが領地が広がるにつれて、彼らの遠征も長期化していきました。その結果祖国の農地は荒れ、金持ち達に安く買いたたかれる事になってしまったのです。さらに征服地からの大量の奴隷がその農場に送り込まれ、安い農産物が流通し始めました。

 こうして落ちぶれた多くの中小農民が、ホームレス(無産市民)となってローマ市内に流れ込みました。反乱をおそれた支配層は、剣闘奴隷同士を殺し合わせる見世物と小麦の無料配給で彼らの不満をそらそうとしましたが、結局軍隊が弱体化したので相次ぐ侵入を食い止められず、395年にローマ帝国は分裂してしまいました。

 現代の遺伝子工学や人工知能等の開発も、全体を見ないでひたすら突き進んでいく内に人類全体を亡ぼしそうな気がしてなりません。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 自慢話ほど、話し出すタイミングに悩むものはない。  (銀木犀)


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