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103. いいオモチャ [思い出話]

どどいつ : まだまだ若いと はしゃいだあげく 体をこわす お母さん   (M.O.)

いいオモチャ
 学生時代、 赤魚の粕漬けを作る小さな工場でアルバイトをした事があります。 魚のさばき方など、 とても勉強になりました。 また、 「市場向けの箱詰め商品は、 最上段に良い物を置く」 といった商売の裏表も、 社長直伝で教わりました。

 社長はいずれオモチャで一旗揚げる夢を持っていました。 ある日私に言いました。
「いいオモチャってどういうものか、 わかるか?」
「お祖父さんから孫まで、 代々引き継がれるような丈夫なものじゃないですか」
「甘いんだな。」
「…?」
 社長はニヤッとして言いました。
「子どもが一番面白くなってきた頃に壊れるのがいいんだ。」
 うわっ、 これが実業家の発想なんだと、 私はびっくりしました。

私がそこをやめて数年後、 その工場はなくなっていました。


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