SSブログ

1891. ディベート [地歴公民科]

66666.jpg
                       ディベート (フリー画像より)

 1990年代、高校教育の中にもディベートが取り入れられるようになりました。ディベートの目的は、いかに相手の言質を取るか、いかに相手の自己矛盾を引き出すかであって、議論の中身を深める事はありません。この技術を身につけないと日本は諸外国に立ち遅れるという雰囲気だったので、私も授業で何度かそれを取り上げましたが、今一つのめり込めませんでした。

 先日ラジオで武田鉄矢氏が荒井裕樹氏の『まとまらない言葉を生きる』という本の紹介を熱っぽくしているのを聴いて、ハッとしました。19人が殺され26人が重軽傷を負った津久井やまゆり園事件の犯人植松聖死刑囚の犯行動機は、
「重度障がい者は社会に不要な存在だから」
というものでした。

 このニュースが伝わると、これに賛同する意見がSNS上に散見されるようになり、著者はこの言葉で社会が汚されたと言います。
「障がい者に生きる意味があるというなら、それをお前が言ってみろ」
と言うわけです。ディベートは答えられないと負けになってしまいます。

 しかし荒井氏は、そもそもその「問い」が間違っていると言います。生きる意味は本人が決める事であって、他人から問われるものではないと。私は「よく言った!」と喝采しました。ディベートは問い自体を問わない所が問題なのです。皆さん、ディベート力を高めるのもいいですが、是非この限界も知った上で練習していって下さい。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 「怒っているんじゃない!」というのは、怒っている時である。 (N.T.)

nice!(80)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

nice! 80

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

1890. UFO?1892. チャンス ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。