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1584. 弁護士 [地歴公民科]

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                       仙台地方裁判所 (Wikipediaより)

 10年前まで、何回か生徒達と一緒に仙台地裁に傍聴に行きました。当時の検察官は風呂敷に資料を包んで法廷に現れ、机上でおもむろにそれをほどいて審理に臨んでいました。一方弁護士は、モダンな鞄に書類を入れて身軽に入廷していました。キレッキレの弁護士のかっこ良さに認識を新たにした事もありました。

 この弁護士、検察官、裁判官の法曹三者は、職に就くまでのプロセスは全く同じです。法科大学院に3年間 (法学部卒の人は2年間) 通うか、予備試験を受けて司法試験を受験します。合格したら1年間の司法修習を受け、終了試験に合格すると法曹資格が得られます。この時、弁護士、検察官、裁判官のいずれになるかを選択します。裁判官と検察官は国家公務員ですが、弁護士は個人事業主です。

 近年この弁護士間の所得格差が大きくなったのが問題になっています。理由は、年間3000人の司法試験合格者をめざした司法制度改革の影響で弁護士が増えた事と、景気低迷の影響で訴訟件数が減ったためです。政府はこの数値目標を撤廃しました。

 ちなみに2020年の弁護士の平均所得は1119万円ですが、中央値は700万円です。それでも、日本人の平均所得が433万円ですから、高いと言えば高いですけどね。弁護士には、依頼者の気持ちに最後まで添い続ける忍耐強さが必要です。めざしている人は、是非頑張って下さい。


** 高校生のコトバ **************************

名言 :  「何かいいことないかなあ」、言ってるうちは何もない。 (H.N.)

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tyuuri

 今から20年ほど前に、キャンピングトレーラーをマイカーで牽引して九州までの家族旅行中に、神戸で、追い越し禁止区域の高速道路上で、後方から追突され、結果として、トレーラーは全損、車は代車で暫く過ごしました。保険会社との話し合いは不調で、ある日突然、「債務不存在確認請求訴訟」を起こされ、自分が被告になりました。
 相手の弁護士曰く、「車の車検証上の所有者はマ○ダであるので、あなたへの支払いは0円です」。
 当時は、北海道では、車の買い換えの際に中古車で売るときの時の面倒さもあって、車検証上での所有者をディーラーにしておくことが多かったのです。
 0:10の被害者であるのに、相手の弁護士は、相手の利益しか考えない。(相手側の損保の利益ですね。)弁護士とはなんともろくでもない仕事だと思いました。
 https://tyuuri.blog.ss-blog.jp/2008-01-13
by tyuuri (2023-06-13 18:50) 

サボテン

tyuuri様、
 それはまた大変な災難に遭われましたね。事故の被害者でありながら見知らぬ土地の民事裁判の被告になられたとは…。本当にお疲れ様でした。お気持ちはよく分かります。確かに弁護士の中には、「あなた方は心の底からそう思って弁護してるのですか?お金のために良心を売ってませんか?」と疑いたくなるような弁護活動をしている人もいますね。しかし私は、そんなソフィストのような人達ばかりではないと信じたいのです。今の訴訟社会にあってはなくてはならない職業なので、彼らには自らの感受性を鋭敏に研ぎ澄まし、誰に対しても恥じる事の無い活動に徹してもらいたいと思います。
 コメントありがとうございました。
by サボテン (2023-06-13 21:44) 

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