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1806. どん底 [学校生活から]

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                            東日本大震災

 東日本大震災で被災した叔母から、年賀状代わりの電話が入りました。彼女は夫と家を失い、集合住宅に一人で住んでいます。「私も色々あったのよ。でも今が本当に幸せ。」としみじみ語っていました。どん底を味わったから見られる幸せがきっとあると感じました。一回どん底まで落ちれば、その後の人生は軽くなるだろうと分かっていても、誰もそこに落ちたいとは思いません。ここに「天災」の深い意味がある気がします。

 以前、超一流国立大学の大学院を出た先生が赴任してきました。人の悪口は言わず、頼まれた仕事はコツコツ真面目にこなす良い人でした。しかし自分自身を他人の前にさらす事を極端に嫌がり、授業は教科書と黒板を見て一方的にしゃべるだけでした。やがて生徒達から反感を買い、学校生活の全てがうまくいかなくなりました。年長で隣席の私が、「クラス通信を発行して、自分の高校時代の思い出話など書いてみたら?」と水を向けたのですが頑なに拒み続け、やがて教壇を去っていきました。水に飛び込まなければ水泳は覚えられないのに、水に飛び込めないのです。嫌な職務命令こそ人生飛躍のチャンスです。人は、むしろ自由にならない境遇から成長のきっかけを得ます。

 恥多き人生でしたが、私は最初の授業で私の人生を生徒達に紹介しています。その方がその後の指導が円滑に進むからです。そして生徒達にも、配偶者にはどん底経験者を薦めています。

** 高校生のコトバ ************************

川柳 : タピオカの はやりに乗って 後悔す  (Jung Rabbit)

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Enrique

人にもよるのでしょうが,優秀さが仕事に適合しない事も時々あるようです。いろんな職場で学歴の良い人を避ける傾向もあります。「○大卒が会社を潰す」とは昔よく言われたものです。学校の場合,生徒という強力な評価者がいますので,淘汰が進みますが,そうならない職場もあるのでしょう。
by Enrique (2023-01-05 08:21) 

侘び助

どん底の生活を味わった後の生活は
粟粒のような事も全てが幸せに感じられる
私も日々幸せな最高の余生を送らせて頂いています。
by 侘び助 (2023-01-05 10:31) 

kousaku

こんにちは!
今年もよろしくお願いいたします。
by kousaku (2023-01-05 16:23) 

サボテン

Enrique様、
 確かに「天声人語」と言われる通りで、生徒の言葉は天の言葉だなあと感じます。言葉にする前に生徒達は様々な形でメッセージを発しているのですが、自分の事しか考えられない自己中の人はそれが読み解けないんですよね。これは本来頭の良し悪しとは全く関係ない話なのですが、えてして長年勉強机にだけ向かい続けてきた成績優秀な方には多い気がします。やはり野外活動や体育祭、ボランティア等の特別活動の持つ役割は大きいと感じます。
 コメントありがとうございました。
by サボテン (2023-01-05 22:44) 

サボテン

侘び助様、
 粟粒のような事にも幸せを感じる…、この言葉沁みました。
昔、暑さしのぎに飛び込んだ映画館で見た『バリのめぐり逢い』に、私は全身鳥肌が立つ感動を覚えました。何気なく見た映画だから良かったと感じています。同様に、幸せも期待していない所から生まれるという気がします。気づくとそれが幸せ、幸せは期待すべきものではなく後から気づくものだと思っています。また生意気な事を書いてしまいました。ご容赦下さい。
 コメントありがとうございました。
by サボテン (2023-01-05 23:01) 

サボテン

kousaku様、
 いつも壁紙にしたくなるようなきれいな写真を見せて下さり、ありがとうございます。今年も素晴らしいものをワクワク期待して待ってます。今年もどうぞよろしくお願い致します。
 コメントありがとうございました。
 
by サボテン (2023-01-05 23:42) 

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