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1578. 大人の表現 [雑感・気づき]

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            ニュースキャスター (フリー画像より)

 以前職員室で、担任から再テストの結果を緊張して聞いていた男子生徒が「やったー!」と歓喜の声を上げ、励まされた返事に「これからがんばる、…ます。」と答えていました。

 時々ニュースなどで、「参加した人々は口々に『おいしかったです。』と言っていました。」といった表現を耳にしますが、これを聞くと私はあの生徒を思い出します。「おいしかった」を丁寧に表現しようとしているのですが、どこか違和感を覚えるのです。

 現在形の「おいしいです」は良いのですが、その過去形を丁寧に言おうとすると、私には適切な言葉が見つかりません。おいしい感覚は、現在形でストレートに「おいしい」か、「おいしいです」でしか伝えられない気がしました。

 調べてみると、「です」をつけて丁寧な表現にできる品詞は、名詞(山)、代名詞(これ)、形容動詞(静か)、副詞(まったく)など、活用しないものに限られるとあります。したがって活用する形容詞(白い、おいしい等)はだめなのです。「おいしいです」も厳密に言えばダメだったんですね。過去形は「おいしくいただきました」がいいそうです。

 国語の先生に、こんな時どうするかを尋ねてみたところ、「『感銘を受けました』のように表現を変えてみてはどうでしょう」というアドバイスをもらいました。なるほど、話し手の言葉を受身形に変える事でも、ぐっと大人の表現になるんですね。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 忘れ物 家遠ざかり 思い出す (五十嵐那智)

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ぼんぼちぼちぼち

まあ、「おいしかったです」は、あっしもよく使いやすが、現代のスラングでやすね。
きちんと正しく言うのなら、「おいしゅうございました」だと、あっしは思いやす。
でも、気軽なカフェなどで後者を使うと場にそぐわないので、あえて前者を使ってやす。
今の時代、後者が相応しいのは、一流の割烹や料理に自信のある目上のかたのお招きにあずかった時くらいでしょうか。
by ぼんぼちぼちぼち (2021-10-01 10:06) 

サボテン

ぼんぼちぼちぼち様、
 たしかに「おいしゅうございました」は、私の祖母あたりの年代のご婦人方がよく使っていました。響きは心地良いのですが、小中学生が使える言葉じゃありませんよね。でもパックンあたりが使えば、それはそれでいい気がします。外国人にとって日本語の敬語は本当に難しいでしょうから、最上級の敬語を使っていれば無難です。
 逆に何とも聞きづらいのは、おもてなし武将隊の若者達が使っている命令口調の古語文です。申し訳ないのですが、こちらは風格のある年長者が語ってこそ人をうなづかせるものと感じます。本当に日本語って難しいですね。
 コメントありがとうございました。
by サボテン (2021-10-01 11:49) 

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