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301. 薬物中毒 [思い出話]

名言 : 親切という名のお節介、そっとしておく思いやり。  (D.S.)

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薬物中毒
 「脱法ハーブ」 による事件や事故のニュースが報道されています。 四十年前、 私の友人の知っていた女性が、 覚醒剤が引き金となって命を落としました。

 美人の彼女は、 芸能界入りの夢を持っていました。 ある日、 自称芸能プロのスカウトマンに見出され、 その事務所に行ったのが運の尽きでした。 そこはヤクザの事務所で、 何人かの若者がマリファナたばこや大麻などを吸っていたのです。 軽い気持ちで一口吸った彼女が覚醒剤中毒に陥るのに時間はかかりませんでした。 長期間にわたって散々代金を搾り取られ、 肌も歯茎も明らかに異様になった頃、 ヤクザは事務所を引き払いました。 彼女と関わっていると警察の手が伸びると考えたのです。 一人になった彼女は注射器を買い、 手当たり次第に塩、 味の素、 玉葱の絞り汁、 ナフタリンなどを水で薄めて体に注射していきました。 もちろん肝臓はボロボロ。 やがて毒が脳に回って死んでしまったのです。

 「なまじ可愛いのが、 不幸のもとだったんだよなあ。」 友人がしみじみと語っていて、 私も色々考えさせられました。


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