ミケランジェロの『楽園追放』(ウィキペディアより)

 キリスト教は、人は生まれながらに「原罪」という罪を持っていると教えますが、この原罪とは何なのでしょうか。旧約聖書の創世記に次のような話が載っています。

 神によって作られた最初の人間アダムは、神から
「エデンの園のどの木の実も食べてよいが、知識の木の実は食べてはならない」
と言われます。その後、女イブが作られ二人で暮らし始めました。ある時最も賢い動物の蛇がやって来て、
「知識の木の実を食べると神のように善悪を知る者となる」
と、二人にそれを食べるようそそのかしました。賢くなりたい二人はそれを食べてしまいました。そこにやって来た神は事情を察し、問いただします。アダムは、
「イブがよこしたので食べた」
と言い、イブは、
「蛇が騙したので食べた」
と答えました。神は怒って、蛇を地を這う姿に変えました。次に
「人は我々のように善悪を知る者となった」
と言って、二人をエデンの園から追放しました。

 ここで「原罪」として語られている人間の欠点は一体何でしょうか?
・神の言いつけに背いた事。
・二人とも自分の行動の責任を他人に転嫁した事。
・神のように賢くなろうとした事。

 私は神の言葉から、この三番目が相当すると考えます。創造主たる神と被造物の人間との間には絶対的な断絶があり、人間は神の意図を知る事は出来ません。しかし神になりたがる人間は、神の「善悪の基準」とは別の「善悪の基準」を日々作りつつあります。今後どう進むか分からないAI兵器、遺伝子操作、原子力発電、ChatGPT…。確かに「原罪」は人間の恐ろしい性(さが)と言えそうです。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 :  ネコはみな エサの時だけ 愛想よし  (さくまくん)