緒方貞子氏 (UNHCR JAPANより)

 私の初任校は小さな分校でした。修学旅行の時期になると、生徒達は「馬鹿にされるのでバスの校名表示から『分校』をはずしてくれ」と言います。しかし先生方は「本校と区別できなくなる。分校は恥ずかしい名前ではない。誇りを持て。」と、説き伏せていました。私のクラスが当該学年になった時、クラスに生徒会長がいました。彼女も真剣に私に「どうしたら私達の意見を聞いてもらえるか」と相談に来ました。一緒に考えて、最終的に「~分校」の「分」の字を取った「~校」とする事で合意し、職員会議を通しました。今県内の高校で分校の校名は全て「~校」に変わりました。確かに名前一つで印象は大きく変わります。

 市内に「山田中学校」がありますが、ここの生徒達も修学旅行先でこの名前をとても恥ずかしく感じるそうです。こちらは正式名称なので変えようがありません。しかし作曲家の山田耕筰氏のような偉人もいるのですから、こちらこそ恥ずかしがらずに名乗るべき校名と感じます。

 昨日のNHKの「知恵泉」は、国連難民高等弁務官の緒方貞子氏を取り上げていました。彼女の退任の挨拶の最後の言葉は、「難民をリスペクトせよ」でした。私達は、難民と聞くと可哀そうな人々という印象を持ちがちですが、緒方氏は難民は私達の何十倍もの辛い状況を生きている人々なので、尊敬すべき対象なのだと言い切ります。彼女は最後まで社会の印象の方を変える必要性を説いていました。

** 高校生のコトバ *************************

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