司法取引のイメージ図

 今、河合元法相の買収事件を調べていた検事が、被疑者に不起訴を示唆して自白調書をとった事が問題になっています。何が問題なのでしょうか。

 贈収賄事件は、収賄側と贈賄側の両者が否定すれば立件が難しくなります。そこで2020年、検察は収賄側の市議に「事実を話せば起訴しない」とのニュアンスで供述を誘導し、「買収資金を受領した」という調書を多数とりました。そして取り調べを受けた市議ら100人を全員不起訴としました。

しかし2022年、検察審査会はこれら100人の内の35人は「起訴相当」と議決し、病気の1人を除いた34人が起訴されました。結局全員が有罪(現在係争中を除く)になっています。検察は取り調べ段階での約束は守りました。しかし民意を反映する検察審査会が健全に働き、社会正義は概ね守られました。「もしかすると、検察はここまで考えていたのかも…」とすら思ってしまいました。

 この日本版司法取引は、2018年の刑事訴訟法の改正で採用されたものです。考え方としては、巨悪を捕まえるためなら小さな悪には目をつぶるというものですが、異論も少なからずあります。問題点は、検察側のシナリオに沿って供述調書が作られる所にあります。

 であれば、贈収賄事件は一番最初に自首してきた人には100%、二番目は20%、三番目は10%、刑罰を減免するシステムを採り入れてはどうでしょう。実はこれ、公正取引委員会が談合事件に関してすでに採り入れているものなのです。


** 高校生のコトバ **************************

名言 : 用事とは、ある時ほど出てくるものだ。  (T.U.)