パリパリとおいしい仙台長茄子漬け



 突然ですが、皆さんはおいしかった料理の「味」を覚えていますか?おいしい料理をどこで誰と食べたかは覚えていても、そのおいしさまでは再現できないのではないでしょうか。私はできません。



 ただ、昔食べてい
た仙台長茄子の漬物がとてもおいしかった事は、鮮明に覚えています。御飯を何杯もお替わりしました。当時は母が作ってくれましたが、今は私でも作れます。味を忠実に再現するには、決まった量の同じ食材を一定の手続きで調理すればいいのですが、それが難しくなってきています。今、大人の中指位の太さの仙台長茄子が売られていないからです。また、お腹をペコペコにすかせて父の帰りを待つ夕食といったあの雰囲気もありません。食材や家庭環境、調理器具など日々変化していく中で、昔と全く同じおいしさを味わう事はもはや絶望的です。



 という事は、今食べている食事のおいしさは今ここでしか味わえないのですから、「しっかり味わわねば」と感じます。この「味わい尽くす感」を、最近は食事ばかりでなく孫との会話や授業での生徒達とのやりとり、車の運転等、日常生活の至る所で感じます。その全てが「おいしい」のです。「昔」の思い出より「今」の現実を味わう方がずっと新鮮です。そして妻の肉ジャガが年々おいしくなってきているように、「これから」の味わいも大きな楽しみです。高校生の皆さん、今しか味わえないものは食べ物以外にも沢山あります。是非色々味わっていって下さい。



** 高校生のコトバ **************************



川柳 : テレビ見て 会話合わない 世代の差
  (Y.S.)