結愛ちゃん

 認知症の進んだ母と食事をしていた時、テレビでは結愛ちゃん事件(No.973)の母親の第一回公判のニュースをしていました。

 母は、何の話かは分からずに「可愛い子だこと」と言って目を細めていました。ところが、私が「本当だよね。この子が、この両親に殺されちゃったんだから…」と返事をしたとたん突然箸を止め、ご飯も喉を通らない状態になりました。しばらく涙を流していましたが、やがて鼻をかんで「この親は頭がおかしいんだよね」と絞り出すように言いました。

 記憶力は衰えたものの、判断力や感情はまだまだ衰えていません。むしろ感覚は鋭敏になっているようで、ショートステイから戻る車中でもよく「何かは忘れたけど、悔しくて情けない。」と嘆く事があります。もちろん翌日にはすっかり忘れてますけど。

 そこで私は、これから何かを買っていく時には「ほら、約束通り買ってきたよ。」と言おうと思いました。約束したかしないかは思い出せなくても、約束を守ってもらえてるという安心感を与えられれば、それが一番だと感じたからです。今、妻も母の言葉には「そうそう、そうだよね。」と、全肯定で相づちを打ってくれます。おかげで母は、通院も出費依頼も私達の提案はすんなり受け入れてくれています。ここはお互い様なんですね。安心感や信頼感こそが老人にとって大事と改めて気づきました。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : いつも笑顔の奴は、ちょっとうっとおしい。 (9:15)