京都大学特別教授本田佑氏

 6月19日、ノーベル賞を受賞した本庶佑教授が、ガン治療薬オプジーボに関する特許の対価をめぐって小野薬品を大阪地裁に提訴しました。内容は「契約の不履行」と「特許への過小評価」です。

 2014年小野薬品は、米国メルク社を相手にオプジーボの特許権の侵害の訴訟を起こしました。その時本庶氏に協力を求め、成功報酬として小野薬品がメルク社から受け取る賠償金の40%の支払いを約束したと言います。しかし小野薬品は1%しか支払わなかったため、今回差額の226億円の支払いを求めました。本庶氏は、「発明者としての貢献も裁判に協力した謝礼も小野薬品は考慮していない」と憤慨しています。

 しかし小野薬品の1%提案を擁護する意見もあります。薬品開発には莫大な費用がかかる上、製品化できる割合は2万~3万分の1と言われています。さらに製品化後も副作用が起これば巨額の賠償金が求められ、販売活動費も多額なので、発明者にはできる限り低い対価で臨まざるを得ないからです。

 青色発光ダイオードでノーベル物理学賞をとった中村修二氏も、2014年に自分の発明の対価をめぐって所属していた日亜化学工業社を相手に訴訟を起こしました。200憶円の支払い請求に対して8憶4千万円の和解金が示され、悔しさをにじませながら渋々応じていました。

 頭のいい人には、いい人なりの苦しみがあるんですね。 …凡人でよかった♪

〇本田佑氏の訴訟に関する記事
https://www.sankeibiz.jp/business/news/200619/bsm2006191636008-n1.htm

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 両親に 感謝はするが 不愉快だ  (D.K.)