当時は、こんなラジカセを持ち歩いていました。

努力して結果が出ると、自信になる。
努力せず結果が出ると、傲(おご)りになる。
努力せず結果も出ないと、後悔が残る。
努力して結果が出ないとしても、経験が残る。

 学校の廊下に張られていた言葉です。作者不詳とありましたが、実に言い得て妙という感じがします。「言われた」からする努力は苦痛ですが、しっかりした夢に向かう努力は充実した一種楽しいものでもあります。

 私が教員採用試験に最後に取り組んだ29歳の春、通勤途上の都立高校の生き生きとした教員の姿が励みとなって、私はまさに寸暇を惜しんで勉強する事ができました。自宅アパートから学習塾までの往復3時間は、学習の時間と決めました。バイクや自転車に乗っている間はカセットに吹き込んだ教科書をイヤホンで聴き、電車の中とホームでは問題集に取り組みました。ポットに入れたアイスコーヒーを飲み飲みする勉強は、確かに苦しいのですが密度の濃い充実した時間でもありました。

 幸い合格できましたが、あの時は、「これ程やってもダメなら悔いはない」という気持ちを、私も妻も感じていました。この標語の四行目を見て、その気持ちが鮮やかに甦ってきました。

** 高校生のコトバ **************************

川柳 : にぶい奴 けれども君は いい奴だ  (S.T.K.)