狂歌 : 強がって 家族旅行を 断った それでも一人は  さみしかったな (TTC)

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つかず離れず
 心理学で、 「ヤマアラシのジレンマ」 というたとえがあります。 互いに体を温め合おうとした二匹のヤマアラシは、 近寄り過ぎると針で互いを傷つけ、 離れすぎると寒くなるというジレンマに陥ります。 人間同士も互いに近づきすぎると摩擦や衝突が起こり、 離れすぎると孤独になるので、 適度な心理的距離が必要だというものです。

 カウンセリングのポイントも、 「つかず離れず」 だそうです。 共感的な理解に努めようと相手の世界に入り込んでは客観性を失いますが、 客観的なアドバイスだけでも冷た過ぎてカウンセリングになりません。 河合隼雄の 「子どもと学校」 の中にも似た話がありました。 子ども達がジャングルジムなどの少し危険な遊具で遊んでいる時、 教師はそばに居て見ていてやるだけで良いと言います。 指示するでもなく、 子ども任せで教室にいるのでもなく、 自分がそばにいる事を子ども達に意識させる事が大事なのだそうです。

 師弟でも親子でも、 「つかず離れず」 の関係ががうまくいくためには、 まずは互いに信頼し合える関係づくりが大事ですね。