川柳 : マーク模試 四つに一つが 当たらない  (831)

理想と現実
 私が学生時代、 渋谷の路上で懸命に募金を呼びかける学生達に出会いました。 滋賀県に知的障害を抱えた方々の村を作り、 そんな方々に自立の喜びを味わわせたいと言うのです。 私は感動しましたが、 何かとお金の要るこの時代、 はたして障害を抱えた方々だけで乗り切れるのか疑問に感じました。

 そこで滝野川学園という養護施設を訪問し、 直接園長先生にお伺いしました。 園長先生は、 この学生達の善意には心から感謝したいと言われた後、 こんなお話をされました。 「アメリカには、 造船所のリベット(鋲)打ちは聴覚障害者だけしか、 また電話交換手は視覚障害者だけしか従事できないという法律がある。 障害者はそこで健常者以上の能力を発揮している。 日本でも、 ブロック作りのような仕事は、 知的障害者だけしか従事できないという法律ができるとありがたい。」 と。

 まさに現場ならではの声と実感しました。 しかしあの若者達の純粋さは、 四十年以上経った今でも十分に魅力的です。