ヴィクトール=フランクル

 過酷なアウシュビッツ収容所から奇跡的に生還した精神科医フランクルは、「人間は絶望に陥っても、『自分は誰かのために生きている』と思う事で絶望を乗り越えられる」 と言っています。

 妻を亡くした男性が悲嘆にくれていた時、フランクルは「もし逆にあなたが先に亡くなったら奥さんはどう感じるか」と尋ねました。「悲しむと思います。」「それなら奥さんがその悲しみを体験しなくて済むよう、あなたが奥さんの身代わりになって悲しんでいると考えてはどうか。」この男性はすぐに自分の悲しみにも意味がある事に気づきました。

 フランクルはどんなに辛い体験にも必ず意味があると言います。この「意味からの呼びかけ」は人間に謙虚さが無いと聞こえません。絶望の淵にある時、人はこれを聴き取る力が出て来ます。いつそうなるか分からない私達は、日頃から「出来事の意味」を考える訓練を積んでおく事が大事だと感じました。

 この「絶望と意味」という考え方が原稿になったのは、フランクルがアウシュビッツに送られる直前でした。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 家族で誰かが病気になるといつもより優しくなる母。でも病気が治るといつもより怖くなる母。  (Y)