二・二六事件の反乱軍兵士たち

 考えさせられた良い作品でした。80年ぶりに見つかった海軍の極秘資料を基に作成された、NHKの「全貌 二・二六事件」を見た感想です。

 二・二六事件は1936年2月、陸軍の皇道派の将校ら1400名が、内大臣齋藤実、蔵相高橋是清、陸軍教育総監渡辺錠太郎らを殺害し、天皇中心の国家を建設しようと起こしたクーデターです。始めは承認するかのように振るまった陸軍上層部でしたが、海軍と天皇が皇道派を支持しないと見るや鎮圧の姿勢に転じ、彼らを降伏させました。組織防衛のためか、首謀者17名は秘密裁判の下に死刑に処されています。

 この後陸軍は「反乱軍を鎮圧した」手柄を盾に天皇を利用し、一気に太平洋戦争に突き進みました。

 ここまで詳しい情報を海軍が知り得たのは、海軍がかなり前から皇道派の不穏な動きを察知し、陸軍内部や建物の屋上など様々な所にスパイを放って報告させていたからです。ではなぜそんな機密文書が80年間も表に出なかったのか?これについて番組は、驚くべき事実を突きつけました。

 実は、海軍は事件の一週間前にすでに計画の全貌を知っていたというのです。資料には被害者と殺害者全員の名前が書かれてありました。組織防衛のため、海軍も又自らに都合の悪い事実は隠し通そうとしたのです。様々な現象の裏にある「真実」を知る事の難しさを改めて考えさせられました。

** 高校生のコトバ **************************

名言 : 動揺して自分を見失ったのではない。その時初めて本当の自分に直面したのだ。 (キャラメル)