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1706. 難問 [ニュースより]

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                         水泳の授業 (フリー画像より)

 新聞資料を整理していたら、何とも難しい記事を見つけてしまいました。

 2016年7月都立隅田工業高等3年生だった内川起龍さんは、体育のプールの授業で頸椎損傷となり、首から下が動かなくなりました。彼は教師から指示されたとおり、差し出されたデッキブラシの上を超えてプールに飛び込んだところ底に頭をぶつけたのです。都教委から停職6か月の懲戒処分を受けた教師はその後復職しましたが、5年後に東京地裁で業務上過失傷害の最高額100万円の罰金刑を受けました。教師は法廷で謝罪し、起訴内容を全て認めました。

 しかし内川さんはこの判決に満足していません。彼は検察の求刑を超える禁固刑以上の実刑を望んでいました。実刑に基づく失職をその教師に求めていたからです。今でも自分の体を壊した教師を赦せないと言います。

 もしも私がそんな恨みを持ち続ける内川さんを目の前にしたら、彼にどんな言葉をかけるべきでしょうか?天災ならばまだ慰めも言えますが、原因が信頼していた体育教師の不注意による人災ですから…。NHKの記事によると、嬉しい事に今彼は車イスマラソンにいつか出る夢を見始めたそうです。

 昨夜、一人の生徒に
「人生、絶望なんかしてる暇ないよ。」
「新しい展開に備えて、しっかり準備しておきなさい。」
と、指導している夢を見ました。もしやこれが、内川さんにかけるべき天からの言葉かと、自分でもびっくりしました。


〇NHKの内川さんについての記事            
https://www3.nhk.or.jp/news/special/jiken_kisha/shougen/shougen26/

** 高校生のコトバ **************************

名言 : どんなに好きなことでも、強制されると嫌になる。   (M)

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Enrique

確かに難しい事故です。
運動が苦手だったので,体育授業は無くても良いとは思っていました。しかし好き嫌い・得手不得手で判断したらどの授業も成り立ちませんね。
人災は人災でしょうが,過失の程度でしょう。教師も一応専門家でしょうし,生徒が下半身不随になっても良いと思ったわけはないでしょうから。
個人感情と判決は相容れないでしょうが,厳罰を求めても,体が戻ってくるわけでは無い。前向きに考えて欲しい。個人感情では無く再発防止を願っているのならば,理解できます。
by Enrique (2022-06-14 06:28) 

サボテン

Enrique様、
 この問題、何人かの教員や生徒達にも聞いてみたのですが、誰も答えが出せていません。私もこの「天からの言葉」が彼にプラスの変化を促すか、自信はありません。もし私が彼なら、この事故を天罰と甘受するかもしれませんが、まさか他人にしかもまだまだ若い彼に言える言葉ではありません。彼自身の内面が変化するにはあと数年かかりそうな気がします。
 それにしても、水泳からバレー、バスケ、サッカー、格技と全く違うスキルを求められる体育の教員は大変ですね。小さな過失が大きな事故につながるリスクを抱えた生活は、私達他教科の教員には想像できません。でも小さな一言でも大きな心の傷になる点では同じなんでしょうね。気をつけねばと思います。
 コメントありがとうございました。
by サボテン (2022-06-14 12:51) 

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